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貴族転生、チートなしで成り上がれ!  作者: 榛名のの
第2章 学園編
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開店前

ちょっと短いです。

 クロワッサンをこれでもかと言うほど仕込んでいる俺とパン職人の三つ子。

ヨールはショルツとアイスボックスクッキーを量産している。

 子供達はクッキーを小さな木箱に入れる係だ。

ショルツが俺に聞く。


「何でクッキー何ですか?」


「一番簡単で安いからだ!」


そうこのクッキーは来店客に配るのだ。

明日は他の保存が利く焼き菓子を一気に作る。

クッキーの味を見たお客様は売ってる焼き菓子に手を伸ばす!間違いない!

 さあ、稼ぐぞ!


「ナナ様が邪悪ッス」


「うっせぇわ!ヨール!黙って手を動かせ!」


「ナナさま」


「何だ?マグ」


「焼き菓子スライムの袋に入れたら湿気ないよ?」


「俺、ギルド行って依頼して来ますね!」


アインが逃げた。


しかしなぁ、湿度が高いんだよなぁ。マグに大銅貨1枚やると誰にも見えないようにズボンのポケットに入れた。

生存競争ハンパねぇ。

開店まであと2日。

魔牛の赤ワイン煮込みのマリネして帰るか。

チビ共は5階に布団を敷いて寝ている。おうちが出来たと大はしゃぎだ。

 俺たちコックも3階に住んでいる。

風呂場は1階の階段下にあるが、一人づつしか入れない。だから、温タオルで拭いてすます。チビ共は朝早く入っている。

はあ、風呂入りてえ。入ってると寝る時間がねぇ。

でも、明日は入る!


翌日は朝早くから起きてマドレーヌやらフィナンシェやら、ダッコワーズ、アマンディーヌ、マルスラン、ガレットブルトンヌ、チョコなしフロランタンサブレ。

前世では調理が趣味だったし、パートタイムの家政婦というちょっと時給がいい貴重なアルバイトだったから、魔法で無双出来なくても身を立てられている。貧乏に感謝だな。


あ?ヨール?てめぇ、フロランタンサブレ食いすぎ!殺すぞ。


風呂には夕食を食べてから交代で入ることになった。俺はバケットを仕込んでいるので最後でいいと言ったら、お湯が湯船の3分の1しか残ってなかった。く~!

あんまり落ちない石鹸とシャンプーで何度も体を洗う。3度目ですっきりした。

寮に上がると皆、死んだように寝ている。

俺も自分のベッドに潜りまずまずの睡眠を得た。


開店前日。給仕がやって来た。カナとティンもいる。開店前、最後のチェック。

そして大量生産した焼き菓子の袋詰めをどこに並べるかで困っている。

ガスパールとバール会長が来て采配している。

ちなみに平民クラスのホールは惣菜パンと菓子パンが山とおいてあってセルフサービスでパン、スープ(またはジュース)、フライドポテトのメニューだ。お金は前払い制。

揚げたてのフライドポテトはきっと人気が出るはず。

今日は全ての料理を一通り作って見て侍従達の反応を見る。テストパターンだ。

そう、給仕じゃなくて、侍従達を採用してるのだ。今朝カナから聞いて厨房に激震が走った。


「幾らで雇ったんですかねぇ」とショルツ。


「ぜってぇ、高飛車なんすよ!」とヨール。


「ま、メシ食べるまでの勢いですよ」とアイン。


だったらいいな、だったらいいな!王宮の侍従とか超冷たくて怖えし!!


カナ達が給仕するのは、平民クラスのホール。スープを入れたり、フライドポテトを盛ったりするだけらしい。


お昼は1階の貴族のホールの洋食を皆でビュッフェ。

 ちょっとちょっと、そこの巻き毛の侍従さん?エビフライばかり食べ過ぎだからな!


「ううん!一口でいいので一通り食べて下さい」


ちょっと顔が赤い。自覚があったらしい。

試食会の後で侍従さん達から細かい質問や、盛り付けの直した方がいい所を指摘された。

ソースやケチャップ、ドレッシングかけて提供するのはアウトらしい!小さなピッチャーが用意された。

皆さん、揚げ物が美味しかったらしくて、キレイに食べてた。

俺たちコックとバール会長は平民クラスのパンの食べ比べをしてたら侍従さん達からも食べてみたいとの事。どうぞ、どうぞ。

今日のスープはカボチャのポタージュ。

 銀髪の侍従さん、カボチャのポタージュが気に入ったならまた作ってあげるから、すねるなよ。

侍従さん達からここで要望が出た。


「この変わったパンも貴族のホールで食べられるようにした方がいいし、貴族のホールで食べられる物も平民のホールで食べられるようにした方がいい」


バール会長がうなずく。


「貴族のホールのどこにパンを置こうか?」


「真ん中あたりですね。ちょっと席を潰して平台を作りましょう」


ガスパールを手招きで呼んだ。


「何か?」


「侍従さん達、幾らで雇った?」


「ひと月金貨1枚です。貴方方は金貨1枚と銀貨3枚ですからいじけないで下さいね」


「そ、そんなに給金出して利益ある?!」


ガスパールはびびる俺を鼻で笑う。


「開店したら嫌でもわかりますよ、弱虫さん」


からかわれてしまった。


夜のフルコースは肉か魚か選べるだけで、基本的に同じ物にした。人手不足なのだ。

カレーは万人受けしないと言われたので、カレーパンの具にしか使ってない。

今夜のフルコースはオレンジとハーブのサラダが前菜だ。アミューズはコックさんズが少ないので付けない!

スープはカボチャのポタージュ。

魚は舌平目のムニエル

肉は魔牛フィレ肉のパイ包み。

デザートはハチミツのアイスクリームとベリーのシフォンケーキでフィニッシュ!

 舌平目とか、扱った事なくて手が震えたけど案外大丈夫なもんだな?さばいたら普通に調理できた。

シフォンケーキはプレーン生地にデコレーションを施した物だ。可愛くできたのでぜひ、味わってほしい。

サラダで驚き、スープで喜び、メインの魚と肉で無言になり、デザートで驚嘆した侍従さん達からメインはどちらも食べたと言う要望とデザートはポーションを小さくして後一つくらい足して欲しいと言われた。

いいでしょう!手を打ちましょう!

 ああ、どっかに腕の良いコックさんズ落ちてないかな?

 募集するのは止められているから、仕方ない。チビ共を扱こう!


明日の仕込みをして1時間寝ると、コックさんズをたたき起こして、いざ、出陣だ!

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