彼女と僕の関係
彼女のことを話すにはいくつかのことを先に話す必要がある。
僕と彼女の出会いはありきたりな事だけれど
共通の知り合いが所属しているグループにお互いが招待されたところから始まった。
僕と彼女は共通の趣味として、執筆活動を行っていた。
彼女の描く文章は繊細でどこか品があり、純文学が好きな僕はそれに惹かれた。
そして、驚くことに彼女は自分よりも年下だということを知ったときに、
僕は恋に落ちてしまったんだと思う。
話しかけたのは僕からだったか
彼女からだったか、それを思い出すことはできないけれど
気づいた時には話すようになっていた。
空いている時間にはよくメッセージのやり取りをしてごくたまに通話をしたり
僕にとってそれは幸せな思い出だった。
きっと自惚れでなければ僕が彼女を思うように
彼女も僕を好ましく思ってくれていたと思う。
初めて彼女の声を聴いた時、初めて彼女に好きといってもらえた時。
初めて彼女の写真を見た時。
初めて彼女の事情を聞いた時。
思い出すだけで胸がつまりそうになる出来事を超えて今がある。
僕はただただ彼女と幸せになりたかった。
彼女とは不思議なもので実際に会ったりするようになったのは知り合ってから実に5年後のことだった。