熱く、したたる、ものの名は
驚愕に見開いた瞳を覗き込み、溢れ出た涙を舐め取れば、
あぁ、それはさぞ甘美に違いない。
衝撃で引き攣る頬を包み込み、わななく唇に噛みついて、
あぁ、この背を震わす恍惚よ。
わたしのものにならないあなた。
他の誰かを選んだあなた。
ならば壊してしまいましょう。
あなたが他の誰からも、選ばれなくなるように。
選んだ誰からも、拒まれ、逃げられ、蔑まれ、
あぁ、なんてかわいそう。
蹲るあなたを、見下し、追い詰め、嘲って、
あぁ、この胸の震えこそが愛おしい。
ぼろぼろになったあなたには、もうわたししかいないわね?
そうして引きずり落としたあなたを、
抱きしめ、愛撫し、口付けて、
嗤いながら、棄ててあげるわ---