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恋を呼ぶ花火
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大久保くん、未来ちゃん、秀夫三人で今日は夏休みの豊平区で見られる大規模な花火大会のため集結していた。
そこで自律成長型ロボット〈以下ヒデロボ〉秀夫は、始めてその生涯における恋を体験する。
花火の音、高らかな一筋の光から来る射幸心から弾け飛ぶ一瞬咲く、巨大な火花という花火。
僕たち(大久保 秀夫 未来)は、惚れ惚れと見上げていた。
美来ちゃんが、想いを寄せる秀夫に手を繋ごうとしたとき、大久保くんがなんの悪気もなく、秀夫と手を繋いでいたのだ。
?
これは、私が進んでいるのか?
それとも、男同士の友情、か。
いや、それでも。
美来ちゃんは秀夫くんの手をそっと握った。
小学生でも、女子だ。柔肌にはじめて触れた秀夫の心拍数は高鳴った。
ただでさえ花火大会で高揚しているのに、仲良しの女の子に突然手を繋がれるとは。
「キレイ!」
美来ちゃんがそのまま叫んだ。
大衆に目立つこともない、奇跡のその人はいま、人生を謳歌している。
研究家はこれを恋愛としてどうなるのか?
恋煩いなどを心配したが、
それもひとつの人生のひとつなのか、
監視者たちもメインカメラから覗く花火に夢中になっていた。
あまじょっぱい、かな?




