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Robotー機械ー  作者: マーティン先輩
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最終回

最終話


 ロボヒデの高校生活はいたって淡々としたものだった。

 彼は思春期において、人間として当たり前かつ普通の少年と同じ体の変化をしていた。身長は170cm程度で体は足腰がしっかりした体躯になっていたのだ。



 サッカー少年。


 彼に名付けてあげられるニックネームは、純粋なもの、サッカー少年。


 小学生、中学生と青春を満喫してきた、ロボヒデと研究者たちは高校時代の新たなステージを期待していたが、秀夫はサッカー部に入部し、小学生中学生と同等な活躍を見せつけ、いつも通り数値化できないアドレナリンというものをロボヒデは感じていた。


 まるで普通の人間と同じように、全細胞が人間でできている、人類史上初のクローンである彼は、高校時代に貞操観念というものが緩くなり、ある日、告白されてできた彼女とセックスをした。


 高校2年生時による童貞の喪失だった。研究者たちは、日本で彼ほどの青春を味わってきて成長したのだから、これは普通なものだと断定した。


 しかしだからこそ、人間と同じなのではないかと錯覚するほどに淡々とした高校生活だった。


そう、高校3年間が終了し、彼が求めていたのは「正社員としての就職」であった。


 大学での、のほほんと勉強し、自我というものを形成することなんぞは、ロボヒデである秀夫にとってはまるで意味のないことだった。


 高校時代でロボヒデの自我の形成は完成しており、社会で通用する、という教師からの誉め言葉もあった。


「彼は社会で通用する、どこへでも通用する」


 ロボヒデの一生涯は、まだ始まったばかり・・・







のはずが

彼は同級生の彼女と結婚をして見せた。


道内にあるアパートを借りて、妻との二人暮らしを始めたのだ。


内定先はホワイト企業で大手といっても過言ではない企業の傘下にある会社勤務だった。


彼の生涯は、通常の人生とまるで変わらない一生をとげて見せた。


そう、25歳の夜、ODオーバードーズによる、自殺以外は・・・




秀夫の内心へと、強く、そして継続的に打ち込み続けたのは、「死」への渇望というものだった。


彼は「死」というものがわかっていたから、他の同級生より上へまい進できた。


しかし、妻との離婚と同時に、タイミングよく、自殺を図り、成功した。


研究者たちは、満足的だった。


十分な研究結果を得られたのだから、もう、いつなくなっても問題なかった。



彼には、自分は他者とは違う何かを感じ続け、事実自分自身でももちろん思春期特有の死への考えを持っていたし、むろん研究者たちも、それと同等な「死」への考えを打ち続けていた。


彼はすべてを悟り、精神薬と合法なドラッグを体に入れて、苦痛を人間と全く同じように感じながら、自殺した。


世界は、何も変わることはなかった。


彼の功績をたたえるサッカー少年としての盾やトロフィーが、彼の生きた証であった。



誰にもロボットであると悟られず、死亡した。



彼には、自殺することができないという、希望も打ち込んでいたが、彼は自分は本来の人間ではないという孤独感を感じながら死へと自らを誘った。



自殺ができない希望と、死という、抑うつ感。


この二つが導き出したのは、普通の人間の生涯だった。



そして自殺大国である日本ではありふれたものとして、



ロボヒデの生涯は幕を閉じた。






ありがとう。秀夫。

研究者一同。

しょっぱい物語でした。


(なにが?)

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