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Lost19 底辺の隊長と呼ばれた男  作者: JHST
第三章 西部巡回警備
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⑧初陣 -南門の戦い-

「隊長、ゴブリンです! 数は十匹以上!」

 『盾』の中で最も目が良いエコーが細目のまま全員に聞こえるように大声で叫ぶ。同時に街の中から煙が複数上がり、焦げ臭い匂いが一気に鼻を通過した。


 タイサは虫を噛んだ様に顔をしかめ、馬の側面に掛けてあった騎槍(ランス)を抜き取った。

「全員武器を構えろ! このまま左回りで突撃をかける!」

 風の音が強い中、タイサの動きに合わせて全員が騎槍(ランス)に手をかけた。

「エコーを中心に横陣形、俺が右翼を務める! バイオレットは剣を持って最後尾だ!」

 彼の手の合図で外壁に沿う右翼のタイサから、ルーキー、エコー、ボーマの順で馬を横一列へと変換させていく。


「隊長、私も騎槍(ランス)で左翼に加わります! その方がっ」

 横陣形は、その幅が長い程威力を増す。バイオレットも列に加わろうとランス先を空に向けながら一番左端に馬を無理矢理移動させようと動き始めた。

 そこに振り返ったタイサの罵声が飛び込む。

「馬鹿野郎! 命令に従え!」「………っ!」

 風を貫いて届いた言葉が発する隊長の気迫に、バイオレットは一瞬で気圧されて言葉を失った。普段温厚なタイサが言葉を選ばずに放ってきた。思わずルーキーも自分の事かと背筋を伸ばしていた。

 バイオレットはそれ以上動けず、仕方なく武器を指示通りに剣に持ち替え、エコーの背後に馬をつけ直した。


 タイサ達が横隊を作って南門に向けて平行に走ると、次第にゴブリン達の行動が見えてきた。彼らは門に作られた粗末な障害物(バリケード)に向かって拳程の何かを投げ、粗末な刃物で切り崩そうとしている。

 エコーの報告で、ゴブリンの数が三十に変更される。

 さすがに馬の駆ける音でゴブリン達も騎馬の接近に気付いた。身振り手振りで何かを叫び、仲間に敵が来た事を知らせているようだ。


 タイサは右手の騎槍(ランス)と左手の盾を器用に入れ替えると、全員に突撃を命じる。

「行くぞ! 絶対に速度を緩めるな! 絶対にだ!」

 タイサ達は盾を前面に構え、騎槍(ランス)を持っている者は地面に平行に維持したまま速度を上げて突撃を仕掛けた。

突撃(チャージ)!」タイサが叫ぶ。

 馬の速さに準備が追い付かず、ゴブリン達は騎槍(ランス)で貫かれ、それを免れても馬の蹄に次々と弾かれていく。騎馬に背を向けて逃げ出す臆病者もいるが、馬に勝てる訳もなく、最後は腹か背中、または頭かを踏まれる事しか変わらない。

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