表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
討龍譚  作者: 二式山
   二章  峡谷都市 洛遼
42/47

四二話 広陽での間話



「しかし、まだ一年やそこらなのだろう。そこまで話せるとは、たいしたものだ」


 ルゥラと対座する男は感心するように、ゆっくり頷いた。


 広陽の街を見学した後、キツツキは葦鳴の人を不知火を介して紹介してくれた。


 今、目の前にいる人物がその人で、鹿角政左衛門という。

 歳は四十くらい、謹直な人物なようで、着ている着物は埃一つ見当たらず、見事に剃られた月代の上には大たぶさをのせている。


 ルゥラは、この人物から葦鳴語や葦鳴の歴史を教えてもらった。


「えへへ、まだまだです」


 ルゥラは、政左衛門にほめられて照れた。


 その席の横は、陽光が壁の小窓から差し込み、明るくなっている。

 ルゥラは、恥ずかしさからか、目を逸らし、陽に当てられた床に掌を当てた。

 暖かい。


「あとは……、何かあったか」

 と、政左衛門は、ルゥラのために何か葦鳴の話題を探している様子で、二、三回頭を回した。


「そうだな、御山さまのことはどうだ」

「ミヤマ……ですか?」

「ああ、神さまだ。龍神さまといえばいいだろうか」

「もしかして八大龍王のッ!?」

「そういえば、外ではそのような肩書きもあったと聞くな」


 八大龍王……虹龍や地龍も含まれ、神と同一視される存在である。

 また中には、龍王を「存在する幻想」と呼ぶ者もいるらしい。


「でも……ミヤマさまですか……?」


 ルゥラは首を捻った。


 八大龍王については、両親や祖父母からお伽話のように聞かされてきたし、家にあった本にも龍王について記述されたものは幾つかあった。


 そこには、虹龍、地龍、雷龍、黒龍、水龍、海龍、赫龍、天龍とあった。


 御山はどれにあたるのだろうか。


 ルゥラは、とりあえず虹龍と地龍を除いた六体の龍の名前を言ってみたが、政左衛門には心当たりがない様子。


「すまぬ。我が国では御山さまで通じるものでな」

「い、いや、大丈夫です。……でも、いったいどの龍王さまなのでしょうね」


 ルゥラは、目をきらきら輝かせた。

 知らないことを考えると、心がわくわく弾むようで楽しいのだ。


「そうだな」


 政左衛門は、謹直な顔を綻ばせて微笑した。

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ