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眠れる王  作者: 慧瑠
水面下の波
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屋外円卓

遅れてすみません。

「新道君、リーファさんに私達を召喚した魔法陣を見せてもらう事って可能だと思いますか?」


名前を呼ばれて顔を上げると、円卓の対面に座る柿島から資料が回ってきた。

自分が目を通していた資料を一旦置いて、隣に座る秋末から資料を受け取り目を通す。


「頼めば見せてもらえると思うよ」


その資料は、召喚用魔法陣に手を加えた内容を記したもので、手を加える前と加えた後の魔法陣の比較などが記されている。


「んなもん見て、なんかなんのかよ」


「袋津さん達が構築した帰還用の魔法陣のベースが、元は召喚用魔法陣だったみたいなんだ。俺が見ても詳しい所までは分からないかもしれないけど、俺達には橋倉が居るからね。見ていて損は無いはずさ」


「ふーん。なんつーか、幾ら資料見てもサッパリだ」


「実際は俺もちゃんと理解しているわけじゃないよ」


読んでいた資料を机に放り投げて、畑と中満が用意してくれた料理を口にする佐々木。他にも、隣同士で相談しながら、常峰と東郷先生、ギナビア組と安藤以外の皆が円卓を囲んで大量にある資料に目を通している。


これでもセバリアスさんが必要であろうモノとそうでないものを振り分けて俺達に渡しているはずなのに、どんどんまだ確認していない資料の方が多くなっていく一方だ。


玲児(れいじ)玄信(もとのぶ)(しげる)、次はこっちの資料だ」


「へいよ」「うーい」「多いな」


「ふふふっ。頑張りましょうねぇ~」


「「「お任せを!」」」


ふと視線を隣にずらせば、皆傘と十島筆頭の親衛隊四人はこなれた手付きで資料をまとめている。


定期的に個別では見ることはあったけど、こうして揃っている所を見るのは久々かもしれない。なんか、全員では無いけど……これだけ皆が揃うと昔に戻った様に感じてしまう。


こっちに来てから皆、色々と変わっていっている。俺だって、殺める行為にも抵抗は薄くなってしまっているし、親衛隊だって元の世界だったらあんな関係にはなってない。常峰に関しても、こんなに表立った行動をする所を見る事は無かったと思う。


それでも変わらない所も多い。

こうやって集まれば、ただの高校生で一つのクラスで、そんなクラスの一員だった空気を感じられる。


「元の世界が遠い昔のように感じてしまうな」


「おや?新道君、ノスタルジー?」


「そんな所。武宮と江口は感じないかい? こんな風に週五回は集まってたのが普通だったのに、それが随分と昔の事に感じるなぁって」


独り言が聞こえていたようで、隣に座っている武宮がニヤニヤとしながら聞いてきたので、息抜きがてら恋人関係を隠す事をしなくなった二人に聞いてみる事にした。


「僕かい? 僕は、うーん……言われてみればそう思うかな。でも元の世界よりは、恵美との時間を作れるから、今も悪くはないと思ってるよ」


「私もかなー。槌を振ってる時とか、こっちに馴染んできてるな私。とか思っちゃうし、向こうだったら向こうだったで部活とかで時間を取れてないだろうし。こっちの世界も悪くはないかなって思ってる。

新道君の言うように、こうして集まってる所を見てると、確かに懐かしいなって思うよ」


「別にこっちの世界が悪いと言ってるわけじゃないよ。ただ、戻れるなら戻りたいって強く思うだけで」


リーファ姫の好意には驚いたけど、それでも俺は帰りたい。きっと家族が待っていてくれるだろうし、俺は向こうでやりたいことが沢山ある。


帰った所で昔のようには戻れない事ぐらい分かっている。この世界に残る人も居るし、この世界で知ってしまった事も多い。皆が成長していくのは当たり前で、それは元の世界でも同じ。

だからこそ、皆と居る時間を大切にしたい。


「市羽達は元気にやっているんだろうか」


「あの人なら、どこででも生きていけそうだし大丈夫じゃない?」


「市羽さんが居れば――と思ってしまうのは事実だね」


武宮と江口の台詞に納得してしまう。

自他共に認める天才は、こっちの世界でも健在だった。武にしろ、知にしろ、適応も応用も一番市羽が高い。羨ましい程に彼女は天才だ。


俺達だけの評価でなく、ハルベリア王やゼスさんも言っていた。

市羽がギナビアに行ってからレゴリア王だけではなく、ギナビア国という国の動きが少しだけ変わり、その情報も仕入れやすくなっていると。

中立国に最も関与しやすいのはログストア国であり、最もし辛いのはギナビア国だろうと。


リュシオン国は、良くも悪くも聖女という存在が出てきてしまった以上、その影響力が大きい。しかし、ハルベリア王から見た東郷先生の人柄を考慮した結果、それが脅威になることはないと考えている。

ログストア国は俺が居るが、あくまで橋渡しというだけで、言ってしまえば俺は常峰という窓口までの案内だ。


だがギナビア国は違う。市羽は違う。


ハルベリア王曰く、今のギナビア国の舵はレゴリア王とヴァジアという元帥に加えて、市羽が握っている部分があるだろうとの事。


「市羽と常峰、敵に回すならどっちが楽なんだろうな」


「うわー嫌な選択」


「僕的には、敵に回らない常峰君の方が楽かな」


「それは条件が変わっちゃってるよ江口」


でもそうだね。敵に回る心配がない常峰の方が楽かもしれないけど、そう思ってしまっている分……本当に敵に回った時は常峰の方が厄介かもしれない。


「あらあら。面白そうな話をしていますねぇ。私は市羽さんの方が、キングさんより楽だと思いますよぉ。市羽さん――あの方は、目に見える脅威ですもの」


秋末が座っていた方から聞こえてきた声に反応して振り向くと、いつの間にか座っているのが秋末から皆傘に変わっていた。


「目に見える脅威か。確かに、見えている方が心構えができるかもね」


「ふふっ。少ししか上が見えず、根ばかりが深いと、刈り取るのも大変ですからねぇ。ですがまぁ、キングさんが居るので市羽さんも脅威ではありませんかぁ。その逆も同じ。今は、私達の根っこは同じ所にありますからねぇ」


皆傘の言いたいことは分かる。

どちらか片方ではなく、両方が居るからバランスが取れている現状。本音を言えば、俺だと市羽の手綱は握れない。常峰は……そうでもないけど、ここまで常峰の行動を円滑にするのは俺だけだと無理だっただろう。


「まぁ、皆がそれなりに上手くやれてるのは良いことだな」


「んー……それはそうなんですけどぉ」


俺の言葉に皆傘は言葉を濁す。その様子に、話を聞いていた江口と武宮も不思議そうな表情を浮かべて皆傘に視線を向ける。

そして皆傘は、ふふふっと笑みを浮かべながら言った。


「上手くやれすぎている気はしますよねぇ」


基本、皆傘はログストア城には居ない。城下町で花屋を営み、定期的に親衛隊の誰かが情報交換をしに来る程度で、日頃の皆傘の事は全く知らない。

元の世界でも、今と全く変わらずにマイペースな同級生だった。


そんな皆傘から、まさかハルベリア王と同じ言葉が出てくるとは……。


「上手くやれているのが問題なのかい?」


驚いている俺の代わりに江口が問いかけた。それに対し、皆傘は一口紅茶を飲んでから自分のペースを崩さずに返す。


「うふふ、結果が上手くいくのは問題ないですよぉ。それに越した事はありません。こうしてキングさんの元に情報が集まってきているのは、とても良い事だと思います。それもこれも、キングさんの大伯父様方の努力のかいあってでしょう」


「なら何が問題なのさぁ」


ゆったりと勿体ぶる様に喋る皆傘を急かす武宮。それでも皆傘はあらあら。と反応を見せるだけで、ペースは崩れない。


「魔族さん達と人間達は敵対しているはずなのに、あまりにも私達は邪魔をされず、自由に動けすぎだと思いませんかぁ?」


その言葉で、やっぱり皆傘はハルベリア王と同じ疑問と抱いていると確信した。


情報が皆傘にまで行っていないなんて事はないだろう。親衛隊に伝えているし、常峰との念話を時たまにしているんだから、しっかりと共有した上での疑問だ。

魔族の動きは活発化してきている。それは間違いないが、魔族が俺達に接触してきたのは最初だけ……まるで、こちらの戦力確認をする様な接触をしてきた時だけ。


拠点と首都を襲われたギナビア国。

リュシオン国でも、何かを目的とした首都襲撃。

真新しいモノだと、ログストア国の孤島消失。


皆傘の言葉に対して江口が上げた出来事は、どれも魔族が行った事で、俺達の誰かが関わり、対応をしている場面もあるけど……。


「私達を狙ってはきませんよねぇ」


そう。俺達を直接狙ってきては居ない。

現にリュシオン国では、佐々木達を追い詰めていたのにも関わらず撤退をしたと聞いた。


「魔族にとって私達は眼中にないとか?」


「どうでしょうねぇ。警戒をしているからこそ念入りに準備をしている可能性もありますからぁ。どちらでしょう? ふふふ」


武宮の予想も無いとは思わない。だけど、皆傘の言う事も捨てきれない。この事に常峰は気付いているのだろうか……いや、気付いているんだろうけど、それをこの現状をどう思っているんだろうか。


「ふふふっ。でも、そろそろ別の展開があるかもしれませんねぇ。魔王のアーコミアさんが、キングさんと会ったのでしょう?」


「常峰はそう言っていたよ。アーコミア側も驚いていたらしいけどね」


「あらあら。予想外だったのは向こうもだったんですねぇ……だとしても、お互いのトップが探り合いをした以上、物事は否応なしに動いてしまうものですよぉ。ただでさえ魔族さんの方は、活発になってきていますからねぇ」


皆傘の口ぶりは、どこか確信をしているようだ。

何か常峰が皆傘に頼み事をしているのは知っているが、そこから確信が持てる様な事があったんだろうか。


そもそも、俺は皆傘の事をよく知らず、こうして話したのも片手で足りる程度しかない。

なんか、市羽や常峰とは別のベクトルで掴みどころが無いな。


「ふふふ。そう警戒をしなくていいですよぉ。私は、帰る気はありませんけど、皆さんが帰る為のお手伝いはするのでぇ」


「皆傘は帰らないのか」


「ふふっ、最初はどちらでも良かったんですけどねぇ。こちらの世界の方が、晃司が楽しそうなんですよぉ」


「十島が?」


皆傘の言っている事がイマイチ分からず、視線を十島の方へ向けてみると、何故か佐々木に胸ぐらを掴まれていた。


ちょっとまって。どうしてそうなっているんだ。


「テメェ!もういっぺん言ってみろ!!」


「お嬢様が手伝うと言ったから俺は手伝っているだけだ。もっとも、お前等帰還組は、お嬢様の邪魔だからさっさと帰るなら帰って欲しいから、俺だけでも手伝っただろうな。 コレで満足か?」


「ちげぇだろ!その後、テメェは!」


「同郷であろうと、無能が邪魔をするのなら殺す」


「仲間を殺すってのかテメェ」


「無能で邪魔ならな。それがお嬢様の為だ」


一体何があったんだろうか。

いや、その前に、とりあえず二人を鎮めなきゃ。


「あらあら~。本当に晃司は活き活きと楽しそうですねぇ」


「できれば皆傘も止めてくれ」


何一つ楽しそうに見えない二人を前に、皆傘はどこかズレている言葉を口にするもんだから、緊迫しかけていた気持ちが緩んでしまった。

あぁ、でもセバリアスさんが佐々木と十島を見ている。止めなきゃ常峰に何を言われるか……。


他に止めるのを手伝ってくれそうなのを探すけど、ダメだな。誰も関わろうとしない。


大半は佐々木達を一瞥した後に資料へ視線が戻っているし、資料と向き合っていない安賀多達と古河と並木は、暗号解読に集中している。

佐々木の隣に居る田中は笑ってみているし、他の親衛隊の三人は明らかに十島側で佐々木を見ている。


皆傘は……論外。残るは江口と武宮、あとは艮か。


「仲間である人達を殺すなんて、嘘でも言っていいとは思いません」


「嘘ではなく事実だ」


艮もダメだな。佐々木側に立ってしまったから、手伝ってくれとは言えなくなってしまった

ああ、もう悩む時間もない。これ以上時間を掛けると、田中や親衛隊の湯方達も混ざってしまう。とりあえず、江口に十島、艮は武宮に任せて、俺は佐々木か。


少し億劫になりながら席を立って止めに行こうとすると、独特な気配がして俺の動きが止まる。


このタイミングで任せるのは申し訳ないけど、今は俺が出るよりもお前が出た方が効果的だから任せるよ。常峰。


振り返れば空いていた席の後ろに扉が現れ、そこから二人が出てきた。


「常峰君、あの'聖女東郷'というのはやめてくださいね? 恥ずかしいんですから」


「ハハハ、必要な時にしか呼ばないので安心してください。でも、必要な時には使わせてもらうので、一応覚悟だけはしててください……っと、これはどういう状況だ?」


「佐々木君? 十島君も、喧嘩ですか?」


新たに現れた二人の声で佐々木と十島の動きはピタリと止まり、その視線は声の方へを向く。


周囲の様子を伺う常峰と、きょとんとした表情でイマイチ状況が分かっていない東郷先生が現れたことで、二人はバツが悪そうに表情を歪め、佐々木は掴んでいた胸ぐらを離し、十島も歪んた服を整える。


鶴の一声とは違うかもしれないけど、二人の抑制効果は絶大だ。東郷先生は先生として、常峰は、帰るにしても残るにしても、今は敵対するべきではない人物。

やっぱり、俺が出しゃばるより収拾が簡単だよ。


二人の登場で一旦収まった場に一安心をしていると、俺の隣をするするっと抜けて常峰に近付いていく人影が一つ。


そうして常峰の目の前まで移動した皆傘は、ゆるっとした拳を常峰に向けて言った。


「キングさん、晃司と佐々木君に殴り合いをさせてくれませんか?」


「はい?」


「ふふふっ。良くて使うのは肉体強化の魔法のみで、どうせスキルは効きませんよね? 殴り合いですよぉ。しゅっしゅっってやつです」


「は、はぁ……? しゅっしゅっってやつですか」


うん、分かるよ常峰。そりゃあ、首を傾げるよね。俺でも傾げる自信がある。

状況説明も無く、いきなり殴り合いをさせろって言われても、意味不明すぎてわからないさ。ほら、隣りにいる東郷先生ですら目を丸くして、頭の上にクエスチョンが見て取れる。


せっかく収まったのに、皆傘は何を考えているんだろうか。


「十島と佐々木に殴り合いをさせたい理由を聞いても?」


「うふふ、男の子はそうやって仲良くなると読みましたぁ」


「随分と古い青春モノの漫画でも読んだのか」


ヤンキーモノかもしれないよ常峰。いや、違う、そうじゃない。重要なのはそこじゃないよ常峰……そんな理由で殴り合いなんて良くないだろう。


「十島と佐々木はどうしたいんだ?」


「ハンッ!上等! そのくそったれな女依存の根性叩き直してやる」


「短絡思考な獣め。だが、お嬢様が仰るなら是非もない。獣の躾も、付き人の役目だろう」


やる気満々の二人を見て、常峰は酷く眠そうな目をセバリアスさんへと向けた。その視線だけで何かを察したセバリアスさんは頷き、常峰は軽く手を鳴らす。


すると、円卓から見える所に円で囲った柵が現れた。


「よく知らんが、その範囲でやってくれ。皆傘、観戦用の椅子はいるか?」


「あらあら、お願いしてよろしいですかぁ?」


「はいはい」


皆傘の返事を聞いた常峰がもう一度手を鳴らせば、長椅子が数脚用意され、皆傘以外も観戦できるようになってしまった。


「あの常峰君、喧嘩を容認するのは先生として流石に……」


「先生、これは限定された条件下で戦わなければいけなくなった場合の模擬戦です」


「いえ、でもですね? 皆傘さんは殴り合いって」


「喧嘩とは言ってませんよ」


「屁理屈はダメですよ! 先生は認めませんからね!」


「最悪の場合はセバリアスが止める手筈になっています。それでも心配なら、止めずに観戦してみてください。どうしてもの時は、東郷先生が止めていいんで。ただまぁ、東郷先生が思っている様な事ではないと思いますよ」


「ふふふっ。じゃあ行きましょうか、先生」


「え?え?」


やっと状況に追いついた東郷先生だったが、またしても置いてけぼりのまま皆傘に観戦席へと連れて行かれてしまった。


それを見送った常峰は、大きなあくびをしながら空席に腰を下ろし、セバリアスさんがいつの間にか用意していた紅茶を口に一息ついている。

いや、なんでそんなに落ち着いているんだい?常峰。


「あ、新道!」


「何かな?」


「状況説明よろしく」


「君って男は……」


この男、本当に何も知らずに殴り合いを許可したんだね。


あまりにも理解できない展開に、俺は思わず大きな溜め息を漏らしながら、常峰の隣に席を移動をして知っている限りの状況を説明する。

常峰は散乱している資料を適当に手に取り、俺の状況説明を聞き終えると納得したように頷く。


「なるほどな」


「今度は俺に説明をしてほしいね。なんで殴り合いなんか許可したのさ。せっかく、常峰と東郷先生が来たことで収まったって言うのに」


俺の問いに、常峰は資料と机に置いて視線をずらして、互いに向き合い今にも殴り合いを始めそうな佐々木達へと向け言った。


「絶対的に重要な事ではないが、こうなってしまったのならやっておいた方が追々面倒事にならないんだよ」


「もう少し詳しく。俺は止めるべきだと思っているから、納得できなければ東郷先生と止めるつもりだ」


「アレは覚悟のぶつかり合いだ。止めたければ止めていい。話し合いで片が付くのであれば、それがいいが……佐々木の性格の場合は、これが一番手っ取り早くて、皆傘の望みを叶えるなら止めるべきではない」


覚悟のぶつかり合い?

常峰の言っている意味が分からず首を傾げていると、一呼吸置いてから常峰は続けた。


「この世界に残る覚悟と、元の世界に帰る覚悟。残る為に必要な殺す覚悟と、帰る為に最大限に殺さない覚悟。どっちも間違ってないと思うが、どちらにとってもソレは容認できなくて、敵なんだよ」


「それが殴り合いで解決するとは思えないけどね。それに、皆傘の望みがまだ分からないな」


「本人が言っていただろう? 十島に佐々木と仲良くして欲しいんだよ。どういう形であれ、男同士の友情を育ませたいんだろう。十島の友人関係を全て把握しているわけじゃないし、元の世界でもあまり絡みは無かったが、佐々木の言うように皆傘が十島の中心なのは元の世界でも薄々見え隠れしてたからな」


分からないな。別の方法はいくらでもあるのに、それを常峰なら分かっているだろうに、なんで止めなかったのか。


「まぁ見とけよ。俺や新道じゃしないような解決をあの二人はできるのさ」


未だに納得はできないままだけど、常峰には何か分かっている様で、それがどういうモノなのか気になった俺は、少しだけ様子を見てみることにした。

急用が入り、かなり遅れてしまいました。すみません。

最近、地味に予定がズレてしまいます……もう少し余裕を持って行動せねば……。



ブクマ・感想ありがとうございます!

どうぞこれからもよろしくおねがいします!!

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