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貴族転生、チートなしで成り上がれ!  作者: 榛名のの
第2章 学園編
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第2章 本格的活動①

初等科は授業は昼までに終わる。昼からは自習だ。

 用務員室を借りて炊き出しのスープを作る。おにぎり一つと今日は豚汁だ。

やらせてみたらチェンバーが野菜のざく切りを良いくらいの大きさに切る。

 料理人に向いてるかも…おっと!勝手な妄想禁止!

他人の未来を勝手に巻き込まない!

若者には自由に羽ばたいて欲しいからね!


炊き出し1日目。豚汁・おにぎり一つ

備考/全然全く足りなかった!お肉は自分たちで狩る必要あり。


炊き出し2日目。ミネストローネinカッペリーニ

備考/足りた!寸胴3杯分必要。


炊き出し3日目。鶏粥

備考/お金持ちがお金払うから食べさせろ!って言う。どうする?今日は量がたくさんないからって断った。かろうじて足りた。皆、お替わりするようになった。


「3日で問題が次々と見つかったね」


「お金払うならいい気もするけど君からみたらダメなのか?」


「うん、決まった量しか作らないから困るね」


「じゃ、私とティムは狩りをしてくる」


「俺も行くよ!」


学園の裏庭は鬱蒼と茂っていて何かしら出て来そうなおどろおどろしさがある。

 高等科のお兄さん、ウーウェンさんの情報では、スラッシュボアの目撃情報が多いらしい。


 その情報は間違ってなかった上に超デカかった。


ティムがおとり(?)になっている隙につけ込んで、チェンバーがウインドスラッシュを全力で首に叩き込み、トドメを俺が解体用のナイフで刺した。素早く魔法カバンにしまい込み裏庭から逃走した。あんなのが何匹も来たらたまらない!逃げるが勝ちだ。

冒険者ギルドに登録してスラッシュボアを解体してもらい、毛皮と牙は売り蛮勇を怒られた。


「そっちのガキは涙と鼻水で顔に絵を描いてら!無茶しやがって!もっと確実に一人一人で仕留められるヤツにしろ!オラ!肉だ、持ってけ!」


牙がいい値段になったので、卵と小麦粉と米を仕入れた。

俺の部屋に2人を招き、スラッシュボアの味噌煮込みと卵焼きをごちそうしたら、明日の昼もこれが良いと顔中にご飯粒を付けたティムが言うので卵焼きは、徹夜で焼いた。

スラッシュボアの肉はカレーにした。

スパイスの在庫処分だ。

香るので魔法カバンに作って直ぐに入れたが翌日ウワサになってしまっていた。


お昼ご飯に出すとお金を払って食べようとする、輩が多い事。いっぱい作ったのでその日は売った。ちょっとした小金持ちになったのでお昼ご飯が終わると市場に買い物に行った。


「これ、湿気ってるでしょ?安くしてよ」


ティムってば、大胆。


「チッ!目端が利くガキめ、大銅貨2枚!これ以上は負からんぞ!」


「「「ありがとうございます!お兄さん」」」


お兄さん呼びに気をよくしたのか、強面のおじさんはシナモンスティックも付けてくれた。そうやって湿気っているスパイスばかり集めている内に下市場でついたあだ名が「ブラックマウス」。湿気を好むネズミ型魔獣だけど、ソレってヒドくない?


持ち帰ったスパイスはティムが乾燥させて、俺がブレンドして調理する。

明日はカレーパン。早起きして揚げるぞ!

 ティムは今日もウチに泊まっている。炊き出しの昼ごはんを手伝ってくれるいい奴だ。


「だって、家に帰ってもご飯無いから、ロギと一緒にいた方がいい!」


ソレってご飯目当て?ま、いいけどな。宿題を2人がしているので先に風呂に入ることにした。

 すると、何だかうるさい。気になるので風呂から出ると、俺のヘソクリ、ショルツのクッキーの瓶詰めを見て食べたくなったらしい。1枚だけなら、という誘惑に負けて食べ続け瓶にはもう何も残ってない。


「何で瓶を隠さなかった?そうすりゃ、わからないだろうに」


「いや、本当にすまない!全部食べるなんて思ってなかったんだ!弁償するから猶予期間をくれ!」


「隠すなんて最低だよ!楽しみにしてたのに食べちゃってごめんなさい」


ピュアだなあ。怒れないよ。


「じゃ、金曜日のお昼からお菓子作りを手伝って!それで許してあげる」


2人は顔をくしゃくしゃにして泣きながら俺に抱き付いて来た。No男のハグ。YES可愛い女の子のハグ!


炊き出し5日目。カレーパン・チャイ。

備考/カレーパンの奪い合い凄かった!美味しいのに何で怒られにゃあかんねん!理不尽だ!もう2度と作らない!


◆○◆○◆


「へぇ、こんな材料で出来るんだ!」


「卵とバターをたくさん使うのだな」


「二人に作ってもらうのはアイスボックスクッキーっていう混ぜて凍らせて切って焼くだけの簡単なクッキーだ。俺の真似してついてきて」


ボウルの中にバターを入れて白っぽくなるまで混ぜる⇨砂糖を加えざらざら感が無くなるまで混ぜる⇨卵の黄身を加えて白っぽくなるまで混ぜる⇨振るった小麦粉とふくらし粉を少しづつ練らないように木ベラで混ぜる。

粉っぽく無くなったら棒状に丸める⇨魔法で軽く凍らせる(形が崩れない程度に)⇨切ってオーブンで15トーン程焼く⇨冷まして出来上がり。


「「美味しい!!」」


「はい、明日売るからどんどん作って」


俺は2人に作らせておいて、コッペパン生地を量産して、まだまだ残ってるスラッシュボア肉をから揚げのつけダレに付けてたのを魔法カバンから店の氷室に移す。

 これで、浸みる。


銀曜日。今まで俺が土曜日だと思ってた日は銀曜日らしい。チェンバーが胡乱な目つきで教えてくれた。ふう~、危ない、危ない!

昨日山ほど作らせたクッキーを大体20枚ぐらいづつ紙袋に入れる。

 それが終わるとコッペパンに切れ目を入れてレタスとマヨネーズ、から揚げを3個づつ挟む。後は焼そばパン、カツサンドパン、女の子用にチーズとハム卵のパンも準備した。


「お待たせ致しました!開店です!」


ティムと俺が接客して、チェンバーが会計をする。


「このクッキーを5つ!」「カツサンドパン3つ!」「クッキー1つとハム卵パン2つ!」


軽い戦場だ。それも20トーンで終わった。


「戦力が欲しいな。ちょっと話を付けてくる。」


チェンバーはそうつぶやき高等科へと消えた。

ティムと俺は売り上げ金の計算と下市場での買い出しに繰り出す。

 小麦粉と米、各種スパイス。野菜はなるべく新鮮な物を肉は自分たちで狩る!

塩、砂糖、バター、ミルク、卵!魚貝類は高いので買えない。


「ブラックマウス!一人足りねぇな?どうした」


「そのあだ名止めてくれたら教える」


下市場でよくお世話になる露店だ。


「ガハハ!止めるか!ケツの毛まで毟り取られてるのに。で。どうした?!」


「別行動してるだけ!」


「ふぅ~ん、最近お前さん達が何を買って行ったかしつこく聞く商人がうろついてるから、気をつけろよ?」


「ああ、何かあっても大丈夫!俺の父さん銀級の冒険者だから、仕返ししてくれるよ」


「お前…怖いヤツだな。わかった!その事も言いふらしとく!」


「ハハハ、楽しみだなあ!」


おじさんはティムを引き寄せて「アイツを怒らせるなよ」と囁いていた。


何もかんも買い物を詰めた魔法カバンをしっかり小脇に抱えて学園まで油断せずに戻る。

 校門で、チェンバーと恐らく高等科の学生が並んで俺達を待っていた。

皆で寮のチェンバーの部屋に移動。

 まず、ご挨拶。


「初めましてチェンバーの親友、ロギ=ウェルバーです。そしてもう一人の親友 ティムです!」


「ティム=ガランです!ガラン商会の長男です!よろしくお願いします」


物憂い気な如何にもお坊ちゃまな優男さんは、いきなり爆弾を投下した。


「監査役のルベル=スペンサーだ。市場で買ってきた物を見せてもらうよ」

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