表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

王子様なんていやしない その2

作者: 黒楓

既出の『王子様なんていやしない』の続きといった感じです。



合わせてご覧いただければ幸いです。




https://ncode.syosetu.com/n5962ia/





ぜんぜん気が付かなかった…


発覚のきっかけは…今年初のテレワーク中に掛かって来た2課の安藤さんからの電話だった。


『ああ、内田さん居た! 良かった!!』


「えっ?! 私、今日は元々テレワークの予定ですよ。Excelの予定表に去年の内に入力しておきましたし…」


『それよ!! 1課の予定表にあなたの名前が無くて…ひょっとして…昨年末にあなたが退社したのかと思っちゃったわよ!!』


「え~っ??!!」


確認するとExcelの予定表には私の名前が無く…私が入力した予定もすべて削除されていた。


予定入力の時のミスとは到底考えられなかったが、とにかく急ぎ課長へ報告を入れた。



午後になって課長からZ●●mが来た。



『鈴木さんが消してしまったらしい』


「いったい何で!」


『本人は勘違いしたと言っている…』


「何を勘違いすると言うんです!!」


『さあな! 女性における異次元的な事象によるんじゃないのか?』


「仰っている意味が分かりかねますが…」


『そういうところなんじゃないのか?! 私としては君たちが顔を合わせないようテレワークのスケジュールも工夫しているんだ。 仕事に支障が出ないよう、君の配慮も必要なんじゃないかな? 円滑な仕事回しができないと“営業所”ではやっていけないぞ!』


それはつまり…地元の営業所には戻してもらえない事を意味するから


私はすべてを飲み込んで


「私が到らず、お手を煩わせて申し訳ございませんでした。より一層、留意邁進いたします」と…

モニターの向こうの課長に頭を下げた時、チラリと鈴木さんの背中が見えた。


何もかにもが無神経!

それとも…


わざとやっているのだろうか?…


いずれにしても今、フレームアウトするわけにはいかない。


私は心の中で歯を食いしばって業務をこなしていった。



--------------------------------------------------------------------


終業時間となりパソコンを閉じて、私はようやく伸ばしていた背筋を崩した。


いったい鈴木さんは!

私のどこが気に入らないんだろう?…


分からない


私が彼女に…

知らずに何かをやらかしてしまったとしても


もう分からない。


オフィスで顔を突き合わせていたら

もっと張り詰めた時間が流れていたのだろう。


そして

表へ出てしまえば


ずんずんグルグルと街中を歩き回ったに違いない。


でもここは…『赤羽1DK5万3千円の賃貸マンション』の中で…


今さら近所を出歩く気持ちなど起きるはずも無い。


もやもやは…缶ビールの中身を一気に注ぎ込んでも

晴れるものではない。



これがTLマンガなら

王子様か

御曹司の若い専務が…


全ての憂いを

気持ちよく取り払ってくれて…


素敵なディナーの後

熱い一夜を迎えるのかな…


少なくとも私には…

そんな事があるはずも無く


何となく立ち上げた

イブニングニュースは一瞬で消して


映画でも観るかと始めた検索は


いつしか


イケない方向へ…



明かりを落として


モニターのみが浮き上がる部屋の中



最近覚えてしまった

とてもいけない遊びを…


きっと

今日も…


してしまう…



この子、ますます拗らせています…(*_*)



ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!<m(__)m>



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ