表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠れる王  作者: 慧瑠
見えてくる意思

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/236

誤解です

「「……」」


藤井と一糸纏わぬ女性の間には沈黙が流れ、見つめ合う状況のまま。


寝起きの頭を回して必死に考える藤井ではあるが、幻想的な雰囲気を纏う女性の心当たりは無い。女性の方も見つめ返すばかりで大きな反応は見せず、藤井は仕方なく声を掛けてみる事にした。


「おはようございます」


「おはようございます」


どうやら言葉は通じ、発声もできるようで。しかし会話は続かず、藤井は周囲を見渡す。


自分のベッドには、抱き枕と化していた自分が居なくなったことでもぞっ…もぞっ…と探す様に手を動かしながら寝ている漆。一つ飛ばして奥のベッドでは、城ヶ崎と見知らぬ二人が昨日の状態のまま微動だにしていない。


間違いなく自分達が泊まっている部屋である事を確認できた藤井は、もう一度女性を見た時に昨日と違う所に気付いた。


「氷がない……」


「?」


藤井の呟きに、女性は浅く首を傾げる。同時に部屋の扉が数回ノックされる。


「ちょっと失礼するよ。どうも三人の知り合いって子が来ているんだけど」


「失礼します!」


ノックの後にセジュの声が聞こえたと思えば、今度は鍵が掛かっているにも関わらず、力尽くで勢いよく扉が開けられた。


「お(にぇえ)さん方、お初にお目にかかります。この度、我が王のご命令により皆様のお手伝いに参りにゃした!

種族は黒猫族。姓は(にゃ)く、(にゃ)はニャニャム。どーぞ、お見知りおきください!……にゃ?」


開かれた扉の先では、セジュの腰下程の二足歩行で肉球を上に向け、さながら言葉の頭にお控えなすって。と付けそうなポーズの黒猫が口上を述べ、満足そうに顔を上げると、部屋の状況に首を傾げた。


いきなり扉を壊されて顔が引き攣っていたセジュも、部屋を見渡して更に顔を引き攣らせ、大きくため息を漏らした後に言葉を続ける。


「藤井さん、そのね、うちは連れ込み宿じゃないんだ。エニアがちょっかい出しちまったのは謝るけど、そういうのは遠慮して欲しいかな」


「誤解です」


細部を隠す事無く棒立ちの女性を見ているセジュ。

そんなセジュの言葉を即座に否定した藤井は、城ヶ崎と漆がしてきた事を濁しながら状況を軽く説明した。


「つまりなにかい、三人とも夜道で迷っている所を拾ったと」


「多分そうなります。三人どころか、もう少し拾ったらしいですけど……」


「見当たらないようだけど」


「彩さん曰く、エニアちゃんの所に預けて来たらしいです」


「リーカとマルセロが慌てている様子が目に浮かんだよ」


入り口の縁に背中を預け聞いていたセジュは、藤井からの説明を聞いて頭を抱えている。そして一人一人と目移りしていき、やはり純白の女性の所で視線は止まる。


その女性は、藤井が説明している間もその場から動くことはなく、声を発する者へと顔を向ける仕草を見せるばかり。

そんな女性の目の前に、いつの間にか移動していたニャニャムは、ペタペタと女性に触れると驚いた表情を見せ、声を漏らす。


「ほにゃー……フラウエースですにゃ」


「えっと、ニャニャムさんはその女性を知っているんですか?」


呟きが聞こえた藤井が聞くと、ニャニャムはにゃ!と耳と立て、嬉しそうに振り向き肯定する様に頷く。


「姉さん、にゃーの事は呼び捨てでいいですにゃ。それと、この女性は知らないですにゃ!

ただ、種族はフラウエースで間違いにゃいはずですにゃ。昔、セバさんがにゃーに教えてくれた特徴とピッタリ一致しますにゃ。

でもセバさんは、フラウエースは百年以上。今から考えると…もう四百、五百ぐらいも前に絶滅したと聞いていましたにゃ」


にゃぁ~と声を漏らし見上げるニャニャムを、フラウエースの女性は見下ろしている。


藤井は藤井で、フラウエースだと言われても当然知らない。絶滅したと言われているぐらいだから、ここにこうしている事は結構問題になるのでは?とぐらいは理解しているが、どれぐらい問題になるかは分かっていない。


そんなことよりも、漆達はなんて厄介そうな者を連れてきたんだ。と眉間にシワが寄り添うになる。


「フラウエースって、あのフラウエース?」


「セジュさんも知っているんですか」


話を聞いていたセジュも驚いた反応を見せる事で、藤井の面倒な気持ちは一層強まるばかり。


「知ってるっていうか、御伽話の領域だよ。

女しか居ない種族で、寿命を持たない不老の種。丁度、そのくらいの外見から一切老いる事がなく、殺されかけたり、何らかの理由で死にかけると氷の塊になるとか。


その時に、冷気と魔力、生気とかを吸って回復して、ある程度回復すると人型に。長期間氷塊の状態で回復できなくなると、溶けて消えるのがフラウエースの死で、その様子が綺麗過ぎて、昔はフラウエースを殺す為に捕まえようとした富豪がいたとか。


その他にも、フラウエースの肉を食えば、フラウエースに近付き老いる事が無くなるとか……まぁ、そんな話があるのさ。

本当かどうかは知らないけどね」


「本当らしいですにゃよ。

セバさん達の全盛期頃にはまだ沢山居たらしいですけど、二代目の頃には乱獲が始まっていたらしいですにゃ。

老いる事が無くにゃると言っても、結局殺されれば死ぬから、逆に不老を得たら恐れられて殺されるにゃんて感じで、普通に生きたほうが長生きできた時代もあるらしいにゃ」


話を聞けば聞くほど藤井にとっては厄介事でしかなく、個人的な意見であれば、そのまま元の場所に戻したい気持ちが強い。

不老と言っても不死ではない。藤井からすれば、そこら辺を歩いている人間と何ら変わらない。特別な事も無ければ、藤井にとって非常につまらない事。


ユニークスキルを得て、藤井は死に敏感になり、他者が持つ生への執着を好み始めている。


もし、フラウエースの女性が生きたいと強く願っている素振りがあれば、藤井ももう少し興味を抱いただろうが、藤井は彼女からその気持ちが薄い事を察していた。


「そういう事らしいけど、どうするんですか彩さん」


藤井が問いを投げたのは、セジュの話の最中から腰に抱きついてきている漆。けして会話に混ざろうとはしなかったが、漆が起きている事を藤井は気付いている。


だから問いかけた。それに対して漆は、もぞもぞをベッドの上を移動して藤井の膝に頭を乗せると、フラウエースを見た。


「寝起きから一糸まとわぬ美女を見れるとは、ハッピーな気分なんだけどねぇ。

流石に、目立つ風貌に知名度の高さから考えると、バレるのも時間の問題かな。……まぁ、大丈夫でしょ」


「何を根拠に……」


「大丈夫大丈夫。ねー、ニャニャムちゃん」


「にゃ?」


--


時は昼。

開発地区と呼ばれているが、そこは道を踏み外した者、道を外された者、落ちぶれた者、様々な者達が自然と集まり溜まる場所。

表を歩く者ですら、開発地区とは名ばかりのスラム街である事は認識している。


スラム街には子供も少なからずおり、子供達は集まり身を寄せ、法に触れるやり方も厭わず、その日を必死に生きていた。


「リーカ、流石に大人を十三人も抱える事はできないよ」


「分かってるよ。ルコさんとセジュさんが手を貸してくれてやっと皆を養えているんだ。

そこに大人が十三人は無理さね。そんな事は、多分あの人達も分かってくれているはず。何とか都合を付けてくるなんて言ってたけど……どうする気なんだろうか」


「もし任されたら、その分は動いて貰わないと行けないけど」


「見た感じどっかの奴隷だろ?かなり衰弱気味だし、すぐすぐは無理だろうね」


幾つか子供達でもグループがあり、その一つのリーダーを務めているマルセロとリーカは、ボロ屋の一室で話し合いをしていた。

下からは、他の子供達の楽しそうな声が聞こえている。


「皆が懐いてくれたのは幸いか。マルセロ、周りの様子はどう?」


「さっき様子見に出たけど、やっぱり気が立っているみたい。昨日、漆さん達が居たことも良く思ってないみたいだ」


「セジュさんも来てたし。部外者の出入りが多いと、どうしてもそうなるね」


二人がそんな会話をしていると、いきなり部屋の窓側から声がした。


「やっぽー」


「「!」」


第三者の声に、マルセロとリーカは武器を構えようとするが、窓縁に腰を掛けている声の主が城ヶ崎である事が分かり、肩の力を抜く。


「あの……できれば玄関から入ってきてくれませんか?」


「表からは彩と藤井さんが来てるよ。私は、ちょっと二人と話があってねー。はい、飴ちゃん」


呆れる二人をよそに部屋に入った城ヶ崎は前と同じ様に飴を用意すると、二人に手を出すように目で伝え、その掌に飴玉を置く。そして自分は空いている椅子に腰を下ろした。


「話ね。私達も話がある」


「あの人達の事だね?その辺の手筈は、問題ないかなー。

時間が少し掛かるからそれまでの間、できればマルセロ君やリーカちゃんにお願いしたい所なんだけど……どうかな?」


「ごめんだけど、お断りしたいね」


「マルセロ君も?」


「断ります。生憎、俺達の環境で十三人の大人の面倒は見れません。見た所、まともに動ける様になるまでにも数日かかりますよね?」


二人の言葉を聞いた城ヶ崎は、一度軽く頷き指を鳴らした。すると、ぽんっと軽い音が響き、城ヶ崎の手にはずっしりとした小袋が握られている。

その袋を二人の間にあるテーブルに置いた。


マルセロとリーカは、一度城ヶ崎を見た後に袋の中を覗く。

中には、マルセロ達が見たことも無い量のギナビア通貨がギッシリと詰まっていた。


「私達からの依頼って事なら受けてくれるかな?

それは、前払い。事が済んだら、それと同じか追加を足して払うけど……どうかな?」


「あんた……確か城ヶ崎さんだっけ。ルコさんが一緒に居たって事から只者じゃないと思ってたけど……。

よく分からない手品とかいうのといい、こうも大金を出すって、どっかの名のある貴族様かい?」


城ヶ崎の言葉にマルセロは驚き、リーカは疑いの目すら向け始める。

それもそのはず。自分達はスラムの人間であり、信用に値せず、世間的に誇れるような人間じゃない。にも関わらず大金を簡単に用意し、更には追加で払うとまで言っている。


リーカ達は自分の立場を理解よく理解しているからこそ、疑いが生まれていた。

最底辺の者と揶揄される事もある者に対して、昨日の今日で城ヶ崎の行動はおかしいなんてものではない。


「貴族の享楽に付き合う気はありません」


マルセロも大金には驚いたが、そっと袋を縛り直し城ヶ崎に言う。二人の反応に、城ヶ崎は困った表情を浮かべ、頬をかき頭を悩ませた。


元より交渉なんて得意ではない。こういうのは王となった常峰君か、はたまたリーダーシップに長けている新道君か。ちょっとのほほんとしている東郷先生辺りが適任だと城ヶ崎は考えている。


向こうの頃より友人である彩は、男が相手となると急に面倒臭そうになる。女が相手だと未だに苦笑いしたくなる程に積極的になりすぎ、こっちに来てからはより一層ありのままで生きようとしている。

元の世界では一人で居る事の多かった藤井さんは、そんな彩の相手をしているが、本音はただ抵抗するのが面倒なのだと城ヶ崎は分かっていた。


市羽は、頼めば動いてくれているし、こうして頼むのであれば自分がした方が早い。それが城ヶ崎の出した結論だったが……。


「ちゃんとした信用を買うのは難しいねぇ。

欺いたり、騙したりする方が簡単とすら思えちゃう」


これが城ヶ崎の本音だ。

一時的に楽しませたり、欺いたり、言ってしまえば騙したりする方が城ヶ崎にとっては簡単なのだ。

予定が終われば、そこでおしまい。

そういう手ならば幾らでも思いつく。現に今も、こうして話す前にルコの姿で来て助言をすれば簡単に話は進んだ。だが城ヶ崎はそれをせず、敢えて正面から交渉してみようと試みた。


「それは私達を騙すつもりがあった。そう捕らえて良いんだね」


「つもりは無かったよ。やろうと思えばできるだけで。

ただ今後を考えると、こうしてちゃんと話した方が問題が少なく済みそうって思っただけ」


「どうして俺達に依頼をしようと思ったんですか?

ルコさんの知り合いなら、ルコさんを頼ればいいでしょう?」


城ヶ崎の呟きが聞こえた二人は、明らかに敵意を見せ始めた。城ヶ崎にもそれは分かったが、困った表情を取り繕い続け、少し言いづらそうに答える。


「頼れない理由もあるし、君達の方がフットワークが軽そうだし、何より裏切る心配が少ないからかな。

別に私達は貴族じゃないんだけど、あまり問題を起こしすぎると国を巻き込む問題に発展しかねないのは確かなんだよ。

ルコさんは国の人間だからね。信用にも限界があるの。


比べて君達は、国には縛られていないでしょ?ただ、動くための準備ができないだけで。エニアちゃんの手際の良さもそうだけど、情報収集能力も高いと見込んで、きっと私達にも有益なモノだと思うんだよね……それこそ、ルコさんが君達を利用する価値がある程度には」


「一体貴女は……」


「そこは秘密。頼み事を聞いてくれれば、そのうち知る機会は来るよ」


国を巻き込むなんて簡単に言ってくる城ヶ崎に、マルセロは敵意よりも別の事が頭を過り始める。

それは、城ヶ崎の素性と危険性。そして、一つの可能性。


「リーカ、俺は話を受けようかなって思い始めたんだけど」


「正気かい?マルセロ」


マルセロの思わぬ反応に、リーカだけではなく城ヶ崎も驚きを見せる。


「正気さ。きっとこの話は、俺達にとっても大きな分岐点だ」


リーカはマルセロの言葉を目を見て理解した。

マルセロにもリーカにも夢がある。皆とグループを組み生きていく内に、一つの大きな夢を描いた。


いつの日か、皆で住む立派な家を買い、大手を振って表を歩き、自分達と同じ境遇の者達に手を差し伸べながら……仲間の最後を盛大に笑って見送りたい。


そんな夢がある。

その日を生きるのに精一杯な自分達には、分不相応な夢。病に倒れ、大人になれるかも分からない環境では、雲をつかむような話。それでもマルセロ達は、その夢を胸に生きていた。


だが、夢じゃ無くなる可能性が目の前に転がってきたのだ。

城ヶ崎は、自分達が貯めるのに何年掛かるかも分からない大金を払う程の人。加えてギナビア国の人間ではなく、自分達の様な人間にしか頼めない橋を渡る人間。


「んー…。これは、話を受けてくれる流れでいいのかな?」


「マルセロがその気になったからね。ただ、本当に城ヶ崎さんの方は良いんだね?私達がお金を受け取った後に、ルコさんを通じて裏切るかもしれないよ?」


「まぁ、その時はその時でいいよ。ルコさんに知られるのは時間の問題だろうし、仮に最悪の状態でバレても、私達は王都から逃げるだけだから」


「そういう事なら――」


城ヶ崎の表情から、口では言うもののバレたら困るという事を察したマルセロは、硬貨がぎっしり入った袋を自分の方に寄せて依頼を受ける意思を込めた言葉を言おうとした。だが、受け取った事を確認した城ヶ崎はマルセロの言葉を遮り、ただ……と言葉を続ける。


「もしバラすとしても、相応の覚悟はしてね。

君達だけの被害じゃなくて、もしかしたらギナビア国を更地にしないといけなくなるかもしれないから。

私達の王様、優しいけど……案外畜生な所もあるからさ」


途端に表情を変え、へらへらっと笑う城ヶ崎にマルセロとリーカは体が硬直する様な錯覚が襲った。

不思議とその言葉は嘘ではない。そう思えてしまったのだ。


自分がした選択、信頼する人物が選んだ道を疑う気はないが、もう少し考えて時間を掛けるべきだったのかもしれないと二人は思う。


そんな中、自分の中では話が一段落ついた城ヶ崎は、本来聞こうと思っていたことを二人に聞くことにした。


「それで次の話なんだけど。

セジュさんは、ここに何をしに来てるのかな?」


城ヶ崎の質問に二人は一瞬だけ困惑した反応を見せ、すぐに思案顔を浮かべ数秒。


「寝るため?」「サボりに?」


同じタイミングで答えた。

当然城ヶ崎は二人の反応を見逃さない。きっと、リーカとマルセロは自分の知りたい事を知っていると察したが、無理に聞き出そうとはしない。


「そっかそっか。

この家、不思議とお金のニオイがするからさ。何か秘密があるのかと思ったけど、勘違いだったかな」


「金目のものなんて無いですよ。あったら、こんな生活はしてません」


「それは残念。もしあるなら、ちょっと拝見したかったのに」


マルセロの言葉を信じ、イジケた様子を見せる城ヶ崎に、二人の空気は少し緩む。城ヶ崎はそれを確認してから次の質問をしようとしたが、その前に部屋の扉が開かれた。


「マルセロ兄!リーカ姉!工場のおじちゃんから新聞貰ってきたよ!あっ……えっと、るいお姉さん?いっらっしゃいませ?」


元気よく入ってきたエニアは、居るとは思っていなかった城ヶ崎に驚いて、言葉が少し詰まってしまう。


「うんうん。月衣お姉ちゃんで合ってるよ―。お邪魔してます。

はい、ちゃんと挨拶できたエニアちゃんには、ご褒美として大きめの飴ちゃんをあげちゃおう」


「貰いな」


「ぁぅ…ありがとございます」


頭を撫でられ、飴玉を差し出されたエニアは、本当に受け取っていいか分からずリーカ達の様子を伺う。そして許可が出たことで、城ヶ崎から飴玉を受け取り、口の中でころころと堪能していると、はっ!と自分が来た理由を思い出してマルセロとリーカに新聞を差し出した。


「これ、工場のおじちゃんから買ってきたよ」


「ありがとうエニア」


マルセロに頭を撫でられ、嬉しそうに顔をほころばせたエニアが部屋を出ていく前に、城ヶ崎が下の皆にと飴玉が沢山入った袋を渡す。

それを受け取ったエニアは、一層足が軽くなったように部屋を飛び出していく。


「餌付けも程々にしてくださいね」


「そんなつもりじゃないけど、気をつけておくよー」


マルセロから注意された城ヶ崎は、適当に流しながらエニアが持ってきた新聞へと目を向けた。そして、その一面に書かれていた内容に驚き、目を疑う。


--------------

死神、また現れる。

昨夜、死へ誘われたのは、ファンディル家八代目当主コヌチル・ファンディル


コヌチル・ファンディルは以前から噂があり――

-------------


一面から得た情報は、昨晩会ったはずのコヌチル・ファンディルが殺されたという内容だった。

更新ペース、早く戻したい。



ブクマありがとうございます。

久々に唐揚げの南蛮漬けを沢山作りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ