中学生となり、挫折を……
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久遠秀夫が選んだ進学先は、北嶺中学校という清田区に存在する、文武両道を売りとする中学校であった。
もちろん中学校の紹介のようなものが終わったあとはサッカー部への入部届けを出した。
そこで隣に立っていたのが、吉野という厚別中学校のエースであった。
彼はワントップにこだわりを持っており、秀夫の存在を敵視していた。
監督は研究委員会組のぐるであったため、秀夫はトップ下のボランチエリアを任せた。
勿論ゴールを決める数よりアシストの数が上がる。
そのことについては特に異論はなかったのだが、トップ下ボランチがどうしても合わなかった。
ヒデゴールと呼ばれていた小学生時代のものなどはもう聞かなくなっていた。別の中学へ進学した美来ちゃんや大久保くんの中以外は。
彼は、我知らず挫折を味わっていたのだ。
その挫折は、プロのJリーガーへ羽ばたくためのプロセスとも知らなかった。
新しい仲間、それは森実くんだった。
友人としてはもう一人、吉野という好敵手と、長谷ちゃんだった。
長谷ちゃんは、知らずに挫折しているロボヒデを、常に応援する仲間となる存在になるのだった。
監視組や研究者たちは中学で彼が味わえない感覚を、擬似的に秀夫のために感じていたのだった。
それが、愛なのか、苦しみなのか知らず。
挫折というものを監視側がなにゆえか疑似に体験してしまっていた。
エンジニアはそれをみて焦っている、それだけだった。
挫折だけの計画された三年間が始まる




