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序/叫び
ああ、違う、違うんだ。
僕はそんな大層なものなんかじゃない。こんなのは間違ってる。だからお願いだ、やめてくれ。僕の願いこそが君達の願いだと言うのなら、どうか!どうか、こんな歪んだ事は、やめてほしい。
これが本当に正義だと言うのか。僕の名の下に虐殺をする事が。たかが僕が居るというその事実だけを振りかざして、誰かの明日を奪う事が。僕はそんなの認めない。駄目なんだ。このままじゃ駄目だ。ああ、もし奇跡を起こせるのならば、僕はこの殺戮を止めてしまいたい。死んでしまった人々を取り戻したい。
___必死に乞い願うその声は、しかし誰の耳にも届かない。
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