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眠れる王  作者: 慧瑠
見えてくる意思

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69/236

上も全然ありだな。

既に日は昇り、多くの馬車と人が行き交う音を耳に、部屋に置いてあった本を読んでいると扉のノック音に気付いた市羽は顔を上げた。


「はい?」


「おはようございます!ルコです!」


「入っていいわよ」


「失礼します!」


市羽が返事をすれば、元気な声と共に、昨日合流した案内役のルコが扉を開けて入ってくる。


「おはようルコさん。予定は大丈夫だったかしら?」


「はい!昨晩に折り返し連絡があり、レゴリア王のご都合も良く、期待して待っているとの事です」


「そう。なら、皆を起こして準備をしないといけないわね」


ルコの言葉を聞いた市羽がベッドの方を見ると、一緒に行動している三人はまだ布団の中で寝ていた。時折もぞもぞと動くが、このままでは起きる様子も無い。

部屋に備え付けられている本棚に、先程まで読んでいた本を戻した市羽は、ルコと協力して残り三人を起こしていく。


ゴネる事もなく起きた三人は、まだボーッとしている様子だが市羽は自分の準備を始め、三人の目がしっかり覚める頃には既に常峰との念話用のイヤリングを耳に付けて準備を終えていた。


「もう朝ー?」


「朝よ。一時間したら、レゴリア王と面会しに王城へ向かうわ」


「うあーぃ」「え、ふぎゅ」


未だに眠たそうな漆は、市羽に質問をしながらも隣で船を漕いでいた藤井に抱きつき押し倒す。その横では、欠伸をしつつ軽く身体を伸ばした城ヶ崎が指を鳴らすと、ポンッ!と軽い音と共に寝巻きから、道中で購入していた私服へと着替え終えている。


「本当、便利そうねソレ」


「ユニークに付属してる'セブンツール'の変装を利用してるだけだよ。市羽さんなら、その内覚えられるんじゃない?」


「どうかしら」


「まぁ、覚えられた時は、セブンツール自体を覚えたってことだろうけど」


市羽と会話をしながら城ヶ崎が再度指を鳴らすと、また軽い音と共に手には櫛が握られおり、城ヶ崎はそれで自分の髪を軽く梳いてからまとめる。

そんな事をしていると、目を回している藤井を他所に、満足そうな表情の漆も起き上がり始め、市羽と城ヶ崎の会話に混ざりながら手早く着替え始めた。


「市羽は覚えちゃダメだからね」


「……理由は何となく分かるけれど、一応何故か聞いていいかしら」


月衣(るい)だけでももどかしいのに、生着替え見れなくなるじゃない」


「少し集中して覚えようか考えるわね」


「アハハ、協力して欲しかったら手伝うよ」


「協力しちゃダメだってば。私の癒やしが藍ちゃんのむちむちだけになっちゃう」


まだ着替えの途中にも関わらず、やっと起き上がった藤井に漆はもう一度抱き着き押し倒す。二度目でも反応が遅れた藤井は、抵抗を諦めて漆に身を任せている。


「あの…皆様……」


「ほら、ルコさんが困っているわ。早く準備をしなさい。

あまり時間を掛ける様なら、自由行動は中止にして謁見まで連れて行くわよ」


「それはいけない」


バッと抱きつくことをやめ、そそくさと漆は準備を始めた。

その様子を見て、ルコは苦笑いをする事しかできず、藤井は城ヶ崎の手を借りながら急ぎ準備を終えていく。


市羽は、二人の準備が終わるまでの間に常峰へ連絡をしておこうと思い念話を飛ばすが、どうやらまだ寝ているらしく念話をする事はできなかった。


-


準備を終えて朝食も済まし、宿屋を後にした市羽達は、ルコの案内でひとまずは王城を目指し歩いている。


「市羽様、先程の話で少し気になったんですけど、皆様でレゴリア王に謁見するんじゃないんですか?」


「私だけよ。道を確認する為に今は一緒だけど、漆さん達は自由行動ね」


「そうでしたか。てっきり皆様御一緒かと…」


「長話になると、何をするか分からないのよ……特に漆さんはね」


「そうそう。私を連れて行くとか、止めといたほうがいいよ」


「は、はぁ…」


ヒラヒラと手を振る漆にルコが困惑していると、前方から走ってきた小さい影があった。


「あら」


速度を落とす様子の無い小さい影に気付いた市羽は軽く避けたが、藤井と手を繋いで上機嫌だった漆はぶつかってしまう。


「おっと。大丈夫?」


「ご、ごめんなさい!」


「こっちこそ……って、あらら」


ぶつかり、倒れかけた小さな影を支えたのは城ヶ崎。小さい影の正体である女の子は、漆と城ヶ崎に頭を下げて一目散に走り出す。

漆の言葉も聞かず、一方的に謝って走り去った女の子を五人は見送る事しかできず、その姿はすぐに人混みに紛れて見えなくなった。


「すごい急いでましたね…」


「そだね。それにしてもあの子……将来有望だ!めっちゃ可愛い顔してた」


「ゆ、誘拐とかはしちゃダメですよ」


「んふふ~……どうしよっかな。藍ちゃんが手をにぎにぎしてくれた考えるわー」


「えぇ…」


藤井と漆が他愛無い会話をしている中、城ヶ崎は市羽に視線を送る。それだけの行為ではあるが、市羽は城ヶ崎が何を言いたいかを察した。


「行ってもいいわよ」


「流石市羽さん。話が分かるねー」


藤井を堪能しながらも市羽と城ヶ崎のやり取りを聞いていた漆は、みぎゅっと指を絡める様に藤井の手を繋ぎ直して会話に入る。


「あ、じゃあ私もそっち行くわ。藍ちゃんはどうする?」


「あの…話の流れが見えないし、手を離してくれないと」


「よし、じゃあ藍ちゃんもこっちだね」


「そんな…」


拒否権など与えない勢いの漆に、薄々自分に選択権が無い事を察していた藤井は漆と一緒に、先に歩き始めていた城ヶ崎の後を追って人混みの中へと消えていく。


四人のやり取りが一切理解できていないルコが不思議そうな顔を浮かべていると、市羽は周囲の街並みを見ながらルコに聞いた。


「ログストア国に比べて、随分と街の色合いが単調な気がするわ。それに、治安もそれほど良いわけでは無さそうね」


「え?あぁ…そうですね。ログストア国と比べてギナビアは、外観よりも効率を目的としているかなぁと思います。そのせいでログストア国の様な華やかさは無いですねぇ……。

治安も、軍を優先している状態で、外から見るとあまり良いとは言えません。表は身なりの良い人達ばかりですけど、開発地区などに足を運ぶと、貧困の差は隠せないのが現状です」


「私から話題を振ってこう言うのもあれなのだけれど、貴女がそんな事を言って良いのかしら」


「本当はダメです!なので内緒にしてください!

でも、どうしても嘘とか建前は苦手で……そ、それより、どうして治安まで分かったんですか?」


「軍人さんの目を盗める程に手癖が悪い子が居るとわかれば、そういう考えも湧くだけよ」


「あっ…」


市羽の言葉で理解したようで、漆達が消えていった人混みを振り返るが、当然ぶつかった女の子の姿も漆達の姿も無い。


「す、すみません!多分私が同伴していたからかも」


慌てた様子で頭を下げたルコに市羽が言葉の意味を聞くと、ルコは市羽だけに聞こえる様に小声で説明をした。


ギナビア国の軍部隊では所属部隊が分かるように、勤務中は軍旗に部隊の数字が入ったモノを必ず身に付ける義務が存在している。

当然ルコが隊長を務める第三部隊も例外ではなく、ルコは市羽にその規則を説明しながら胸ポケットに縫われている第三部隊の証を見せて説明を続けた。


「レゴリア王はお気付きのようですが、私達第三部隊は孤児の子達に少し金銭を渡す事がありまして……表立って受け渡しをするのは色々と問題があるので、その……」


「こういう手を使わせているのね」


「本当にすみません。受け渡しの合図が'私一人が軍服で同伴している私服の部隊の者'が暗黙で決めていたのが仇になりました。

普段私の部隊は二人以上で組を作って行動して、あまり目を付けられない様に行動する際は、これが簡単でして……多分、勘違いしたのかと。必ず後で回収するので、どうか見逃してもらえませんか?私の落ち度なので必ずお詫びもしますから」


街道であるため頭を下げる事はしないが、その声と様子から嘘ではないと市羽は確信している。そもそも、今回の事をどうこうするつもりは、市羽には無い。


「別に謝罪もお詫びもいらないわ。許すも何も、最初からあの子に何も取られて無いもの」


「それはどういう…」


「仮にこれが作為的だったとしても、相手が悪かった。それだけよ」


ルコは市羽の言葉の意味を上手く汲み取れず首を傾げ、市羽は市羽で、それ以上何か言う事も無く王城へ向けて足を進めた。


-


市羽と分かれた城ヶ崎は、するすると人混みを縫うように移動し、見失わないギリギリの距離で漆にぶつかった女の子の後をついていっていた。

だが、少しすると女の子の姿が見えなくなり、距離を詰めようと足を早めても見当たらない。


「あ、やっと追いついた。あの子は?」


「見失っちゃったから、ちょっと探すー」


城ヶ崎に追いついた漆も周囲を見渡すが、やはり女の子の姿は無く、これい以上目視で探すのは時間の無駄だと判断した城ヶ崎は、息切れ気味の藤井を見て苦笑いを浮かべつつ目を閉じた。そして数分ほどすると、城ヶ崎は頷き漆と藤井に告げる。


「見っけたよ」



場所は変わり、漆にぶつかった女の子は、人混みを抜けて裏路地に入ると、そのまま日頃使っている隠れ道から下水へと降りて、自分たちの隠れ家へと走っていた。


「ルコお姉ちゃんだけだったから……間違ってないよね?

でも、知らない人だったし…それに、おかしいな、ちゃんと小袋を取ったと思ったんだけど…」


女の子は、よれよれの服の内側から漆から抜き取った物を取り出し、困り顔を浮かべる。


その手に握られているのは、小袋なんかではなく小さな箱。女の子は行動をする前に、しっかりと何度も確認はしていた。


ルコだけが軍旗を身に着けている事も、先天性のスキルの一つである'透視'を使って、金銭が入っている小袋の位置も。

あの中で漆だけが、少量の金銭が入った小袋を取りやすい服のポケットに入れてたから、漆を狙い、確かに取ったと女の子は思っていたが……やはりその手にあるのは小袋ではなく、装飾が施された小さな箱。


「取り間違えたなら、工場のおじちゃんに届けなきゃ…。でも、お仕事かもしれないし、一度みんなの所にもどろ」


彼女達は、金銭以外にも仕事を回してもらえる時がある。これもルコが率いる第三部隊の方針であり、なるべく自立ができる様にと信用の置ける場所で人手が足りない場合は、仕事を回す様にもしていた。


もちろん、中には少し危険なモノで、表立って動けない場合の尾行なども頼むこともある。その事を知っている女の子は、一度戻ってから中を確認する事を選び、地下の道を駆け抜けた。

右へ左へと複雑な通路を通り、尾行をされていないかを確認した女の子は、はしごを登り地上へ出ると、そのまま細い道を使って隠れ家へと戻る。


そこは、何度も修繕された後があり、それでも少し風が吹けば何処かから軋む音が聞こえる様な家。女の子は、今にも外れそうな玄関扉をゆっくりと開け中へ入った。


「リーカ姉!マルセロ兄!ルコお姉ちゃんから支給があったよ」


「おかえりエニア。マルセロ!ルコさんから支給だ」


「おかしいな。支給は受け取ったばっかりなんだけど…仕事のほうかな?まぁ、確認してみればいいか。

それより、おかえりエニア」


漆からスリをした女の子――エニアが部屋に入ると、部屋には数名の子供がじゃれ合い、その一番奥では年長であるリーカが紙代わりに使っている木材を眺め、マルセロはボロボロの階段をゆっくりと降りてくる。


年長の二人は戻ってきたエニアに近寄り、小さな箱を受け取って中を不思議そうに眺めた。


エニアに加え、年長の二人がそんな事をしていると、当然じゃれ合っていた子達も集まり始め、小さな箱を中心に皆が囲む様な形になった。


「こんな綺麗な箱で連絡?エニア、本当にこれはルコさんからなのか?」


「ぇ…ぅ、ぅん…そのはずだけど……あの模様付けてたのルコお姉ちゃんだけだったし…」


「まぁ、エニアが見間違うとも思えないしなぁ。どうするマルセロ」


「開けてみて違ったら返せばいいさ。とりあえず、俺が開けようと思うけどリーカはそれでいい?」


「任せるよ」


自信なさげのエニアを安心させるように笑うリーカとマルセロは、とりあえず箱を開けてみる事にする。


代表としてマルセロが箱を手に取り、蓋を開けようと軽く力を入れた瞬間――パンッ!


「「「「わっ!?」」」」


乾いた破裂音と共に飛び出してきた鳥の模型に、子供たちは驚き固まってしまう。


「えっ?何?」「わ、分からないよ」「僕達何かしたのかな」「なんもしてないよ!」「でもぉ…」


「落ち着きな!」


突然のことで泣き出しそうにすらなっている子供たちは、リーカの一声で落ち着きを取り戻し、エニアとマルセロは興味深そうにビックリ箱を観察していた。


「開けたら、中のおもちゃが飛び出してくるんだ……。反発してる所を見ると、工場のおじちゃんが言ってたバネかな?」


「あのみょんみょんするやつ?」


「うん、多分だけど」


「あちゃ、驚かせるつもりが怖がらせちゃったかな?」


「「っ!!」」


エニアとマルセロの会話に入ってきた第三者の声に、真っ先に反応したのはマルセロとリーカだ。

リーカは服の内側から短剣を取り出し、マルセロは手近にあった長めの棒を構え、その様子を見たエニア達も慌てて近くの角材などを手に構えて二人の様に声の主を見る。


黒い髪に、汚れ一つ無い白で統一した服を纏う女。顔は上半分だけの仮面を付けていて、見えている口元だけだと正確な表情は読み取れない。


「何処から入った」


「普通に上の窓からだけど?」


リーカの質問に、仮面の女は当然のように答えた。それを聞いて、リーカがマルセロに顔は動かさず、明らかに怒りが含まれた視線を向けるが、マルセロは首を横に振って否定の言葉を返す。


「鍵は掛けたよ」


「だったら!」


「彼の言う通り、鍵は本当に掛かってたよ?

ただ、鍵である以上開けられないなんて……今の私には無いから。安心して、開けらた閉めるのは良い子の習慣だからね、バッチリしっかり閉めてきたから」


口の端が持ち上がり、声もそれに合わせて明らかに嬉々としている。その事に、リーカ達は警戒心が一層高まり、予め決めていた役割をアイコンタクトで指示して飛びかかろうとした瞬間、階段に立つ仮面の女の後ろに人影が現れ、伸びる手は仮面の女を抱きしめた。


「月衣~、怯えさせちゃダメだって言ったじゃん」


「アハハ、ちょっと反応が面白くて」


「あ!」


伸びた腕を追うように、仮面の女――城ヶ崎の肩に乗せられた顔を見て、エニアが声を漏らした。


「やっほ。さっきぶりだね、かわゆいちゃん」


その声に、城ヶ崎を片腕で抱きしめる漆は手を振り返して応える。


「エニアの知り合い?」


「ううん。でも、ルコお姉ちゃんと一緒に居た人」


「つまりルコさんの知り合いか。だけど、どうしてココが」


マルセロは確認の為にエニアに聞くが、当然、漆を知らないリーカ達は警戒を解かず、未だに構えを解こうとしない。エニアの言葉を聞いたマルセロも、一層警戒の色を見せる。


そんな子供達に対して城ヶ崎は仮面を外して近付き、何も持っていない掌を見せてから、そっと手を重ねて軽く振る。そして手を開くと、手の上には人数分の飴玉が乗っていた。


「その箱、私のなんだよ~。箱がある場所は、お姉ちゃんには分かっちゃうのさ!

エニアちゃんであってるかな?エニアちゃんが、彩から抜き取った小袋と交換しちゃんだんよ。だからココが分かったんだ。

いやー、驚かせてごめんね。これは、お詫びだから食べて」


これ以上警戒をさせないように、飴玉が乗っていない方の手も軽く上げ見せながら続け説明する城ヶ崎だが、あまり理解できていない子供たちに、未だに警戒心を解こうとしないリーカとマルセロ。


それ以上近付く事もしない城ヶ崎が少し困った顔をすると、リーカが手の上にある飴玉を指差して言った。


「私の分でいいから、その赤い包みのヤツを食え」


一瞬、何を言われているか分からなかった城ヶ崎は、数秒してリーカが言いたい事を理解して、言われた通りに赤い包みの飴玉を口の中に放り込む。


城ヶ崎も、喋る事はせずにコロコロと飴玉を口の中で転がした後で、軽く噛み砕き飲み込んだ。


「これでいいかな?」


「毒は混ぜてないか。……一応、ルコさんと一緒に居たって事も含めて、信用はしてやる」


「ありがと、嬉しいよ」


リーカの言葉で、子供たちは緊張と警戒が解れ、城ヶ崎の周りに集まって飴玉を受け取り始める。その中で、エニアだけが城ヶ崎の横を抜けて微笑ましそうに見ていた漆へと近付いた。


「あの…さっきは、ごめんなさい!」


「良いのよぉ、お姉ちゃんも将来有望な幼女にどつかれて嬉しかったからぁ~」


「えっ」


「お姉ちゃん、女の子相手ならSでもMでもいけるからぁ~」


「えす?えむ?」


「もう少し大きくなったら教えてあげるねぇ~」


漆の言葉の意味を理解できず、首を傾げるエニアの様子を見て、漆の顔はだらしないものへと変わる。


「ゴホン!すみません、上に俺達の仲間が一人居たはずなんですけど」


会話の意味が分かっているマルセロは、わざと大きく咳き込み、話題を逸らす為に漆に聞いた。


「あの子?あの子なら、まだ寝てると思うよ。

そう言えば、藍ちゃんが気になるとか言ってたけど…」


マルセロに答えながら漆が階段を見上げると、二階から藤井ともう一人、深紅の髪を揺らしながら降りてくる。その女は、長い髪を一本にまとめながら漆の隣を抜けて、マルセロとエニアの頭を軽く撫でた。


「そろそろ帰るね。えっと、藤井さんと漆さんと城ヶ崎さん……うん、顔は覚えたから、ウチの宿に来たらサービスするよ」


そう言い残すと、深紅の髪を持つ女は返事を待たずに家を出ていってしまう。


「今のって、上で寝てた子だよね?」


「'セジュ・スケープ'さん。私達より、三つ上だよ彩さん」


「え、うそ。スタイルは良かったけど、寝てる顔を見るに下かと思ってた」


藤井から教えられた情報に驚く漆だったが、上も全然ありだな。と一人呟いて、離れていくセジュの後ろ姿を見続けていた。

しわ寄せが…。

もう少しで、落ち着きそうです。



ブクマありがとうございます。

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