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貴族転生、チートなしで成り上がれ!  作者: 榛名のの
第2章 学園編
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第2章 難題

「食事だけなら通用するのに、ね」


チェンバーがここ1週間で起こった問題を箇条書きしている。


食事を食べない子供はいなかったが、マナーやダンスは幼児にはまだ早い。

 勉強は論外!


乳母ナニィを5人くらい雇った方が良いな。手に職がない専業主婦を雇おう!」


「そうなると僕らは働きに出た方が良いね!チェンバー」


「そうだな、いくらチョコレートが売れてるからとはいえ、このままじゃ食いつぶすだけになってしまう。いい意見はないか?ロギ」


「しばらくティムはサンドイッチ屋チアーズで頑張れ!俺は、チェンバーと一緒に専業主婦の人達をプロにする。それが終わってから、稼ぎに行くぞ!今は赤字でもきっと取り返す!2人とも俺に着いてこい!」


「「おおーーっ!」」


やることは決まってるから、秘密を守れて手先が器用で苦労を厭わないお母さん。

 マティスさんに協力してもらってヘッドハンティングするか。


マティスさんに相談する。


「……そうですね、先に給金で釣って面接、実技試験をやらせてみましょう!お題はジャガイモの皮むきで」


「俺も協力します!」


マティスさんはやんわりと断った。


「君は秘密兵器ですから、教える時にお手伝いお願いします」


その4日後のまだ朝の寒い中を貧しい格好の女性達が、学園通りの坂の下まで行列を作っている。


「「「「「「「「マティスさん!!一人で大丈夫?!」」」」」」


「心強い援軍を頼んでますから平気ですよ。さあ、ご飯を食べていってらっしゃい」


◆○◆○◆sideマティス


とはいえ、領主館の料理長と2人だけでの面接なんですよね。

 何時に終わるやら。……というか、昼前には終わらせないといけません!お客様が待っています。


「マティス!!久しぶりだなあ!」


「ライゲルトさんもお元気そうで何よりです」


「多いから、料理をする心掛けが出来てるヤツから選ぶぞ!」


「それはどういう基準ですか?」


「服がすり切れてても洗濯した物を身に付け爪を切り髪を落とさないようにきっちり結い、清潔にしてること。髪を洗ってなかったり香水なんか付けてるヤツは追い返せ!やるぞ!」


「はい!」


第1次面接で約100人以上がふるい落とされました。なんで落とされたのか縋るご婦人もいましたが、落選理由を聞くとワッと泣いてました。髪を洗ってなかったからだとは思ってなかったみたいで、ヒドく取り乱していました。かわいそうですが、仕方ありません。

 残った候補者は56人。

次は実技試験で落とします。5名1組づつライゲルトさんが、見ていきます。

 ジャガイモの芽を取らないかどうかは、このテストでは不問とし、皮がどれだけ薄く綺麗に早く剥けるかを見ます。だから、1組全部駄目な時もあるし、1組の中で3人以上受かるのもあるハッキリした試験です。

結果、最後の面接試験に行き着いたのは6人の貧しい格好の婦人達だった。

一人一人と面接して、この人は不和の種だと思ったのは一人だけだった。

あと5人を全員雇った。

全員にここで見聞きしたことは決して誰にも漏らさないことを契約させて一端家まで帰した。もちろんオマケを付けて。

 すると5人全員が密偵だったという残念な結果に面接試験の意味が無いとガッカリした私だったが、それでいいから雇おうと言ったロギくんの一言に唖然とした。


◆○◆○◆sideレミー(マリッサ)


 私は偽名を名乗って交わした契約書が結べた事にホッと一安心した。

 家に帰ると旦那様の家令のオジーさんが待っていた。


「首尾はどうでしたか?」


「合格いたしました」


「レシピは追って知らせるように。よく頑張りましたね」


「ありがとうございます。レシピは1日毎に知らせます」


翌日の昼から来るように頼まれてたけど、出来上がった料理しかない。

 スープは温めて試食。

……美味しい!なんていう滋味溢れる豊かなスープ。それに透き通ってる。どうしたらこんなスープが作れるのかしら?

私たちのシェフはわずか10才の綺麗な顔立ちの貴族だった。

 旦那様から聞いてた通り、クロワッサン男爵の直弟子だった。

 野菜を切るだけでも匠の仕事と解る。一挙手一投足を見逃さないように仕事を進めていると、【どれっしんぐ】という野菜にかけるタレを作り始めた。

 他の4人も息を詰めるようにして見ている。


「この油を混ぜる時だけど、糸のように細く垂らしながら、混ぜて下さい。ここ大事です。2人でやると良いかもしれません」


それから、塩コショウして終わり。

 あの計ってるスプーンは特別な物ね。何を計るにしても使ってるから。


「ロギ様。そのスプーンはいただけませんか?」


「いいよ。はい、どうぞ」


違うスプーンで計ってる!どれでもよかったのかしら?!


「どれっしんぐの味見をさせて下さい!!」


「そうだね、はい、あーん」


皆があーんされてる!濃い!野菜に掛けるからね!昼の賄いは15:00に始まった。

さっきのどれっしんぐとやらを野菜にかける。お、い、し、い!野菜が主役級になるソース!これは是非とも旦那様に知らせなければ!このシチューとやら、何で作っているのか!これも突き止めなければ!

 パンは商業ギルドでレシピを買ったから旦那様はご存じだが、何故パンの耳まで柔らかいのでしょう?


「何でも聞いてね!皆さん」


「シチューは何故白いのですか?」


「ハハハ!気になる?作って見ようか?」


「「「「「是非とも!!」」」」」


作って貰ったシチューは鳥の骨から旨味を取る斬新な調理方法でめちゃくちゃ教えてるんじゃないかと思ってたら、浮いてきた油をお玉ですくって捨てています。

これが終わったら、タマネギと人参を入れて更に煮込み濾したら基本のスープの出来上がりです!

さらにジャガイモ、人参、タマネギ、鶏肉を一口大に切り別の鍋に野菜が浸かるくらい水を入れて煮込む。

 ベシャメルソースという白いソースの作り方は、衝撃だった!

バターと小麦粉を木ベラで混ぜた物を温めた牛乳に入れてかき混ぜるだけなのだから!

もったりと重くなるまで混ぜたら出来上がりです!これと基本のスープブイヨンを柔らかく煮えた野菜の鍋に入れます。シチューが出来上がります!


「グラタンもベシャメルソースをたっぷり入れてチーズを乗せてオーブンで焼いた物だからね。具は茹でた野菜とか、ハム、ゆで卵もいいね。じゃ、復習だよ。5人で協力してシチューを作って見ようか」


「「「「「はい!」」」」」


驚く程早く出来上がったが、マズい。ベシャメルソースの作り方が肝心なんだわ!きっと。しかしロギ様は味を直してしまった。さも、簡単にポンと。


「ベシャメルソースは作るのが難しいけど練習したら作れるようになるから!あすはグラタンをつくるので、ゆで卵とジャガイモ、ベシャメルソースをたっぷり作っておいて下さい。宿題です」


チェンバー様が「ロギはオーガだ」とじゃれ合ってましたが、本当にそうかもしれません。舐めてかかると痛い目に合うクロワッサン男爵の料理。本当にそうでした。

報告書にはどれっしんぐの作り方を書いて1日目の報告といたしました。


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