【Epi6】クリスマス 〜瑠璃色の聖夜〜
そんな思い出は家に帰っていても残っていた。
「…優月クン、遅いー」
「いいじゃん、イルミネーション見たかったんだし」
「なに?彼女とでも見てたの?」
「…彼女なんていないって」
目の前に出された大量の餃子。それを見つめながら答えた。
「ふーん、じゃあ古叢井先輩?」
「…なっ!そんなわけないでしょ!?」
「怪しい〜」
すると父の雅永たちがやってきた。
「美優、餃子もう食べていいよ」
「やったー!私が先!」
(夕飯、餃子で良かったぁ)
誤魔化せた事に安堵しつつ、優月も餃子を口へと運んだ。
クリスマス・イブは至って普通の日常だった。
翌日。古叢井家。
「…またドラムやってる。小麦ー」
山の中にある瑠璃の自宅。今日もドラムセットの音が響いていた。
「瑠璃姉、吹部終わったのに何してるのよ」
小麦はやや呆れ気味にドアを開ける。
「…!?」
ドアを開けた小麦は驚いた。
「樂良!?」
すると瑠璃と小麦が頷いた。
「…瑠璃姉、樂良に何を吹き込んだの?」
なんと瑠璃は樂良にドラムを教えていた。樂良は楽しそうに彼女を見る。
「え?ドラムやってるのー。しょうらい、あたしもすいそうがくやるんだー」
「…えぇ」
それを聞いた瑠璃がクスクスと笑った。
「…だってさ」
しかし小麦は表情を全く変えない。
「全く、ケーキ食べないの?」
「食べたい!」
「お母さん呼んでる」
「分かったよー。樂良行こ」
「うん!」
瑠璃と樂良は楽しそうだ。それでも小麦は気に入らなかった。
(…全く、音楽の何が楽しいんだか)
小麦はあまり音楽が好きではなかった。
「やったあー!ホールケーキだぁ!」
「樂良も子供だなぁ」
瑠璃はクリスマスという日を楽しんでいた。
「…瑠璃姉、今日もドラムやってた」
「楽しいし頭がスッキリするんだもん」
「…ちゃんと勉強しなさいよ」
「はーい」
楽しいクリスマスはあっという間だ。
また年が明ける。
そして――新たな扉が開かれるのだ。
【エピローグ完】
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