楽しい時間
一体、何度邪魔されただろうか。
一体、どれほどの欠伸が噛み殺されただろうか。
一体、いつになれば俺は寝れるのだろうか。
「調子は良さそうだな」
「いいわけ無いだろ」
少し距離を取った所に立つメニアルは、それはそれはご機嫌で、俺と同じ様に徹夜してた奴とは思えないほどに艷やかだ。
対する俺は、夜は寝れず。国の名前をそろそろ考えろとか言われ、朝はエルフ達と改めて顔合わせを済ませ、昼は江口とイチャついている所にお邪魔して武宮に精霊の涙を見せ、時間が迫ればあれよあれよと準備が終わってこの場に様々な武器達に囲まれ立たされた。
周りに被害が及ばない様にと、ダンジョンの一階層を戦う場所に選んだはいいが……見上げれば、ゆっくりと流れる雲が俺に憐れみを向けている様にすら感じる。
ダンジョンの機能とメニアル産のビー玉で全国配信される戦いだと考えると、本当に気が滅入るわ。
「では観客共を待たせるのも悪かろう。そろそろ始めようではないか」
「勝敗条件の説明がまだだぞ」
「やれやれ、そんなもの相手が死ぬまでであろう。と言いたいが、基本的に降参すれば終いでよかろう。ただし、夜継の降参は我が認めなければ無効とする」
適当な所で降参を口にしようとする俺の思惑は、どうやらメニアルも予想済みだったらしい。
まぁ……夜通しの話し合いで、俺が現在の力を見せ付けないといけない理由は、ぎりぎりではあるが自分で作って納得することはできている。
俺に足りない'国に対する熱量'を国民に補ってもらう為。
その国民の為にメニアルの言う『王』である事を認めさせる為。
そして、俺がわざわざ気にしないでいた大国の認識をメニアルに指摘されたから。
降り掛かる火の粉を払う事はするが、別に埃を付けられた所で怒る気もしない。だが、どうにもコソコソと俺に火を点けたがる輩も居る。
腰を落ち着ける前にしなければならない事がまだあるようで……。この世界で王をしていた大先輩メニアルに習うのも悪くはないだろう。
「持ちうる全てを賭して我に挑め。でなければ、我は貴様を殺すぞ」
「初っ端の仕込みとして色々としていきたい所なのだが、まぁ……お膳立てされた上でつまらない戦いで再戦なんて言われちゃ嫌だからな」
ダンジョンの維持と修復はコア君に任せてあるし、ダンジョンコアに溜めてある魔力で補えるだろう。
'眠王の法'を使ってみてもいいが、存外隙が多いしメニアルがどこまで抵抗してくるかが分からない。隙を見逃すなんて事はまず無いと考えていい。魔力量は流石に上回ると思うが、その勝ち方にメニアルと俺が納得しても、外側から見れば何が起こったか理解できないかもしれない。
何より、全ての手札を観客に見せてやる必要はない。
眠王の法もダンジョン機能も、俺にとっては切り札だ。変に対策されたくない。だからこそ、他ではメニアルの期待に応える様に気張らないとな。
「もう良いな? 今一度名乗ろう。孤高の魔王 メニアル・グラディアロードである。死力を尽くし、我に牙を突き立ててみよ」
名乗りを上げた途端、メニアルの戦意が、殺意が俺を貫き、俺の頭を鮮明にして俺はメニアルを敵だと認識し切り替える。
静かで、ゆったりとした気分が満ちていく中で、俺も名乗ろう。
「中立国レストゥフル 眠王 常峰 夜継――我が王也」
枷が外れた。
静寂が包み、研ぎ澄まされた感覚が世界を遅くさせる。
「国名の由来はなんぞや」
「静穏」
ゆっくり流れているなと思っていたが、どうやらさっきの雲は随分と駆け足気味だったらしい。そう錯覚する程に、全ての流れが遅延して手に取る様に分かる。
「クククッ……良い、良いぞ夜継! 求めるモノとは裏腹な以前より研ぎ澄まされておるその殺気……我も飲み込まれ、息を止めたくなるほどに心地よい。これもまた、静穏であるのかもしれぬな」
魔力の流動を肌が感じた。
俺の右側。首を狙った魔力の流れに合わせて空間が裂けていく。
焦る必要はない。元がどうであれ魔法である事には違いなく、前回俺は魔力で止められる事を知っている。
首元に魔力の壁を作り、同時に周囲に散らばる武器を数本選んで魔力を操り持ち上げた。そして持ち上げた中から数本を投げ飛ばし、それに追従するようにメニアルへ迫る。
「すまぬが、我は夜継を殺す気である」
「!?」
メニアルの言葉に驚いたわけではない。
今の俺の状態でもブレて見えたメニアルの腕を捉えた瞬間――本能に従って、ワケも分からないまま身を伏せた。
その判断は間違っていない。
頭上を何かが通過する音と、俺が魔力で持ち上げていた武器達が両断された事が本能の反応を肯定していた。
だがそれを喜んでいる暇なんてない。俺を囲む様に切り開かれた無数の空間に、俺の感覚がそこから逃げろと告げている。
しかし逃げない。敢えて魔力を周りに固定し、全てを受け切る覚悟で構えてみた。
「誇れ。殺す気である我の初撃を無傷で耐えてみせた人間は、夜継が初めてじゃ」
「伸縮する剣ってのは聞いていたが……撓るとは予想外だ」
魔力の壁を削る様な音が止まったかと思えば、目の前にはひし形の細い透明な剣が見え、メニアルが腕を軽く振るとソレはまた魔力の壁を削りながら戻っていく。
そして、完全に元のサイズに戻った細剣の長さは、まるで小型のナイフ程度の長さしかない。
魔力で伸縮はしているんだろうが物理攻撃に他なく、何よりも俺の魔力の壁を削っている。見えづらいし、距離感が掴めなさすぎて厄介だな。
「父の剣技を最大限に振るうには特殊な武器が必要でな。ドラゴニクスに折られたせいで、本数が減ってしまっているのじゃ」
軽く振り上げられた細剣が、後方に広がる大地を縦に切り裂いたかと思えば、いつの間にかメニアルの手には細剣ではなく一見すれば普通の剣が握られており、また腕がブレる。
なるほど。振るう剣にも色々と種類がおありのようで。受けるか? いや、ここは――。
「今度は直感ではないな」
「それでもギリギリだ」
念の為に体中に魔力を纏いながら、手を軸に体を捻り振り下ろそうとしている手首を蹴り上げて止める。
本当に腕を振り下ろしているだけとは思えない衝撃だが、これぐらいならば「ほれ、隙だらけじゃ」
「ッ――」
声が先か、攻撃が先かは分からない。受け止めた方とは逆の腕が振られると同時に空間が歪み、俺の魔力を越えた衝撃が全身を突き抜け吹き飛ばされた事だけは確かだ。
遅くなっている様な感覚がする中でも、相当の速さで尚も吹き飛んでいる。その中で開始位置にあった全ての武器達と魔力を繋ぎ、少しだけ呼吸を整えて次の手を頭で浮かべる。
しかし、それよりも早くメニアルの次の攻撃が迫った。
空に生まれる巨大な歪み。
そこから漏れ出す魔力の流れは、規則性などなく暴れまわる様に、無差別に空気を揺らし、戦いの最中だというのに見惚れてしまうその光景は牙を剥く。
次の瞬間、メニアルの腕の軌道をなぞる様に――空は砕けた。
「魔王ねぇ……」
ダンジョン内だというのに、世界が軋んでいる様な錯覚をする音が響き、逃げ場のない攻撃が確実に俺を狙っているのは分かる。
体勢を立て直す事はできるが、逆に言えばそれが俺の最後の行動になりかねない。
明確に迫る死。そのはずなんだが、俺は思考もクリアで焦りもなく驚く程に穏やかな気分だ。
対処方法なんて簡単だと俺は理解している。
暴力的なまでの魔力で押し返せばいい。なんなら上から圧し潰せばいい。正面から耐えきればいい。だけどどこか不安が残ってしまうのは、魔王の気迫に気圧されている証拠なのかもな。
「どこか少しナメていたのかもな」
どうせ死ぬ事の無い戦いだから。と気を抜いていたのかもしれない。その謝罪の意味も込めて、俺は迫る空を魔力で包み込み、メニアルの魔法を握り潰す。
「……少しだけだが、戦闘で心が躍ると言うのも理解できる気がするわ」
視界の遠くに立つメニアルの表情は、俺の予想とは裏腹にとても嬉しそうな、愉快そうな笑みを浮かべていた。
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戦えば戦う程に速く、鋭く、重くなりおる。
我の魔法を正面から制し、更には利用すらしようと目論む。
以前、我の空間を利用した攻撃は、我も既に対処済み。夜継が我の空間に武器を投げ込むのであれば、出先に別の空間を繋ぎ、それを夜継へ返すなど容易い。
しかしそれも一度きりで、対処されたと察した夜継は、二度目を行おうとはせぬ。
「愉快よな」
父の剣技を直感のみで避け、次第に目で追い始め、また一つ我の手が遅れる。
「滾りよる」
母から受け継ぎし魔法を、純粋な魔力のみで防ぎ、押し返し、発動すら止めようとしよる。
「実に喜ばしい事よ」
面で線で点で、我の持ちうるモノを全て出しても夜継は死なぬ。
確実に殺せる答えが浮かぶも、どうしても此奴を殺せる想像ができぬ。だからこそ、我は夜継を殺してみたいのじゃ!
夜継を選び良かった。
初め見た時こそ、ただの人間だと思ったが、透き通る水面を眺めただけだと分かり良かった。
底が見えぬお主に託して良かった。
常峰 夜継に会えて我の祈願は成就する兆しを見せた。本当に、この出会いに我は感謝する。
だが、以前の様に遠慮などせぬ。一閃など生温い。
「幾千の剣戟の中で、我もまた生き抜こう」
今はただ、我の我儘に付き合え。
余計な考えは捨てよ。我もその様なモノは捨て置こう。
「生を謳歌し殺し合おうぞ」
「毛頭死んでやるつもりもねぇよ」
飛び上がり、頭上から細剣を振るうと同時に、八方の空間を砕き夜継を殺そうとするも、瞬く間に夜継は我よりも上に消えた。
ならばと空間を繋ぎ、撓る細剣は我の上を切り裂く。
「だんだん見えてきた」
呟く夜継は魔力で振るう剣で細剣の軌道を弾き上げ、握っていた別の剣を細剣が伸びる空間へと投げ入れる。
もうして来ぬと思うておったが、細剣の身の傍なら新たに空間が開けぬと考えてか――甘いわ。
下から射出されるように飛んでくる剣の軌道上に空間を開き、最速で我の手元に到達するように空間を繋ぎ、我は刃を握り締め、夜継の頭部を目掛け全力で振るう。
「なんっ――」
剣の柄が迫り驚く夜継は声を発している最中、凄まじい勢いで吹き飛んだ。先の様子を見るに、剣で殴られるという発想は夜継には無かった様に見える。ただの人間であれば、これで殴り殺せたであろう。
しかし、相手は我が認めし夜継である。
手応えはあった。
頭部を打ち抜き、頭蓋を砕き、その生命すら殴り殺した様な手応え。
「よくぞ反応してみせた。咄嗟の魔力放出で攻撃も衝撃も緩和……並の魔力と操作技術では出来ぬ事よな」
「生憎、それだけが取り柄なもんでね。でも、今のは肝が冷えた」
頭から垂れる血を拭う姿は、我の血を沸かし肉を踊らせる。
やはり死なぬのだ。あぁ、では次はどうしてやろう。
どうすれば、我はお主の死に目を記憶に刻めるのであろうな。
縦横無尽に迫る魔力の刃を斬り伏せ、我は夜継との距離を一歩で詰める。して振るう剣に合わせ、別の剣を背後に開いた空間へと投げ入れ、夜継の頭上へと繋ぐ。
それを夜継は冷静に対処してみせ、次は自分の番だと言わんばかりに拳を握り腹部を目掛け撃ち抜く。
先よりも反応が速くなっておるな。我の動きに合わせる様にもなっておきておる。
「楽しいなぁ夜継」
「戦闘狂め」
笑う我が合わせた拳と、呆れ気味で笑みを浮かべる夜継の拳がぶつかり合えば、地面は砕け空が揺れる。
そこからはどちらも言葉を紡ぐことは無い。
どれほどの時の中、我と夜継は殺し合おうたか。
剣で槍で鎌で刀で短剣で棍棒で脚で拳で、数多の武器を夜継が振るい。
父の技を母の魔法を磨いた術を我が振るう。
切り傷一つ付ける事が、これほど苦労したのは何時ぶりであろうか。
血を流させた事が嬉しいと思うたのは、何時以来であろうか。
我の死が最寄りにあり、夜継の生に手が届かぬ。夜継もそう感じでくれておるだろうか。
互いに血を流し、相手の命を狩り取る為だけに思考を回し、磨き上がる生は心地よいものだな。
だが……どうやらそれも終いのようじゃ。どうしてこうも心地よく楽しき時間の終わりは、早いのであろうな。
次第に我の流す血が多くなり、夜継へ刃が届かなくなってしもうた。
我の攻撃は完全に見切られ始め、夜継の刃は我の命を削っていく。数刻前より、我は経験則だけを頼りに戦っておったが、それも限界のようじゃ。
魔力は既に尽きかけ、何度か意識が飛びかけた。
「ふぅ……ふぅ……限界そうだなメニアル」
「視界が霞んでおってな。夜継の場所も気配のみでしか追えておらん」
「正直に言って、本気でやればもっと早く決着が付くと思ってた。あまりにも浅はかすぎたわ。魔王……その名に恥じぬ強さに感服した」
「くくっ。お主にそう言われた事、誇りに思うぞ。では、これで終いじゃ」
我は残りの魔力を指先にかき集め最後の魔法を口にする。
「'無の灯火'」
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メニアルが初めて魔法名を口にした。
同時に、その立てた指先はポッカリと穴が開く。その瞬間、脳内に警鐘が響き渡り、全身に悪寒が走った。
アレはいけない。
何故今まで使わなかったのか疑問に思う前に、それの危険性を理解してしまった。
あのポッカリと開いた穴の部分は既にダンジョン内ではなく、そもそも何かが存在している感覚すらないのだ。そしてそれは徐々に広がり、メニアルの指に触れようとしている。
「なんてモンを最後の最後にッ」
息が切れそうになり、悪態をつきながらも、その魔法を魔力で包み、念の為に別個でメニアルも魔力で包む。
メニアルは意識があるのか無いのか分からんが、ゆっくりと広がるその魔法は何も残さない。今も俺の魔力をジワリジワリと飲み込んでいく。
空間魔法の一種なのだろう。一応、魔力で邪魔できるにはできるが、どうにも消しきれない。
スキルがあったからメニアルと戦えた。俺のスキルを理解して発動させてくれたからメニアルを追い詰める事ができた。
あくまで条件を整えたから戦えただけだというのに、随分と満足そうな顔だなメニアル。んで最後の最後に自爆技とか……期待に応えて正面から潰してやる。
俺はメニアルの魔法に近づき、魔法を包む魔力を増やして物理的にも握りつぶそうと力を入れていく。それでも反発し、広がろうとする魔法を更に力強く。
ブチブチと腕の血管が切れ、メニアルにやられた体中の傷口から新たに血が流れ出るが、それでも力を込め続ける。
貧血にでもなってきたんだろうか、意識が飛びそうだ。だけどコレを放置するのは大問題だろ。
「さっさと消えろ」
握力が抜けかけた俺は、更に俺の手を魔力で包んで俺の手ごと魔法を握り潰した。
ああああああ!!くっそいてぇ!!
体の中を骨が砕ける音と、声を上げたくなる痛みが駆け抜けたが、なんとか声を抑えつけてメニアルの魔法を確認する。
すると、そこには魔法の痕跡など無く、ダンジョンの機能でもその空間を認識する事ができた。多分、これで大丈夫だろう。
「おっと……」
たれ流しになっているのが脂汗なのか血なのかも分からなくなってきた俺は、魔法が消えた事で完全に意識が消え倒れそうになったメニアルを魔力で支え、ダンジョンで作った台座に置かれているビー玉に近づいていく。
あの戦闘の中でも最優先保護をコア君に頼んでいたおかげか、カメラ機能搭載のビー玉は壊れておらず、しっかりと俺達を捉えていた。
切る方法が分からない俺は、とりあえず壊す方向でいこうと考えた矢先、戦っている最中は忘れていた大国への言葉を思い出す。
「メニアルの意識が無くなったのを確認した。今回の戦いを見て、それぞれ思う事があるだろう。俺としても、今回はしっかりと俺自身の力を披露できて良かったと思う。メニアルには感謝してもしきれない」
もちろん今回の戦いはダンジョンの機能で国民達も見ている。それを見て何を思うかは勝手だが、メニアルに感謝しているのは本当だ。
自己満足でしかないけど、それはしっかりと伝えておきたかった。
そして本題はここからだ。
「俺が居る限りは中立国レストゥフルの国民は守ろう。それが我が友メニアルとの約束でもあり、俺がそうしたいと願う事だ。そこに種族の垣根はない。人間であれ、魔族であれ、エルフであれ、獣人であれ、ドワーフであれ、半魔であれどだ」
実際、種族間のいざこざをしっかり知らない俺には、人間と他種族の違いなんて外国人感覚でしかない。だけどこれだけじゃ勘違いされそうだから、俺は言葉を続ける。
「だが中立国にもルールはある。中立国の者ならばそれを守ってもらいたい。俺一人では、手の届かない所が出てきてしまう。だから、皆が皆を守って欲しい。そうしてくれるならば、俺が楽だ。これが中立国の目指す所だ」
俺の理想は安眠だが、国の理想はソコに置いていいだろう。必ず問題は起きるだろうし、所詮は理想でしかないが……理想や夢を語れない国にしたいとは思わない。
だからもう少し言っておかなきゃならんことがある。ちょこちょこと野外から邪魔をされないためにも。
「そして我が国は皆も知っている様に中立。言う必要も無いと考えるが、念の為として聞いて欲しい。レストゥフルが中立である限り敵では無いが、味方でもないという事を」
あくまで協力関係なだけで、何でも頷くと思われても困るし、中立国だから手が出せないなんて考えを持っている輩が居る可能性はコレで少しは消えるかな。
後は今は協力関係だから安心してね。って言って終わりなんだが……リーファ王女の件もあるし、ついでに少しハルベリア王の安全を確保しておこう。
「まぁ、荒事は好まないし、今は協力関係であるのも確か。メニアルに並び我が友のレゴリア王、ハルベリア王、コニュア皇女、どうぞ今後とも友好な関係をよろしく頼む」
そう言い終え、俺はビー玉を砕く。
多分こんなもんでいいだろう。メニアルが言っていた個の力は見せたし、ハルベリア王達を名指しした分、彼等が居るから中立国レストゥフルは友好国だと理解してくれれば、手は出しづらいのではなかろうか。
そう汲んでくれるかは分からんし、中立国が気に食わない奴は利用したがるだろうけど……それは俺達と事を構える意味でもあると誰かが気付くでしょう。
「明日か明後日ぐらいには、少し動きは見えるだろう。とりあえず今は……寝よ」
気取るのも限界で、激痛にのたうち回りたい俺は、そそくさとメニアルを運び移動した。
遅れてしまい大変すみません。
言い訳にしかなりませんが、ちょっと用事が立て込んだのも事実なんですけど……戦闘シーン難しいです。うーん、とずっと唸っていた気がします。
ブクマありがとうございます!
中々未熟者から脱却できませんが、これからもお付き合い頂ければ嬉しいです!