初代
落ちた意識が急に戻ってきて目が覚め、その瞬間に分かったことがある。
これ夢か。
だから本当なら、目が覚めたという表現も間違いなのかもしれないな。
見渡せる限りでは、塗ったくられた様に真っ白な空間が続き、目の前にある白いテーブルと椅子しか物らしい物はない。
俺は椅子に腰を掛けて、一息つけば目の前に紅茶セットが現れた。……やっぱりか。確証は無いけど、確信して言える…これは明晰夢だ。
「明晰夢ねぇ。
俺は疲れる事の方が多いから、あんまり好きじゃないんだよな」
元の世界でも何回か見たことはあるけど、寝た気がしなかった。明晰夢の中で寝てみようと試みた事もあるが、寝付きは悪いし、寝たら寝たですぐに目が覚めて場面が変わるし。最悪の場合、目が覚めてしまう。
まぁ、でも便利なこともある。
イメージトレーニングにはもってこいな状態だ。口に出す必要もない、夢である限り俺のイメージが形になる明晰夢。
実力不十分で暴発の可能性が無い夢ならば、ちょっと無茶な練習もできそうなもんだろ。
「魔法の練習をするのかい?
僕も手伝おうか?常峰 夜継君」
突然聞こえた声に振り返ると、俺の座るテーブルの向かいに知らない男が座っていた。
容姿は若い。俺達と変わらないか、それよりも下か……加えて黒い髪に金色のメッシュが入っていて、随分とラフな格好の男。
俺はこの男は知らない。だが、この男は俺の事を知っているようだ。
「ん?どうしたのさ。
あぁ!そうか、君は僕のことを知らなかったね。僕は君の事を知ってるよ、ずっと見ていたからね」
やめろ。人懐っこい笑みで言われても悪寒が走る台詞だぞ。
台詞もだが…マジで誰だコイツ。明らかに、夢とは違う異質な感じがする。
「まぁまぁ。警戒しないで。
色々と呼び方はあるけど、どれも古いからなぁ。そうだね、何時も通り僕の事は'コア君'って呼んでよ!
結構シンプルで気に入ってるんだ」
「まさか…お前…」
その呼び方をする相手?は一つしか無い。逆に言えば、一つは心当たりがある。
つまり、この目の前の男は、そういうことなのか?
「そういう事だよ。
僕はダンジョンのコア。付け加えて言えば、初代ダンジョンマスターで常峰君とは違う形でこっちに来た異世界人さ」
ナチュラルに思考を読まれている事にも驚くが、それよりも他二つの方が驚いた。
何故に初代ダンジョンマスターがココにいるかも分からないし、薄々もしかしたらとは思っていたが、本当に初代が異世界の人間だったとは。
しかし俺とは違う方法でこっちに来たと言うのはどういう事だ?
「僕は召喚されて来た訳じゃないからね。
僕は転生者なんだよ。元の世界で死んで、ダンジョンマスターとしてココに生まれた。
だから、僕が異世界人だと言うことを知ってたのは当時でも少ないし、今じゃセバ君達ぐらいしか知らないんじゃないかな?
あぁ、後もう一つ常峰君の疑問に答えると、ここは常峰君の夢にコアで干渉して生まれた場所。そうだなぁ……ダンジョンマスタールームを略してDMルームなんてのはどうかな」
あぁスゴイ。考えてる事を読まれる感覚って、微妙に焦るな。
俺の向かいでは、俺がイメージした紅茶セットで紅茶を飲んでいるし。つまりなんだ。ここは夢でもあるけど、俺の夢ではないのか。
「そうだね。だからDMルームがそれっぽいでしょ?
僕の他にも二代目と三代目の残留思念も居るけど、こんな風に話すなんて事は普通はできないからね。
そもそも!DMルーム自体が異質なんだよ。こんな場ができた事が初めてで僕だって困惑してるぐらいだ。常峰君の膨大な魔力を吸収し続けたから、コアも変質したのかもしれない。
もしかしたら、その内二代目や三代目も現れるかも!」
なんだか初代は楽しそうな様子で説明はしてくれた。
コアからなら、一応俺には干渉はできるし、夢も例外ではないんだろう。今やコアも俺の一部みたいにはなっている事は分かる。
ただあれだな。残留思念だかなんだかとは言え、自分の中に他の誰かが居るってのも変な感じだ。
それに'見ていたからね!'なんて、サラッとストーカー報告されると……普通に嫌なんですが。どうしたら良いでしょう初代さん。
「知れた仲じゃないか!敬語なんていらないし、コア君でいいよ。
それと、結局は僕もダンジョンコアに囚われた残留思念の一つで、常峰君の意思無しでは外に干渉なんて出来ないから気にしなくていいんじゃない?
それにね。常峰君が何をしても僕は止められないし、従うしか出来ないけど。感謝しているんだよ。
僕の我儘に付き合ってくれたセバ君達の主になってくれて。
最近皆は良く笑ってくれている…僕にはそれが嬉しくてね。
二代目は誠実な人だったし、三代目はちょっとやんちゃが過ぎた人だったし、その二人にもセバ君達にも沢山迷惑を掛けてしまって、心残りが沢山あるんだ。でもやっとセバ君達が生き生きとしているのを見れて良かった。
だから安心してダンジョンは使ってほしいな。僕にはそうしてもらうしか、常峰君の力にはなれないから」
初代――コア君は、人懐っこそうな笑みを浮かべるものの、どこか寂しそうだ。
歴代のダンジョンマスターの話は、セバリアス達から少しだけ聞いたことがある。
その中でも初代の事に関して話す時は、どこか寂しそうにしていたが……それは初代の方も同じみたいだな。
まぁ、少し変な感じなのは確かだが、コア君を手放すのもできるわけじゃない。トントン拍子で進めたのも、コア君の力があってこそな面も大きいし、これからも手放せるものではない。
「そうそう、ダンジョンは既に常峰君のモノだし、常峰君の力なんだから。
僕や他の歴代が居るとは言え、そこも含めてもう常峰君の力。今後は、DMルームも常峰君が望まなければ来れそうにないしね。
今回はどうしても会ってお礼を言いたくて、この瞬間なら!ってタイミングがやっと来たからDMルームを用意させてもらったよ。
今からでも常峰君が拒否すれば、DMルームは崩壊する。後、さっき常峰君がコアに任せた空中街の制作は続けてるから安心して」
そうか。初代がコア君と言うことは、コア君任せにしていたデザインとかは全部初代か残り二人のセンスなのか。
頭が上がらないな。現在進行系で礼すら言うべきだ。
それにこのDMルームも、確かに毎回は困るが、俺の任意次第だというのなら便利な機能の一つでもある。俺だけの訓練場だと考えれば、それほど悪い気もしない。
「確かに常峰君のセンスは……うん、まぁ…ね?頼まれなくても、少しは手を貸しちゃってたかもしれない」
どうやらコア君も俺のセンスには思う所があったようだが、勘違いはしないで欲しい。
センスが悪いわけじゃないんだ……センスが無いんだ。悪趣味であってもハイセンスな事だってあるだろうが、本当に俺にはそういう発想がない。
悲しくなってきた。この話は止めにしよう。
これからもコア君が手伝ってくれるというのであれば、安心だからもういいじゃないか俺。
「ひとまず、魔法の練習をしたいんだが手伝ってくれるのか?」
「もちろんだよ!
ちょっとした自慢だけど、僕は魔法が得意なんだ。独学でもスゴイ人は居るけど、常峰君の場合は時間をあまり掛けたくないみたいだし、教える人が居たほうが早いでしょ」
「心強いな」
「期待してくれていいよ」
自信満々なご様子のコア君は、非常に心強く感じた。
独学をするにも、今の俺じゃ厳しい所はあっただろうし、この機会に俺もバンバン魔法を覚えておきたいな。
最低でも肉体強化ぐらいはモノにしておきたい。
「よし!ならレッスン1だ!
まずは、魔力操作をしてみよう!常峰君はダンジョン操作も上手だし、以前にお友達との模擬戦の時にナイフの道なんかを作っていたからね。
必要はないかもしれないけど、まだ粗い部分もあるから調整していこうか」
「了解」
それから体感にして一時間。コア君の指導の元、魔力操作を練習した。
大きな変化は無いが、コア君の教えのおかげもあって以前より滑らかと言うか、一層イメージ通りに操れるようになった。
加えて、メニアル戦でぶっつけでやった魔力に質量を持たせる技術が上がり、燃費が良くなったのにはコア君も絶賛してくれた。……それでも、本来はそういう魔力の使い方はしないし、魔法を使うよりは圧倒的に効率が悪いと言われたが。
物理攻撃を防ぐにも、魔法を防ぐにも、魔法ではなく魔力の放出のみで行うのはどうしても無駄が出る。水を浴びるのにバケツをひっくり返した所で無駄になってる分は出てくるでしょ?と説明されて、なんとなく納得はした。
魔法は、その水を効率よく相手に浴びせるホースであったり、ひっくり返したバケツの水を漏れない様にする壁であったりと効率的魔力の運用に欠かせないモノらしい。
もちろん特別な効果――隷属などの魔法は相応のスキル効果が必要だし、魔力のみでの使用は不可能だとか。
個人的にはコア君の教えは分かりやすい。どうやらコア君の元の世界は、俺達と同じ地球だったらしく、例えが俺達寄りなんだ。
他にも色々と教えてもらい、ついに俺は魔法の訓練へ以降した時、問題は起こった。
「うん。ダメだね!
常峰君には魔法の才能が無い!」
取り繕う事もなく、ドストレートに告げられた。
コア君も予想外だったようで、二人して頭を抱え、試行錯誤の末にコア君が出した結論だ。
「うぐっ…」
「つまり、常峰君は皆が使うような魔法は使えないね!結果として肉体強化も無理だね!
いやー、魔力操作は目を見張るものだった。常峰君が喜ぶ言い方をするなら、センスもある。上限魔力が増え続けるというのも、魔法を主に使う者からすれば嫉妬されてもおかしくない程だよ。
にもかかわらず、まさか魔法の才能がここまで無いなんてね!アハハハ」
笑うしかないと言った感じで、引き笑いをするコア君の言葉が俺に突き刺さって抜けない。寧ろぐりぐりと刳り続けてくる。
そう…。俺には魔法の才能がなかった。
コア君にイメージしやすいようにと一番簡単な炎の魔法を見せてもらい、それの詠唱と魔法名を覚えいざ実践。結果は不発。
何度やっても不発で終わった事で、コア君は俺に炎の魔法適正が無いのだろうと判断した。
魔法にも属性があり、基本的にはどの属性でも扱えるらしい。だが、スキル適正などで得意不得意がある。だから覚えているスキルや得意なモノに合わせて、扱う属性は人それぞれらしいが、その中で時たまに属性適正が無く、特定の属性が扱えない者も居ると言う。
コア君は俺がそのタイプだと判断して、別の属性の魔法を教えてくれた。
炎はダメだったから水。も、何故かダメだったから風……土、闇、光……。特殊派生した氷や、中々難しい幻惑魔法など、コア君ができる限り知る限りの魔法を試した結果、俺は一つも発動すらできなかった。
全てが不発。
コア君が見ていた限りでは、扱えていないのではなく発動すらできていないらしい。魔力が魔法発動に反応していないんだとか…なんとか……。
「本当に常峰君は変わった魔力をしているね」
流石に期待してと言った手前、まさかの結果にコア君も困ったようで、生前持っていた中で思念内に残っているスキルを使わせて欲しいと俺に許可を求めてきた。
このDMルームの中であれば、少しだけではあるがコア君もスキルを扱えるようで、ユニークスキルである'魔の瞳'と言う魔力を見て解析するスキルが使用可能らしい。
それで少しでも可能性があるならばと俺が許可した魔眼を使用してみた所、どうやら俺の魔力は変わり者なようで、魔力操作以外に反応を示さないと言われた。
夢の中ですらも魔法を発動できない俺は、コア君のお墨付きで完全に魔法というモノに適正が存在しないらしく、結論俺は魔法を使えない。
「剣なんかに関しては、僕は人に教えられる程の腕がないんだ。
武器扱いは、二代目や一番は三代目が適任だけど、彼等はココにまだ居ないからね。
模擬戦の相手ぐらい僕でもできるけどねぇ……」
「生憎、ココでも剣が重くて振れそうにない」
「あはは…」
詰みだった。
明晰夢の一種ならばと、魔法は諦めて剣術辺りの訓練をしようとしたが、剣は願った通りに現れたにも掛からわず振れなかった。
現実と同じく、重すぎて馴染まない。振ろうとしても腕がぷるっぷるっと震えて、コア君に首を横に振られる始末。
「スキルが無いとは言え、ここまで来ると異常だよね。
比較的軽いナイフなんかは振れるみたいだけど、それでもスキルを得る予兆はないし。重量軽減してある短槍でギリギリ……多分、メイン武器として扱うには無理かな」
「ある程度、眠王のスキル効果を得られれば白兵戦はできるんだけどな」
「眠王かぁ…。
確かにメニアルちゃんとの戦闘を見てた限りでは、不自然なぐらい扱えていたよね。んー、もしかして常峰君の魔力も寝てるのかな?」
「いやいや、まさかそんな事は……ないよな?」
「アハハ、まさかね」
どうしよう。完全に否定が出来ない。
魔力が寝てるって表現自体に、俺もコア君も困惑しているが、二人してそれが一番しっくり来ているのが事実で、もうそうなんじゃないか?とすら思えてきた。
仮に、仮にだ。仮に魔力が寝ていたとして、起床から三時間以降なら魔法が使えるのか?
「あぁ……多分それは無理だね」
俺の思考は、コア君によって一言で切り捨てられた。
何故?と思った俺にコア君は続けて応えてくれる。
「常峰君の魔力の見てる限り、一度も起きた様子が無いんだよ。
僕も初めて見るタイプの魔力だから絶対!とは言えないんだけど、本当に魔法に反応しないんだ。
眠王の干渉無効の可能性も考えたけど、僕がこの空間で魔法を発動出来ているのは、ダンジョンコアに溜まっている常峰君の魔力を使わせて貰っているんだけど、僕は発動できてるでしょ?
なのに、この場ですら常峰君は簡単な魔法一つ発動できない。
明らかにもっと別の理由があると思うんだよね」
「別の理由か…」
「あくまで僕の見解になるけど、常峰君の眠王って何か制限が掛かってるんじゃない?
その制限のせいでスキルが覚えられない。身体が覚えようとしないみたいな。
現に、最初に覚えてた念話以外に常峰君ってスキル覚えてないよね?」
言われると、心当たりも出てくる。
眠王には限定解除という日頃使えない効果がある。特別な条件下でのみ解除が可能な効果で、先日の第一段階では'王の圧'と'眠王の殺意'がスキルとして使えた。
念話は最初から俺のEXスキルとして存在していたが、他の普通のスキルを俺は覚えていない。ゼス騎士団長戦やメニアル戦であれだけ剣を振っていても、スキルという形で技術の習得はできていないのは確認してる。
だったら逆に念話は何故覚えてたのか…。
「念話に関しては、覚えた順番が先だったんじゃない?」
「覚えた順番?」
「常峰君達って召喚で呼ばれたんでしょ?それで最初からユニークスキルを持っていた。
誰かから与えられたものなら、眠王を最後に与えられたんじゃないかな。じゃないと、多分スキルを与えるっていう干渉もできなくなるでしょ」
あの謎の光は、それが分かっていたのか?そもそも、あの光の正体も未だ不明だ。
ユニークスキルをポンポンと与えられる存在。尤もらしい存在としては'神'なんて言葉が浮かぶが、確証ないしなぁ。
いや、あの光がこの際は置いておいて、眠王の効果でスキルが覚えらないとするならば、扱えるようになる可能性は限定解除か。
全部で三つの制限があるわけだが、一つしか解除法がわかってない以上……変に模索するより今は、できることを磨いたほうが堅実かもしれないな。
「そうなれば、僕が常峰君に教えられるのは魔力操作だけだね。
魔力操作だけはできるみたいだし」
「それを極めてみるのも良いかもな」
その後も少し模索はしてみたものの、結局二人して無理と判断した俺達は、魔力操作の訓練を続けた。おかげで、コア君は俺から効率良く魔力のつまみ食いができそうと喜ぶまでには上達した。
魔力操作で何か他にできる事はないか。と模索をしていると、突然立ち眩みがして立っていられなくなる。
「セバ君が常峰君を起こしているね。
そろそろ起きる時間みたいだ」
「あぁ、もうそんなに時間が…」
個人的には、もう少しコア君に教えてもらいたかったのだが、時間切れのようだ。
「アハハ、常峰君が望めば何時でも会えるよ。
ただ、DMルームを用意するにもダンジョンコアに貯めている魔力を使うから、移住なんかが落ち着いてからにした方が良いだろうけどね」
立ち眩みがどんどん酷くなり返事ができない。こうしている間にも、意識が引っ張られる様な感覚が俺を襲うが、コア君の言葉はしっかりと聞こえていた。
感覚でもう数秒で目が覚めるだろう。という事が分かり始めた時、コア君が最後に俺に言った。
「セバ君達に'よく頑張った、ありがとうね。'って伝えて欲しいな。
あぁ!それと、帰還方法についてはイマイチ僕も分からないけど、魔神についてなら多分少しは覚えてるから、今度会った時に話すよ」
その言葉が聞こえた瞬間、俺の意識は切れた。
……。
「なんでもっと早くそれを!」
「我が王?」
目が覚めると、今度は俺の寝室だった。
隣にはセバリアスが少し驚いた顔で立っていて、書類整理をしているラフィも俺の声に反応して視線を向けている。
「あ…。うん、おはようセバリアス」
「おはようございます」
とりあえず誤魔化しながら、コア君が最後に言った言葉を思い出す。
もっと早く言って欲しかった。魔力操作の訓練は身になったが、できればそっちの話を聞きたかった。いや、しかし…いつでも聞けると考えればプラスではあったな。
なんて考えていると、目の前に浮遊しているモノが入ってきた。
それは小さな妖精っぽい形をしていて、ガラス細工の様な質感で内側がキラキラと光っている。一瞬何だコレと思ったが、俺はソレがダンジョンコアであると頭の中に浮かんだ。
どうやらダンジョンコアの変質は見た目にまで及んだらしい。
俺がコアである事を理解すると、コアは俺の体内に溶け込むように消えていった。きっとコア君は、今も見ているのだろうな。
少し見られている事に恥ずかしさや複雑な気持ちも浮かぶが、まぁこれから長い付き合いにもなるだろうし割り切ることにする。
あぁ、そういやセバリアス達に伝える事もあったな。達って事は、きっとルアール達もだよな?この場には居ないし、ダンジョンの機能使うか。
《突然すまん。皆に伝言を預かった》
目の前に居るにも関わらず、ダンジョンの機能を使われた事に少し驚いた反応をセバリアスとラフィは見せるが、俺は気にせずに念話を繋いだシーキーやルアール達の古参組が意識を向けた事を確認して続けた。
《セバ君達へ伝言です。
よく頑張った、ありがとうね。との事だ》
分かりやすい様に初代と同じ呼び方で言ってみたが、伝わったようだ。念話を通じて、全員から動揺した気持ちが伝わってきた。
それは次第に嬉しさに変わっていくのが分かる。
特に誰かが返事をしてくる事はないが、念話越しでも気持ちが伝わってきたんだし、それが返事で十分だろう。
さて、俺は書類整理に戻ろう。セバリアス達を少しは休ませてやりたいしな。
次から、別の視点に移ろうかなと考えています。
どの視点で行こうかは……悩み中です。
ブクマありがとうございます!




