表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost19 底辺の隊長と呼ばれた男  作者: JHST
第六章 蛮族を指揮する者
81/119

③最終確認 -誘因-

 続いて南北の大通りの下、街の南方を索敵してきたエコーが馬を走らせて来る。

「南門に向けてゴブリンの群れが移動しているのが見えました。数は百五十ないし二百匹。先頭のゴブリン達はバウンドドックに乗っています」

 さらに東方を確認して生きたバイオレットも二人に合流する。

「馬上のまま、報告します。東門周辺に蛮族の姿が確認できません」

「………援軍の姿は見えたか?」

 住民達が街を脱出する事に変更はないが、援軍が来るのならば戦いは随分と楽になる。だがタイサの言葉にバイオレットは悔しそうに唇を噛むと、首を左右に振った。

「いえ、東の丘の上や街一番の高さの鐘楼に上がって確認してきましたが、それらしい姿も土埃も見えませんでした」


―――話が違う。


 一瞬、彼女の口がそう動いた様に見えたが、タイサはそれを流す。

「気にするな。どちらにしろ作戦に変更はない」

 もう一度確認すると言って、タイサは持っていた街の地図を地面に置き、四隅を落ちていた石で固定、エコー達も馬から降りて、地面に張り付いた地図を眺めた。


「ここが現在位置の学校だ」

 タイサが長めの棒を使って、地図を指す。

「住民達の避難準備は既に完了、物資を放棄してでも馬車に積めるだけ住民達を積み込み、裏庭で待機中。ボーマからの報告で、北門周辺には敵の姿がない事を確認できている」

 ゴブリン達が包囲戦を知っていたら作戦自体がご破算だったが、これまで出現してきた敵の数を考えれば不可能だとタイサは読み、実際その通りとなった。そういう意味では、ゴブリン達がこちらの行動に合わせて一つずつ賢くなっているという点が、今回に限っては行動を読みやすい一因となっている。


「昨夜の突貫作業のお陰で、敵が街中から北門にいる住民達を襲う為には、この南北に連なる大通りを抜けなければならない」

 深夜の夜襲もなかったことも幸いした。動ける住民達を説得し、不眠不休で夜の内に複数の家を崩し、廃材を集め、裏道を含めた道という道を全て潰して回った。さらに大通りも直進できないよう、左右交互に障害物(バリケード)を組んで蛇行させる道筋を作ってある。

 人間相手ならば見え透いた誘導路だが、ゴブリン達にとっては初めての体験でもあり、有効的にはたらくと考えての作戦だった。


 タイサは黒い石を地図上の東門と南門に1つずつ落とす。

「敵の半数以上を街の中に誘い出したら、バイオレットが鐘楼の鐘を鳴らす。それを合図に、ボーマを先頭とした住民達が北門を出発。そのまま北道を進み、隣街まで避難してもらう」

 最初に出発した避難民と同様に、東街のグーリンスに向かう手もあったが、タイサは援軍が来なかった場合は北へ向かうと決めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ