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眠れる王  作者: 慧瑠
切られた火蓋は、波に煽られ燃え上がる
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悪運

「'風よここに ―風刃―'」


コルガは近場の木を魔法で切り倒し、紐が繋がっているナイフを木に投げ刺して身を木へ手繰り寄せる。そして木の上に着地する頃には、ヒュドラを中心に一帯の足場は毒の泉へと姿を変えていた。


「コルガ支部長……幼体という話でしたが」


同じ様にコルガが切り倒した木の上に着地したテトリアは、楽しそうに笑うパティ・ニカ。彼女達が乗っているヒュドラの双頭の口元から垂れる毒液は、足元に溜まっている毒液を揺らし、煙をあげる。


「首の数が少ないから幼体だよ。その他も文献通り。良かったなテトリアちゃん、成体だったら後七本は首があったぞ。アッハッハッ」


「一帯を毒沼にするブレスを吐く首が九本……よく文献が残っていましたね」


「切り落としたら増えるらしいから気をつけろよ―。ほら、次来るぞー」


「そもそもであんな硬い首を切り落とせません」


二人が跳んだ衝撃で、既に毒で半分以上が腐ちていた木は砕け、追い打ちをかける様にヒュドラの片方の首から毒のブレスが吐かれた。

事前に回避行動に移っていた二人に当たる事はなかったが、残り一本の首がテトリアへ向けて毒液が溜まった口を開く。


「待っていました。 'それは激流の壁 流水に万物は逆らえず 意思無く従う事こそが必然である 内の理をここに 外の理をここに ―渦巻く激壁(スワール・ウォールズ)―'」


ブレスを狙っていたテトリアを中心に球体を創り上げた水の壁は、毒のブレスを流す様に受け止めたかと思うと、それを糧に巨大化していきヒュドラを飲み込もうとする。


「テトリアちゃん意外と普通の魔法使えるじゃん」


ヒュドラの攻撃を逆に利用したテトリアに関心しつつ、足元に毒が広がってきていないのを確認したコルガは、更に周囲の様子を少し観察し始めた。


パティ・ニカと戦闘を開始してどれぐらいの時間が経ったか……毒の泉のせいで他の魔物が近付けていないのは幸いだが、既に石の壁は壊されて魔物が避難団を追いかけている。

おそらく避難団へ辿り着いている魔物も居るだろうと予想するコルガは、大きく溜め息を吐いて視線をヒュドラへと戻した。


「これで倒せるなら願ったり叶ったりだが、やっぱ無理か」


呟いた瞬間、ヒュドラのブレスの勢いが増し、もう一本の首もテトリアへ向けてブレスを放つ。その指示はパティ・ニカが出しているようで、楽しそうにキャッキャと指差して騒いでる様子をコルガは見た。


「やってらんねぇなぁ。首を落とすと増えるっての、幼体でもそうなのか? 下手にテイマーから狙ってヒュドラが残っても厄介だし、どっちにしろヒュドラはなんとかしたい――ゴホッ!?」


テトリアと自分、どちらかが生き残れれれば幸運だな。と頭を回していたコルガは、咳き込むと同時に身体の力が抜け、口元を抑えた手には血が付着している事に気付く。


毒が回る前に腕は切り落としたはず。止血も雑で動けば滴る程度ではあるが、止まって余裕はある。にもかかわらず、急激に襲ってきた倦怠感と胸の痛み。

その原因を探せば、すぐに理解した。


「この毒、空気に溶けるのか……やばい、テトリアちゃん死ぬ」


目の前の毒の泉から立つ煙に毒性がある事に気付いたコルガは、テトリアの今の状況が危ない事も察した。

もう毒のブレスを大量に受け止め含んだ水の壁は、既に色も毒々しい。その中心にいるテトリアは現在進行で毒性の空気を吸っていると同義。


「テトリアちゃん! タイミング合わせて魔法を解除!」


聞こえてると信じて声を張り、胸の痛みの気晴らしにと角砂糖を噛み砕きながら鉤爪の付いた縄をヒュドラの首に巻きつけ、ヒュドラの首へ。

そこから首を足場に駆け上がりテトリアの元へと向かうが、コルガの行動に気付いたパティ・ニカが腕を振った。


「将来有望なテイマーだ」


厭味ったらしく言葉を漏らしたところで状況は変わらず、パティ・ニカが喚び出した鳥型の魔物がコルガへと突っ込んでくる。

嘴を回避し、爪も避け、羽の雨を防ぎつつ足は止めずにテトリアへと近づいて行くコルガ。無傷とはいかないまでも、まだ走れたコルガだったが高く跳んだ。


一拍遅れて足場にしていた首もろとも吹き飛ばした毒のブレス。完全に射程から逃れられずにコルガも足場と共に片足が消滅するが、それをチャンスだと考えて声を張り上げた。


「テトリアちゃん!」


しっかり声は聞こえていたようで、毒々しい水の壁は弾ける様に解除され、中央に居た呼吸の浅いテトリアはコルガへ視線を向ける。

コルガよりも先にテトリアの視界には分銅付きの縄が横切り、テトリアの身体を三周ほどした所で止まり、コルガの手によって引っ張られた。


「とりあえずまだ生きてるな?」


「耐性はコルガ支部長よりあるので……それと、解毒剤です。気休めにはなるかと」


「副支部長が用意周到で助かる」


「乙女の嗜みですから」


「……悪いけど、口に投げ込んでくれないか?」


今はテトリアを引き寄せた後、すぐに残っているヒュドラの首に新しく鉤爪付きの縄を引っ掛けてぶら下がっている状況で、コルガは片腕がなくもう片方では縄を掴んでいる。

テトリアはコルガに弱々しくも抱きついている状態で、呆れたように解毒剤を口の中へと運んだ。


「ここからどうしますか?」


「正直、もう俺瀕死なんだよね」


「知ってます。まだ死なないでくださいよ」


幸か不幸か、毒のブレスによりコルガを襲っていた魔物も一緒に消滅しており、ブレスを放った首はコルガ達を見失ってい様子。

首を挟んでぶら下がっている為、パティ・ニカからも二人の姿はすぐに見つける事はできていないようで、キョロキョロと探している様子が聞こえている。


「気配を探るのは得意じゃなくて救われたな」


「このままだと私もコルガ支部長も毒液の中に落ちますけどね」


「多分落ちる前に俺が死ぬ」


本人が言うように、言葉こそ軽く吐いているものの声は強張り、顔色もどんどん悪くなっている。解毒剤のおかげで辛うじて毒の進行は遅れているが、ヒュドラの毒は解毒されておらず足に受けたブレスからもじわりじわりとコルガの身体を蝕んでいた。


当然テトリアにも余裕があるわけではない。毒を大量に吸い込み呼吸が苦しく、身体の感覚と意識が鈍くなっているのが本人には分かっている。

こうしてコルガと言葉を交わすのも強がりであり、そうしていなければ既に心が折れていただろう。


そんな二人を、極彩色の瞳が、四つの瞳が捉えていた。


「みつけたー!」「かくれんぼはおわりだー!」


「悪運尽きたな」


「伝説相手にこちらは二人。時間は頑張って稼いだ方でしょう」


消滅した首は再生し、更にもう一本そこから枝分かれするように新しく生まれた首。ヒュドラの首は三本になっており、二人を見失っていた首も他の首が二人を捉えた事で勢いよく鎌首を振り上げる。

なされるがままに二人は釣り上げられ、三つの口は確実に二人に向けて開かれた。


そのまま捕食されるか、はたまたブレスか。どちらにせよ時間も終わりだという事を悟った二人は身体の力の抜いて、コルガは掴んでいた縄を放した――その時二人は、いやその場に居た全てのモノが、横から思い切り叩かれた様な衝撃に見舞われ、同時に感覚を狂わせるほどの音が身体を突き抜けた。


「くっ、そがッッ」


「ァッッッ」


「いたいっ!」「うるさい!」


衝撃と音に襲われたモノに例外はない。

ヒュドラでさえ、身を硬直させて行動を止めてしまう。


完全に諦めて脱力していたコルガとテトリアは突然襲ってきた衝撃に吹き飛ばされるが、テトリアは反射的にコルガの服を掴み、コルガも考えるよりも早く最後の分銅付きの縄を近場の木に向けて投げる。

勢いを緩和する為に鈍い音がすることも気にせずコルガは縄を腕に絡め、力の限り引っ張る。そのかいあってか、毒の泉を越えた辺りで二人は転がる様に落ちる事ができた。


代償としてコルガの腕は無残に曲がり、力無く垂れ下がる様子と変色し始めた色から、その腕ももう使い物にならないと分かるだろう。


「……しぬ」


「良かった……ですね、まだ首と足一本は残ってますよ」


「鬼め……」


辛うじてテトリアは近くの木を背もたれに座る事ができたが、二人とも立ち上がることはままならず、交わす言葉も力無く息も絶え絶え。

そして二人の視線の先には、怯える様に周囲を見渡すものの自分達では傷をつける事すらできない三ツ首のヒュドラ。加えて、先程の衝撃で驚いて抱き合っているパティ・ニカはヒュドラを従え、更にまだ余力が見える。


何があったのかは分からないが、今はなんとか生き延びた。しかし数秒もすれば、きっとアレ等はこちらを見つけるだろう。

それが分かっている二人に、もはや動こうという気力はない。それを咎める者も居なければ、状況を打開できる考えなど浮かぶわけがない。


「そういえば……テトリアちゃん、意外と魔法使えたんだな」


「私はコルガ支部長ほど……精霊との相性は良くないですから……」


もう一度は無理ですけどね。と続けるテトリアは疲れたようで、ゆっくりと息を吐きながら目を閉じる。

ある程度の魔法ならば使えるが、基本は精霊魔法に頼っていたテトリア。魔力量が決して多いわけでもなく、先程の魔法も相打ち覚悟の一手だった。


しかし相打ちどころか自滅しかかり、コルガの足を奪う結果となってしまった。口にはしないようにしているが、コルガの足を引っ張っている現状がテトリアを精神的に更に追い詰めている。


それももう終わりだけど……と徐々に浅くなるどちらかの呼吸音だけを耳にしていると、二人は風にのって香る甘い匂いに気付いた。

匂いに釣られる様にテトリアが目を開ければ、毒の泉の上を歩いて渡ってくるローブ姿が見える。


「やばいな。聖女信仰、本格的に考えるか」


コルガが苦笑を浮かべて言っている間にもローブ姿の者は二人に近づいてくる。


ヒュドラが気付き、パティ・ニカが気付いて攻撃をしかけても、不思議と攻撃がその者を捉える事はなく、狙われている本人は変わらぬ足取りで歩き進む。


ローブの者が一歩踏み出せば、毒の泉から足場となるために黒い蓮が顔を出し、もう一歩踏み出せば、新たな黒い蓮が道となる。

そうして毒の泉を渡りきる頃には、コルガとテトリアは強くなる甘い香りの中、ローブの者が誰かハッキリと認識できた。


「とりあえず、生きてはいるようですね」


「鴻ノ森……」


「鴻ノ森様……」


自分達の様子を見て顔を顰め告げられた淡々とした言葉。

そんな鴻ノ森の後ろでは何故かヒュドラ達は鴻ノ森を見失い、空へ向けてブレスを吐いたりしている。


「死んでいないのなら大丈夫と言っていましたが、ここまで死にかけていても大丈夫なんでしょうかね」


困惑する二人を他所に、鴻ノ森はローブの内側から淡く輝く大きめな羽を取り出して二人に突き立てた。すると、不思議な事に身体が軽くなり、コルガの出血もピタリと止まった。


「お、あ、ありがとう……?」


魔法でもなく、よく分からない羽でヒュドラの毒が無くなった事にコルガの反応は複雑なものだ。しかし助けられたのは事実であり、とりあえず礼の言葉を告げると、鴻ノ森は変わらない声で返す。


「お礼ならば後でジーズィさんに。その羽もジーズィさんのですから。それよりも早々に移動したいのですが……歩けませんよね」


「逃げるにもヒュドラとパティ・ニカは逃してくれねぇと思うぞ?」


「パティ・ニカ……あの子供ですか?」


「見た目に騙されんなよ。あれでも三魔公だ」


コルガの説明に鴻ノ森は小さく溜め息を漏らした。

三魔公の事は事前に常峰から聞いていた。以前ギナビア国にニルニーアという三魔公が現れ、漆達が敗北ギリギリまで追い込まれている事まで。


鴻ノ森は三魔公が居る可能性は頭の隅に置いていたが、それでもまさか自分が遭遇するハメになるとは考えて居なかった……いや、考えたくはなかった。だから漏れ出た二度目の溜め息。

更に、ヒュドラというのがどういう敵なのかジーズィと岸から聞いていた故に、再度漏らした三度目の溜め息。


「えーっと、テトリアさん、コルガさんを運べますか?」


「すみません。担いで逃げられるほど体力は……」


「そうですか……これは、無理にでも東郷先生か橋倉さんでも連れてくるべきでしたね」


呟く様に鴻ノ森が言葉を漏らすと、三人の横スレスレを毒のブレスが抜けていく。


鴻ノ森が焦る様子も無く振り返れば、ヒュドラはまだこちらを認識していないようだが、パティ・ニカは鴻ノ森へ指を向けているのが見えた。


「まだ浅かったようですね」


「ヒュドラとやれるのか?」


「無理ですよ。私自身は有効打を持ちませんし、同士討ちさせるにしても守りながらはできません。スキルの訓練とかしていないので、貴方達を巻き込まない自信がないです」


「俺達の事は――」


「わざわざ私が来ている意味を考えてください。貴方達に死なれては困るんです」


コルガの言葉を遮った鴻ノ森は、パティ・ニカへ手を翳す。すると、キョロキョロと周囲を見始めたパティ・ニカは何かキャッキャと喜び始めた。

ヒュドラはヒュドラで、また空中に向けてブレスを吐き始めている。


「これ以上はお二人にも影響が出てくるので無理そうですね……」


横目でコルガとテトリアの様子を確認すると、二人は頭を抑えて少し唸った後に虚ろ気味な視線を鴻ノ森へと向けた。

その様子を見た鴻ノ森は、できるだけ意識してコルガとテトリアだけスキルの効果を弱めようとする。本当なら完全に対象から外したい所なのだが、'終始望む幻想(パラノイア)'が元の世界で必要だと考えていない鴻ノ森は、そこまで繊細に扱う訓練はしていない。


クラスメイトには常峰君のおかげで効かないから、訓練を怠った事が仇になっているなぁ。と思いながら、変わらぬ表情で鴻ノ森は二人の様子を見ながらスキルを調節していく。


「い、今のはなんだ? ここは、戻ってきたのか?」


「私は一体何を……」


焦点が合い、混乱しながらもしっかりと鴻ノ森を認識している様子の二人を確認した鴻ノ森は、調整を止めてここからどうやって移動するかを考え始める。

すると、そんな鴻ノ森の背後に音もなく背の低い木が生え、真ん中から裂ける様に開いたかと思うと、深々とローブを被った者が現れ声を掛けた。


「手を貸してあげようか?」


「後ろから声を掛けるのは常識なんですか?以前もそうでしたけど、本音は止めて欲しいんですが。一応言っておきますけど、驚いていますからね?」


背後から掛かった声に、少し早口で答える鴻ノ森。

声を掛けた当人は、鴻ノ森の反応が面白かった様でクスクスと肩を震わせて笑っている。


「いや、悪いね。こういうじゃれ合いも中々無くてね。さて時間もあまりないし本題といこうか……助けがいるかい?」


目の前で鴻ノ森と話している相手が森の怪物であるシューヌである事は、コルガにもテトリアにも分かっているが、先程の言い知れぬ幸福感と理解を拒否するような気持ちの悪い恐怖が残っており、その事に言及する気力が無い。


「そう警戒はいらないよ。以前に君達の王と話して力になると言ったからね。今の私は役目を終えて、結構好き勝手できる立ち位置なんだ」


「貴女が積極的に私達に協力するのはおかしくない。そう言いたいんですか?」


「そう受け取ってもらって構わない。それにここで私が手伝わないと、君ではどうにもできないだろう? 仲間が来るまで待つかい?」


常峰とシューヌが会ったという話は当然聞いている。

しかし、それでも鴻ノ森がシューヌを信頼する理由にはならない。ならないのだが、シューヌの言うことも正しいという事を鴻ノ森は分かっている。


自分がここに来た理由は、最悪の場合に備えて二人の片方でもいいから保護をする事。

その最悪の場合とは、リュシオン国に残った東郷達の全滅の可能性があるからだ。


常峰と連絡が取れなくなり、リュシオン国では先程の咆哮の主――魔王オズミアルが動き始め、合わせたかのように魔王ガゴウまでもが現れた。

いや、実際合わせたのだろう。おかげでリュシオン国は完全に機能を失い、先を考えた場合にギルドの支部長か副支部長であるどちらかの存在が必要だとコニュア皇女が判断したのだ。


そんな事態。こうして自分しか動けなかった状況で、助けが来るまで二人を守りながらは鴻ノ森にとって荷が重い。となれば自ずと選択肢は決まっている。


「中立国レストゥフルまで二人を頼めますか?」


「君も送ってあげるよ。そっちの方が、何かあった時に安心だろう?」


「ま、待て。森の怪物、頼めるなら先に避難している国民がいるんだが」


鴻ノ森とシューヌの話がまとまりはじめたのだが、間を割って入ったコルガ。その言葉に反応を示したのはシューヌ。


「アレかい? 少し魔物は間引いて来たけど、それ以上に私に縋るのかい? 君も口にしたけど、私は森の怪物だ。君達が忌み嫌う存在であり、決して助けを乞う存在ではないだろう」


シューヌの言葉に返す言葉を探すコルガだったが、説得できそうな言葉は浮かばなかった。テトリアに視線を流してみるものの、テトリアも小さく首を横に振るだけ。

二人の様子に満足したのか、シューヌが指を鳴らすとヒュドラとテトリアは大樹に飲み込まれる。


「というのは私の事情だ。君達は中立国へ送る。しかし避難している者達を全ては、中立国の事情もあるだろう。だから魔物を処理はするが、そこからどうするかは君達のお仲間次第だ」


「あ、あぁ……助かる」


「ありがとうございます」


「感謝は私に必要ない。するのであれば、君達の為に頑張っているコニュアか……そうだね、異界の者達にでもするといいさ」


言い終わると同時に、コルガとテトリア、そして鴻ノ森は木の根に包まれて地面の中へを沈んでいく。

残ったシューヌが振り返れば、ヒュドラ達を包んだ大樹は枯れ果て、全ての瞳がシューヌを捉えていた。


「流石にヒュドラは相性が悪いけど……まぁ、幼体ならつまみ食いニハ丁度イイカ」


呟くシューヌのフード奥からは、ぐちゅりと触手が蠢き音を鳴らしていた。

もうちょっとリュシオンが続きます。次は、多分岸君達です。

遅れたらすみません。





ブクマありがとうございます!

これからも、お付き合いいただけると嬉しいです!


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