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貴族転生、チートなしで成り上がれ!  作者: 榛名のの
第2章 学園編
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ビストロ【ナナ】開店

◆○◆○◆sideビオラ


ビストロ【ナナ】の警備員になった私は、おかしな客が並んでないか目端を利かせている。

何しろ開店までまだ、2時間あるのに行列が最終尾が見えないくらい並んでいる。

 あと5人警備員がいるが当てになると良いが……カナ達が小さい木箱をトレイに山盛りにして平民用の入り口から出てきた。それと同時に侍従から給仕になった変わり者達もやはり、トレイに木箱を山盛りにしたものを持ち貴族、商人用の入り口から出てきた。


「おはようございます!朝早くから並んでいただきありがとうございます。今から開店初日に来て下さった方にほんの気持ちですが先着500名様に焼き菓子を配らせていただきます。並んだままお待ち下さい」


あり得ない!何それ?!私も並べばよかった!

早くも皆、木箱を開けて子供達に食べさせてる。

食べた子供達は裕福な家の子と思えないほどのガッツキ様。……美味しいのね。


「君!これはこの店で買えるのか?!」


「はい、お買い求め頂けます」


交代の時間に買う!!チッ、昨日来ておけばよかったわね!


行列はまだまだ続く。侍従から給仕になった奴ら早くも疲れている。

ま、ひと月金貨1枚なら当たり前だわ。


◆○◆○◆侍従給仕アリオン


毎日が晩さん会か?!

給金を上げてもらわねばな!

やっと開店したかと思えば身分順の御用聞き。

 なるほど。侍従じゃないとできませんね。

バール会長の読み通りになりました。

お金の為に身を売りましたが、これはこれでやり甲斐があります。

 ハンバーグセット大銅貨5枚。

平民の1日分の給金ですが、皆さんお替わりしてますね、チーズインハンバーグセットと煮込みハンバーグセットも。

 ワインが飛ぶように注文されてますし、帰り際には夫人に強請られて焼き菓子も売れます。

 私の知ってるコック引き抜いて来ますかね。某伯爵邸の務めを辛く思ってましたし、ちょうど良いでしょう。今日は早退きさせていただきましょう。


◆○◆○◆sideカナ


「パンは私がとりますので手で触らないで下さいね!」


アタイが言うと冒険者の男達はパンを指指して自分たちの食事分を伝える。


「これと、これと、これと、カレーパンを包んでくれ。持って帰る」


予想外!キターーー!ガスパールじいさん助けて!!


「持ち帰る場合はスープはつきませんがよろしいでしょうか?かわりにパンを一つ無料に致しましょう」


「おう!それで頼む。こっちのフライドポテトも要らねえ!」


「フライドポテトはお安うございますから、パンは値引き出来かねます。それに、食べたら止まらないくらい美味しいですよ」


同じパーティーメンバーが黙ってそいつの分のフライドポテトを持って行く。


ひい。ハアハア、揉め事おしまい!

しかし、持ち帰れる事を知った行列の客達は次々持ち帰りをアタイとガスパールじいさんに頼む。昼までにパンは完売して今度はハンバーグセットが売れ始めた。


厨房に行くとコック達はオーガのごとき形相で皆がハンバーグセットを作っているし、洗い物が山になっている。

 まさか、金持ちのホールも同じ状態なのかよ?!

オーダーシートを読み上げる声が震える。


「煮込みハンバーグセットご飯大盛りで15個」


「了解!カナ、水飲んでけよ?声ガラガラだぞ」


揺るがない男、ナナ様。カッコいい!

 絶対恋人にして貰うんだ!


ただ疲れていて緩慢だっただけのロギだった。


◆○◆○◆sideナナ(ロギ)


や○ざき春のパン祭りと並行して始まったびっくり○ンキーのハンバーグフェスにコックさんズ総出で取り掛かったがパンは撃沈、それならばと、パン職人達にハンバーグを焼かせてヨールと俺はひたすらハンバーグのタネを作る。

 本気度200%でタマネギのアッシェをやるとチビ共が怯えている。除雪車に退けられる雪みたいにたまるみじん切りをアレンがヨールが練ってるミンチの中に投入して行く。


「アニキ、味付けお願いしやす!」


アーサーがゴリゴリ胡椒を乳鉢で磨り潰したのを13回握り撒く。塩も十分に利かす。

チビ共が摺り下ろしたカンパーニュをミルクと溶き卵でふやかし、ヨールのボウルへ投入して一緒に混ぜる。150人分は半端じゃない。


「チビ共!何休んでる!!タマネギあるだけ全部剥け!」


休むヒマなんて無い!優しくしてやりたいが、また後で、だ!


アレンとアーサーがタマネギを剥こうとしたので、ハンバーグのタネの成形の仕方を叩き込む。チビ共もやりたいと手を上げたがもみじの葉っぱ並みに小さな手でデカいハンバーグは作れない。


「アーサーくらいになったらな?ほらほら、ジャガイモも洗え!」


昼を過ぎた辺りから焼いた肉の匂いが気になるようになった。何故だろう?


ぎゅるぎゅるごーー


アレンが真っ赤になる。


「腹減ったな?アレン、全員分屋台で何か買ってこい!チビ共連れてって良いから。銀貨1枚な。余ってもいいからたくさん買ってこいよ!」


チビ共5人を連れてアレンは裏口から出て行った。

ずるい3つ子のコック達はハンバーグを分け合って食べていた。15:00~18:00までが夜の仕込みの時間だ。賄いもそこで作るつもりだったが、いかんせん皆が疲れ切って気力がない。だから、買い出しは仕方ないのだ!

1時間経った頃背負い籠を背負ってアレン達が帰って来た。ちょうど15:00。まず給仕達が賄いを食べに来て屋台のものと知り、興味津々で食べていたが、口にあわなかったらしく賄いを強請られてチャーハンを作った。

 ……腕が疲れた。

ヨールに強引にイスに座らされた。

ヨールがカレーピラフを作ってくれた。はは、賄いで1回作っただけだったのに、覚えてたか!ちょっと味が薄いけどこれならアリだな!


「美味しかったヨール。ありがとうな」


休んだ後は時間いっぱいを使って魔牛の赤ワイン煮込みを作る。煮込んでる間にハンバーグを300人分作ってデミグラスソースを足す。

足してる最中に体が縮み始めた。

何で?!まだ2日しか経って無いのに!


「ガスパールを呼んで!カナ!早く!!ヨール、お湯沸かして!ティーポットに入れるくらい」


香草茶呑むまで待ってくれ!!頼む!


「どうした?!呪いでもかけられたのか?!」


巻き毛の侍従給仕が魔導具を取り出して恐らく呪いの有無を調べている。

 無情にもガスパールが駆けつけた頃には5才児くらいになっていた。さらにお茶を入れるまでに3才児ほどに。ガスパールがお茶を冷ましてる間に元の体になりました!どや!

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