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Lost19 底辺の隊長と呼ばれた男  作者: JHST
第四章 アリアス防衛戦
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④作戦会議 -無謀な前提-

「我々の置かれた状況は、かなり危機的と言える」

 タイサは街長から聞いた情報と併せ、街の騎士団の不在とここ数日の襲撃事件について、現状と重ねながら今一度行った。

 その上で、明日のゴブリンの襲撃が百匹を超える可能性を予想しつつ、街から全住民を脱出させる最悪の事態も想定した上で、非戦闘員の保護と蛮族からの防衛を同時に進めていく作戦を立案する。


「正直な所、行方不明になった騎士団が戻ってくる可能性はない。つまり、我々五人で千人近い住民を避難させるなり、この街で守り続けなければならない」

 あまりにも無謀な状況であった。

 そこにエコーが、せめてもの希望として、地図にある東門に指を置く。

「明朝には、女性や子ども、老人を馬車に乗せた第一次の避難民を、隣街(グーリンス)に向けて出発させます。彼らにはこの状況の説明と共に、隊長が用意した書簡を駐留する王国騎士団に届ける手はずになっています」

「避難した方々が、道中で襲われる危険性はありませんか? 万が一の事を考え、我々から護衛を出すべきでは?」と、ルーキー。

 前半は正しく、後半には課題が残るとタイサが答える。

「可能性はあるが、これ以上敵が増えると、避難そのものが困難になる。それに、護衛には軽症の冒険者を数名雇って対応する」

 唯でさえ五人しかいない騎士を割く訳にはいかなかった。


 タイサの説明に、ボーマが手を上げる。

「隊長は、援軍が来るまでの時間をどれくらいだと考えていますか?」

 援軍なくして勝利はない。彼はその事を理解していた。


「隣街で駐屯している王国騎士団が避難民から状況を把握し、準備を整えてこの街に到着するまでに早くて丸一日。さらに別の街からの増援が到達するのは………二日後となると予測している」

「つまり、最低でも丸一日は我々だけでこの街を守り続け、運良く二日目に援軍が来たとしても、ゴブリン達を完全に殲滅するのに何だかんだで四、五日はかかるかもしれないという事で、いいですかぃ」

 新入りの二人にも理解しやすい解説を混ぜたボーマの予想に、タイサは概ねその通りと頷いた。


 タイサは他に質問がないかを確認し、次の説明に移る。

「当面の防衛策だが。ゴブリン達が南の森から現れては逃げていくという情報から、南門を中心に防衛陣地を構築。長い棒に包丁や短剣等の刃物を巻いた即席の長槍で武装した住民達で障害物(バリケード)の隙間や柵を越えて来たゴブリンを狙って攻撃してもらう」

 その間、タイサ率いる騎馬隊が東門から抜けて、今日の様に横隊で突撃をかけて敵集団を蹴散らす。単調な作戦だが、今の我々には有効的な攻撃方法がこれしかないとタイサが訴える。

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