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二九話 葦鳴と霓の言葉
語学の勉強など一朝一夕にできるものじゃない。
新しい言語体系を覚えることは、たとえその方の才覚があったとしても、まともに話すことができるまで一年以上はかかる。
ルゥラは葦鳴の言葉を覚えたかったし、それに霓の言葉も覚えたかった。
キツツキにその話をすると、彼は快諾してくれた。
しかし、一年以上もここに逗留すれば、母が必ず心配する。
元は、一週間程度遊んだら帰る予定だったのだ。
そこで、ルゥラはキツツキに薦められて手紙を書くことにした。
手紙の運送は配下の者がやってくれるという。
ルゥラは手紙を書き、母の返事を待った。
いや、待ってはいない。
手紙の内容は、洛遼で勉強します、と決心が込められており、手紙を送ってすぐに、ルゥラはミシウや、洛遼にある言葉を学ぶ学校に通って葦鳴や霓の言葉を習い始めた。
やがて、母親の返事が届いたが、ルゥラの決心を察し諦めたのか、頑張りなさい、と励ましの言葉が綴られていた。
この年、ルゥラは言語の勉強に明け暮れ、やや話せるようになって新年を迎えた。




