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後悔してももう遅いのは俺! ループした悪役かませ炎使いが真面目に生きたら勇者覚醒イベント潰してしまって世界はピンチ?  作者: アニッキーブラッザー
第一部 今度こそ真面目に

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第19話 辻褄合わせ

 元々才能やら頭の出来やらは桁違いだった。魔法のコツが分かっていなかった前回の受付審査は別にして、ネメスは無事に敗者復活試験もパス……というか……


「す、すげえ……な、なんなんだあの女の子は!?」

「最終試験……現役魔法騎士団相手との模擬戦でどこまでやれるかを見る試験なのに……」

「か、勝っちまったぞ!?」


 最終試験会場となっている闘技場は観客席も設けられて一般開放されている。

 これには在学生たちも多くが見学に来ている。

 

 そこでとにかくネメスはやらかした。

 目立ちまくった。

 

 魔法学園入学前の生徒なんかが、魔法騎士団と模擬戦やって勝てるわけがない。

 これはあくまでどこまでできるかを見る試験。

 しかし、ネメスは勝っちまった。


「えへへ、やったァ!」


 ショートの髪に女の子らしい髪留めを着け、『スカート』もヒラヒラさせながら、剣を天に向かって掲げてネメスは微笑んだ。


「「「「「しかも、可愛いいいいいっ!!!!」」」」」


 堂々と女の子として……


「目立ってんな~(まぁ、これぐらいはやるだろうけど……でも、まだ微妙だな……普通の天才くらいで、あいつは本来もっと……)」

「まぁ、あの者の潜在能力であれば当然でしょう(それでも前回に比べれば物足りぬが……)」


 観覧席で思わず呟いた俺にソードも頷いてきた。

 これは前回無かったこと。

 本来ネメスは俺との決闘での活躍だけで特別に合格したんだ。

 しかし、今回は大幅にズレた。

 こんな敗者復活試験もそうだし、何よりもネメスが女だということだ。

 前回は学園の中でもあいつは女子にキャーキャー言われていた。

 だけど今回は……


「ネメスちゃーーん!」

「かわい~な~」

「俺、ちょっといってみようかな?」

「うん、あの子可愛いよね……それに強い……憧れちゃうな~」

「お友達になりたいよね?」

「貴族の子じゃない平民みたいだけど……でも、いいよね?」

「むしろその方が親しみ持てるかも」


 男子からは惚れられ、女子からは親しみを持った眼差しで。

 何よりも……



「えへへ、ハビリせんぱ~~~~い♥」


「「「「「ッッ!!!???」」」」」



 俺に対しての接し方が前回と大幅に違う。

 前回は俺を見下し軽蔑していたのに、今回は雌顔の眼差しで……嗚呼ほら他の連中も一斉に視線をこっちに……


「今日から僕、正式に先輩の後輩ですよ~~~! よろしくお願いしま~~~す! えへへ、楽しみだな~」


 もうウキウキしながら照れ照れしながら顔を赤らめて俺に手を振ってくるネメス。

 それだけで他の既に合格が決まっている新入生や、在校生たちがボソボソと話している。

 そしてもう一つ……



「ふ~ん、あの子この間の受付で……やるじゃないの! パッと見た感じ新入生の男子はザコザコばっかだけど……でも、男に媚びてるのムカつく! おまけに貴族に……いや、あの貴族の男はまあまあの男だったけど……」


「主よ……彼の者の可能性は見極めました……彼女ならばこの暗黒の世を終わらせる光となるかもしれません」



 居たよ……ネメスの同級生となり、後に『奇跡の黄金世代』と呼ばれる面々……こいつらは既に先日の試験で余裕で合格しているみたいで今日は高みの見物。


 正直、最後の方のこいつら全員の関係性は分かっていなかったが、俺がループ前にまだこの国に、そして学園に居た頃はこいつら全員ネメスに恋をしていたと思う……顔がまさに今の蕩けた雌顔のネメスみたいだったし……だけど今はそれが無い。


 恋する男と共にではなく、同じ女同士の仲間としての奇跡の黄金世代になるわけだが……そのことで何か問題は……ないの……か?


 そもそも姫のトワレだって前回はネメスに惚れていて、無理やり権力乱用してネメスのクラスに特別編入して押しかけて、そのまま奇跡の黄金世代に入ってたっぽいし……ってか、俺の許嫁になっちゃったし。


 ソードとマギナも色んな意味で今回は変だし……


「先輩先輩、せ~~~んぱい♥」

「わァ!?」


 と、俺が色々と考えているところで、ネメスが闘技場からジャンプしてここまで飛んできてた。

 そしてこれでもかと雌顔で……


「えへへ、先輩……僕……帰ったら……ご褒美欲しいです♥」

「……か……」


 か……わ……い……じゃなくて!


「ぬっ……おい、ネメスッ!」

「わっ!? ソ、ソードさん……」


 と、そこでネメスの首根っこを捕まえて俺から引き剥がすソード。



「たかだか入学できるぐらいでご褒美とは笑止千万。勇者を目指すのであれば魔王や六星魔将軍を討つぐらいでなければな。この程度では坊ちゃまのフィンガーテクニックすらもらえぬだろう」


「ふぇ?! そ、そんないきなり……あ……で、でも、そうするとソードさんもそれぐらいしないと先輩には……」


「ふぁっ!? ななな、何を言う! 小生はまた別であり、小生は坊ちゃまの肉便器としていつでもどこでも使用可能なわけで貴様とは立場が違うのだ! 身の程を知れ!」


「なんですかー、それは! 先輩はそういう酷いことしないですしー! 残念でしたー!」



 そういう酷いことする奴なんだが……いずれにせよ、とりあえず勇者ネメスが学園に入学できないという展開は避けられてホッとした。


 そして、それはそれとして色々とズレてきたこの世界についても今後のことを考え直さなきゃな。


 前回はこの後しばらく学園生活でネメススゲー、バンザーイ、かっこいー、すてきーな感じになり、更には学園内のイベントやら他国の魔法学園との対抗戦やらでネメスの名前はどんどん一躍有名になり、そしてどんどん成長していく。


 その果てで、まずアレが起きる。


 今から半年後だ。

 

 親父や兄貴たち国の主力が遠征に出ているところを、魔王軍を代表する六人の大将軍、六星魔将軍の一人がこの国を襲撃し、それをまだまだ眠れる力があって覚醒したネメスとその仲間が撃退する日。


 俺は避難所で隠れてたな。


 ただその日、六星の一人は討ち取れはしたんだが、奴らの襲撃による爪痕は大きく、それに巻き込まれて……




 トワレ姫が殺される。




 そして、皇帝は心を病んで、この国も、そして親父や兄貴たちも色々と不遇な未来が待ち受けるんだ。 





第一部 完

さて、これからどんどんやるで? ヤルで? 自重なんかせずにやるぜぇ! 皆さま、是非推していただけたら嬉しいです。


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どうかぁ~~~~~(꒪ཀ꒪」∠)_

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