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後悔してももう遅いのは俺! ループした悪役かませ炎使いが真面目に生きたら勇者覚醒イベント潰してしまって世界はピンチ?  作者: アニッキーブラッザー
第二章 ズレすぎた歴史

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第32話 和解なんて

「チオに、会わせてくれ!」


 何としてもチオには復活してもらわなくちゃ困るんだ。

 なのに、どうしてこんなことに……


「師範、ここはお下がりを!」

「この小僧は我らが相手をしましょう」

「どのような卑怯な手を使ったかは知らんが、チオさんに勝ったなど、我らは信じぬ」

「さあ、かかってこい!」


 チオの親父が俺の前に立ちはだかったかと思えば、門下生が4人ほど立ち上がって……



「「「「我ら、アヘイク道場四天王が―――――」」」」


「だからぁぁあああ、俺はチオに謝って、そして元気に学校に来てもらいたいだけなんだぁあ! ええい、邪魔すんなぁ!」


「問答無用! きええええええ、んほ!?」


「だぁ、かかってくんなよぉ! 思わず反撃しちまったじゃねえかよ!」


「ぬっ、やるな! だが、一人倒したぐらいで調子に乗るな、あやつは四天王最弱のふげばろぼぉ!?」


「あ~~~~、もう、ヤケクソだぁあ! 蒼炎ッ!!」


「なっ、なんだこの炎は!? うほオおおおおお!?」



 なんかもう、メチャクチャになってしまった……ど、どうしよう……


「ぬぅ……体術は粗削りだが……強い!」

「はぁ~、良い才をもっとるなぁ~、おまけに活きも良い」

「ふむ……チオが負けたというのもあながち……」

「いいんやない? あの子。チオは自分より強い男じゃないと嫌や言うて、縁談の話も全部断っとるけど、彼なら……」


 ええい、もう知るかぁ! 立ちはだかるならぶっ飛ばす!


「て、てーやんでェ、べらぼーめ! いくら才能があっても、どこの馬の骨かも分からない小僧をいきなり婿に、ましてやこの道場の跡継ぎなど……いや、魔法学園の生徒なら家柄も良いかもしれんし、将来性も……」

「最近のなよっちい帝国シティボーイとは違いそうで……荒々しく、そして匂いでわかるわぁ。アレは性欲メッチャ強いえ~♥ ウマそうや♥」

「ちょ、ちょっと待て、お、お前はチオの婿候補にまで手を出す気か!?」

「は~ん? あんたが自分の嫁が他の男とヤッてるところを見んと興奮せん変態さんやからあかんのやろぉ? どや? 目の前で母娘丼なんてされたら興奮するんちゃうん?」

「うほ!? か、かわいいチオちゃんと、愛する妻が……娘婿に……おお、そ、想像しただけでべらぼーなことを」


 しかし、俺の暴れっぷりに対して印象は悪くないのか、チオの両親も何やら嬉しそうな顔をしている?

 なんだろう。

 格闘道場だから、それなりに力を示せば印象はいいのか?

 メチャクチャな気もするが、それでもこれでチオに会えるなら……



「とにかく、誰が相手でも俺は一歩も引かねえ! 俺はチオにもう一度会うためなら、どんな奴が相手だろうと決して負けねえぞぉ!」


「「おぉ~……イイ!」」



 そんな俺に、チオの両親は笑みを浮かべてやがる。


「ドキドキ、どきどき///////」


 すると……


「って……その前に本人いてるや~ん」

「ひゃん!」

「何コソコソしとるん?」

「マ、ママ……」


 と、そのとき、道場の襖をおふくろさんが開けると、ずっと道場の中をのぞき込んでいたと思われるチオが倒れこんだ。


「チオ!?」

「ひゃ、あ、あぅ、あ、あんた……そ、その……」


 チオ! チオだ!


「チオおおおおお」

「ぎゃあああ! く、来るなぁあああ、変態エロエロ先輩! 私に近づくんじゃ―――」

「すまあああああん!」

「……うぇ?」


 よかった、部屋に籠っていると聞いていたけど、どうやら顔を出してくれたようだ。

 とにかく俺はダイビング土下座でチオに謝罪。


「事故とはいえ、俺はお前にとんでもないことをしてしまった! ほんとーに、申し訳ない!」

「うぇ、え、っと……」

「俺にできることでどうにか償いたい。俺も全裸で学園を歩けと言われたら、歩いてやる! どうか、どうか元気になって学校に来てほしい!」

「ッ、そ、そんなこと……い、言っても……わ、私にあれだけのことをして!」


 とはいえ、頭を下げるぐらいで簡単に許してもらえそうもない。

 チオも「うぅ~」っと唸ったり、思い出して恥ずかしくなったのか、顔も赤い。


「チオ、決闘でのことなんやろ? だったら、事故ちゃうん?」

「で、でも、ママ! こ、こいつは私の……私のぉ……」

「自分の未熟で恥をかいたことを決闘相手に責任押し付けるなんて、ちょっと小物すぎひん? チオ」

「うぅ、うう~」


 っと、そこで厳しいおふくろさんの意見。

 そして、親父さん同様にチオも母親には逆らえないんだな……ならば、もう一押し。


「チオ……それでも俺が恥をかかせたことには代わりねえ。だから……俺のことは嫌いで構わねえが、学校には来てほしい」

「う、な、なによぉ……だ、だいたい、あんたが……」


 とにかく学校にさえ来て、勇者の道を進んでくれさえすれば、とりあえずいい。

 だから……


「そ、そもそも……わ、私が学校に行こうと行かなかろうと、あんたには関係ないじゃない! 私の自由でしょ! べ、別に……あんたは私の何でもないんだし、他に女の子いっぱい侍らせて……そうよ、あんたは従者の女とか、ネメスとか他にも女の子がいっぱいいて……」


 は? いや、そこは何も関係ないような……まぁ、それは置いておいて……



「確かに俺はお前にとって何でもねえ。でも、俺はお前と決闘したからこそ、お前ほど強い女……このままその圧倒的な才能を腐らせるのがどれだけ勿体ないかってわかってるんだ!」


「ッ、え……」



 そう、前回の人生でソードとマギナの才能飼い殺しにした俺だからこそ……


「チオ……お前は勇者になれる女だ! そして、人類を引っ張って世界を救うことだってできるほどの才能を持っていると、俺は確信している!」

 

 それに、これも嘘じゃない。実際前回そうだったんだし。


「ちょ、な、なによ急に……あ、あんた、バカなんじゃないの? じ、人類だの世界だの、ゆ、勇者だのって……」

「お前が信じていなくても、俺は信じている。そして確信している! だからこそ、お前に立ち直って欲しいんだ! お前ほど強い女が世界を目指さないなんて、人類にとってどれだけの損失だと思ってんだ!」


 流石にこいつがどれだけ自信家だったとしても、今この時点で俺にこんなこと言われてもピンと来ないかもしれない。

 だけど……


「なんてべらぼーな男……目に一切の揺らぎがない……そして、なんとべらぼーに熱い男……」

「ほんとなんや……彼は心底チオに対して本気の本当のことを言うとるんや……女であるがゆえに最強の格闘家の夢を笑われとったチオがずっと欲しかった言葉……」


 それでも少しは伝わっているのかもしれない。

 チオの両親や、周囲の門下生たちも呆けながらも、表情は真剣だ。



「で、でもぉ、わ、私……あんな恥ずかしいところを皆に見られちゃって……自分でも分かってるぐらい生意気な態度で……それなのに……もし、学校に行ったら、皆に笑われちゃうし……」


「それがどうした! 笑われるのが嫌だ? そんな小物共は黙らせちまえ! それでも嫌だというのなら、笑ったやつらは俺がどうにかしてやる! お前を笑うやつは俺が許さねえ! だから、何も気にすることはねえ! お前の不安は俺が取り除いてやる!」


「せ、せんぱ……」



 それぐらい楽勝だ。なぜなら前回も力も何もない俺だったが、ネメスたちが入学するまでは七光りのバカ息子パワーで学園の奴らを黙らせることができたんだからな。

 親父や兄貴の威光を利用するのは恥かもしれねぇが、チオを立ち直らせるためならば、超法規的措置って奴だ。



「だからよ、元気になって学校来いよ。そして、これからの世界を引っ張ってくれよ」



 すると……



「……ぷっ……あは……あははははははははは、もう、なんなのよぉ、先輩ってば、ほんっと……なんだかもう色々悩んでたのがバカみたいに感じるわ。でも、私以上に先輩の方がバカ」


「……チオ?」


「ふふ、ほんっと、暑苦しいわね。もう……先輩の熱血ば~~~~か」



 なんだかスッキリしたような顔をして、チオは笑ってくれた。

 

「先輩、あのさ―――――」


 これで、全て丸く収まって解決――――



「うおおおおお、坊ちゃまぁああああ! 携帯用肉便器兼護衛たる小生を置いてどちらへえええ(チオの自宅に行くなど危険すぎる! なんやかんやで和解和姦のハメハメなど許さぬぞおお)!!!!」


「ご主人様ぁあああ、あなた様に無断でやってきましたぁ! いけない私にどうか尻をぶっ叩いてブヒブヒ調教を(ネメスやトワレのときのように妙な雌を増やすわけにはいきません。そんな展開潰します)!!!!」


「もう、二人とも早いよ~。あっ、ハビリ~、お嫁さんを置いていくなんてひどいよ~。今日は手をつないでイチャイチャしながら帰りたかったのに~、で、気分が盛り上がったら……えへへ、ちょっとエッチなこととか~♥」


「乱交されるのであれば拙者は本日安全日でござる」



 ―――解決するかと思ったその時、ソード、マギナ、トワレ、イチクノが道場に足を踏み入れた。



「……は? せ……センパイ? ドウイウコト?」



 く、来んなぁああああああああああああああ!!!!!!!

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