気疲れ
半魔のラデアを相手に、当たり障りの無さそうな会話をすること数十分。
案の定のネガティブというか、自分をやたら卑下するというか……。心にもない慣れた阿る言動、媚び諂いに混ざるこちら側への嫌悪。
今までの主がどうなのかは知らんが、正直に言って俺はあまり好まない。
そうである事を否定する事はしないけど、ネガティブならネガティブなりに吹っ切れていてくれた方が俺が楽。っても、まだ幾らでもやりようはある。
「突然ですが、ご年齢は」
「二十二です」
「俺より上ですね。ラデアは犯罪奴隷となっていますが、何をしたんですか?」
「……幼少の時に窃盗を。生きるのに大変でしたから」
予めルアールがまとめ、ラフィが確認を終えている資料とラデアの答えを照らし合わせていくが、特に違いはない。
資料と証言の一致はしている……だが、ルアールもラフィも追加報告として虚偽の疑いを記入している。
ギナビア国が用意した資料によれば、三歳の頃に貴族相手の窃盗から奴隷落ちしたようだ。そして現在二十二歳。約十九年間の奴隷生活を行っているわけになるのだが、罪状が窃盗だけで十九年か。
貴族が相手だったからなのか、半魔だったからなのか。どちらにしろ更生期間としては長過ぎるし、そこまでなら処刑でもしちまった方が早いだろう。
普通に耳辺りの良い言葉を吐いても、きっとラデアは素直に聞き入れはしない。何より聞き慣れ、それに裏切られ慣れている可能性すらある。
柿島を呼んで'言霊'を使ってもいいが、今は疲れてるだろうし……俺でなんとかするかな。
「幼少の頃の窃盗で十九年間奴隷生活。一度の過ちで人生を棒に振りましたね」
「私は魔族でもなければ人間でもないですし、戦闘なんてダメダメで、半魔の私らしい生き様です」
へらへらと笑うラデアの言葉は、表現こそ違えど俺の予想通り。半魔という事で、そういう境遇である現実を受け入れ、改善を諦めている。
どうせ'半魔だから'という言葉の長期間に渡る刷り込みで、そういう思考にすらならなくなっているんだろう。
「で、本当はどうして奴隷落ちに?」
「え?」
まぁ、正直どうでもいい。半魔だからの刷り込みを、俺の国にまで割り込ませる気はない。ある程度ラデアがどういうタイプかは把握したし、そろそろ話を進めよう。
「別に辛いとかなら答えなくていいです。こっちでも調べようと思えば可能なので。ただ、そうなると俺が面倒なので答えられるなら答えてください。
一度の窃盗で奴隷落ちした場合、十九年以上の刑罰というのがギナビア国の在り方なら、こっちもこっちで考えないといけない事があるんですよ。ですが、もし別の理由があるのならそれを教えてくれませんかね。半魔ならではの理由があるなら尚更」
「そ、それは…」
「心配事があるなら気にしなくていいですよ。
貴女の隷属権限はラフィが持っていますが、ラフィの主は俺です。俺には貴女の事を知る権利がある」
「我が主……」
「だから本当の事を教えてくれませんかね」
いつの間にか戻ってきていて、どこか感銘を受けた様に声を漏らしているラフィを無視して俺がそう言うと、ラデアはそれなら…と資料には書いていない事を喋り始めた。
「私は生まれた時から孤児院で育ちました。
母が魔族で父が人間です。父は母に殺され、母は私を産んだ数日後に人間に殺されたそうです。その時に私を保護した人が孤児院に送ったそうです――」
語り慣れた様に話される不幸。
俺が聞いていないココに来るまでの経緯も一から順にしっかりと。慣れたようにではなく、実際に慣れているんだろう。
こういう類の話を好む人種も居る。笑い飛ばしてやるのではなく、ただ優越感を得るためだけに好む者達が。
ラデアが暮らしていた孤児院というのも、蓋を開ければそういう人種が建てた場所だったようで、ラデアは嵌められた。
三歳の時、援助を持ってきた貴族の馬車から荷物を降ろしてしてしまった。それも孤児院の院長に頼まれて。それに対して貴族側は腹を立て、窃盗の罪でラデアを奴隷落ちさせる手順を踏んだ。
子供の間違い。院長と貴族間でのやり取りミス……なんてことはない。
時折居なくなった子供の話や、ラデアの奴隷権限を持ったその貴族の話を聞けば予想するのは簡単なもんだ。
ただただ院長と貴族がグルだった。そもそもが、孤児院自体が奴隷育成施設だった。それだけの事。
援助費は善意ではなく、孤児の購入費。それだけの事だ。
そこからは物として扱われ、日が経てば物の様に隷属権限の貸し借りが行われる。裕福な人間から、見世物扱いにするために奴隷にラデアの権限を与えたりなど様々。
死ぬことは許されず、ラデア本人のそういう思考は消えたか、する余裕など無かったか。
境遇の割に小綺麗なのは、ギナビア軍に保護されてからはそれなりの対応をされていたと考えるべきか、それとも次の売買で高値を付けられる様にしただけか。
「ラフィ、畑は何してる」
「現在は食堂にて中満様と共に食事をされているかと」
「同じ物でもいいから、少し飯を頼んできてくれないか?できるだけ早く」
「かしこまりました」
そう頼めば、数分の内にラフィは食事をカートに乗せて戻ってくる。俺はカートからラデアの前にその食事を並べ、何も聞かずに食べる様にだけ告げた。
「美味しいですか?」
一口食べると、驚いた様に目を見開いて次々と口の中へと運ぶラデア。俺の言葉も届いていないようで、返答をしないラフィは何か言いたげだったが、食べ終わるのを待つ。
全てを食べ終わり、舐めて皿を綺麗にしようとするラデアを止め、話を進める。
「美味しかったですか?」
「生きてきた中で一番でした。わ、私は何をさせられるのでしょうか……。こんな食事に見合う事なんて、私には想像もつきません」
そう言いながら、深々と頭を下げ、そのまま床に座り直そうとするラデアを俺は止める。
「資料とラフィが聞いた所によれば多少の裁縫ができるとか」
「布の穴埋めぐらいです。裁縫なんて大層なものではないです」
俺は穴埋めすらできないです。針に糸を通して絡まったり、なんか玉結びの所が抜けてこないで縫えるだけで裁縫だと思います。なんて言った所で、堂々巡りが始まりそうだから言わないでおこう。
それに裁縫の知識が少しでもあるなら、後は向こうで覚えてもらえばいい。
「ラデアのこれからの為の問いです。偽り無く答えてくださいね」
「はい」
最後の確認で問題なければ、アラクネの店に決定だな。
「魔物の事をどう思いますか」
「ま、魔物……ですかね」
「言葉を話して意思疎通ができる魔物の事をどう思いますか」
「魔物……ですかね?」
「会話ができる相手をどう思いますか」
「……怖いです」
んー。現状で接客は無理そうだな。だけど、意思疎通の相手が魔物であれば……。
「では、会話のできる魔物を怖いと思いますか?」
「わ、わかりません。怖いですけど、魔物、ですよね?」
「魔物です」
「わかりません……すみません!すみません!!」
必死にすみません。を連呼し始めたラデアを落ち着かせている間に、ある程度の考えをまとめていく。
おそらくだが、魔物に対しての恐怖心が無い。見世物にされた過程で、魔物のワードも出てきたのだが、それよりもラデアに恐怖を与えたのは見ている者達だ。
先にも後にもラデアは自分の飼い主に一番の恐怖心を抱いている。俺に変わってラフィが落ち着かせようとすると、一層怯えて見せているのを証拠としていいだろう。
「ラデアにやってもらう事が決まりました」
「は、はい…」
少し呼吸は荒いものの、俺の言葉を聞けるぐらいになったラデアは、怯えの抜けない目で俺を見る。
「ラデアには、アラクネという魔物が営む予定の店の店員をしてもらいます。接客などは最初はしなくていいので、商品作製をアラクネと共にしてください。
給金の方は衣食住の提供。状況が変われば現金での給金に変更はしますが、今は現物支給になります。
隷属期間に関しては、目安は一年。アラクネの評価などでは、前後すると思ってください」
「え、え?あの、私は半魔で――」
「申し訳ないですが、貴女に半魔としての価値はありません。現在はただの奴隷であり、一年後には貴女は自由です。
この国の国民として居るのであれば、貴女は国民であり、他国へ移住したいのであれば、そうしてくれて構いません」
驚き、何かを言おうとするラデアの言葉を遮り俺は続け、一通り言い終えると、きょとん顔のラデアはオロオロとし始める。
「バタバタとしていますが、これからアラクネとの顔合わせをしてもらいます。えーっと、シーキーは現地に居るだろうし、ラフィたの「入ったぞ、夜継」――いいタイミングだメニアル」
俺がラフィに案内を頼もうとした瞬間、乱暴に扉を開けて上機嫌なメニアルが入ってきた。
「ほぉ、フラウエースを見に来たが、其奴は半魔か! 弱々しい魔力に、闘争心の欠片もない。戦闘には向かんなぁ!ッハッハッハ!!」
ラデアを数秒観察したメニアルは、それはもうご機嫌に笑いながらラデアの肩をポンポンと叩いている。
なんでコイツはこんなに上機嫌なんだよ。魔族の皆にも覚えてもらう為としては、ラフィよりメニアルの方が良いと思ったが……大丈夫だよな?
「フラウエースなら、もう下の階層に案内した。その半魔はラデアって言って、アラクネの所で働く予定だ。案内頼めるか?」
「よかろう! 今の我は機嫌が良い!」
大して機嫌が良くなくても聞いてくれるだろうに、本当上機嫌だな。
「なんでそんな機嫌良さげなんだ」
「よくぞ聞いてくれた!!むしろ聞かぬなら我から言っていた所だ!」
更に声がでかくなったメニアルを見て、俺は一瞬やっちまったかな?と思ったが、まぁ話は簡単なもんだった。
なんでもゴブ君がメニアルの攻撃を一撃防いだらしい。
それだけ?と思うし、ゴブ君は今日まで安静だったんじゃとも思うが、メニアルの語りが熱すぎてそんなセリフは言えない。
「ほんに軽い一振りであったのには違いない。しかしじゃ、アヤツめ防ぎおった!しっかりと目で追い、次の手に移れる様に完璧にじゃ!」
ということらしい。
あまりにも嬉しそうに語るもんで、ラフィやラデアも唖然としている。だがなんだろうな、メニアルの嬉しい気持ちが俺も少し分かる。
「まだまだゴブ君は強くなれそうか?」
「もちろんだ。ゆくゆくは、我すらも超えるかもしれんなぁ!」
「そいつぁ嬉しいな」
「あぁ、実に良いものだ。弟子の成長がコレほどに機嫌の良いモノだとは思わなんだ。父母が我に教えておったとき、一喜一憂しておった理由を知れた気分じゃ!
さて、ラデアといったか、我が案内をしてやろう。ついて来るがよい」
「は、はい!」
嵐のようなメニアルに、ラデアは言われるがままに連れて行かれてしまった。
もう少し話しておくこともあったんだが、まぁいいだろう。
「お疲れ様でした」
静かになった部屋で、ラフィが新しい紅茶を淹れてくれる。
「最後は別の意味で疲れたが、奴隷だのなんだのと口にするのも良い気はしないな。ラデアの境遇も、同情はしちゃいかんだろうが、不快だ」
「初代の頃の奴隷は、皆があの様な感じでした」
「今でも改善されたほうか……」
馴染みの無い習慣に慣れるのは何時頃になるだろうか。
奴隷制度廃止を口にしようとは思わないが、ある程度の待遇改善ぐらいはしようか……と思う程度には不快だと感じてしまった。
「他の皆はどんな感じだ?」
「天空街の宿舎に案内した所、一人一部屋だという事に驚いていました」
「高待遇なのか」
「恐縮ながら、少々やりすぎではあるかと思います。共同生活は共同生活でも、大部屋でも良かったかと」
用意する事に大した問題が無いから、考える事を放棄しちまってたかもな。他に考える事が多すぎて、ちょっとした綻びを見落としがちになっている。
「今後があればそうするか……今回の人達には頑張ってお手本になってもらおう。
色々と教え込んで欲しい。次に似たような事があった場合、お手本となるように、それを見て高待遇を目指す様に。
俺の理想までの教育は大変だと思うが……頼めるか?」
「我が王がお望みとあらば。お任せください」
「頼む。ただ、無理をさせて潰すな。厳しくするなとは言わんが、しすぎずに、時間を掛けていいから、次は当人達が教えてあげられる様に教えてやってくれ」
「心得ております」
本当、ダンジョンの皆は心強いな。
教育なんて俺にはできない。こうしてラフィ達が居てくれるから、こんな頼みごともできる。
あー、ねみぃ。
面倒な事も、余計な事も考えずに眠りたい。さらっと一週間ぐらいは寝潰したい。
その為にある程度の問題は解決出来るようにしなければ。何よりも、帰還方法の有無だけはハッキリさせておきたい。
無ければ、それは本当にできないのかの確認までは済ませておきたい。これはクラスメイト達との約束だ。
「この後はいかがなさいますか?」
「上の城の方で少し考え事をする。ラフィはリピアさんと打ち合わせに戻っていいぞ」
「かしこまりました。何かあればお呼びください、すぐに参ります」
部屋を出ていくラフィを見送り、俺も城の方へ移動すると、以前に皆でパーティーしたフロアにポツンとある椅子に腰を下ろし、俺は目を閉じて考えを深めていく。
依然として帰還方法については有益な情報はない。強いて言えば、岸達が見つけたという資料がソレになるかもしれないぐらいだ。
それに、そこに爺の名前が出てきたのならば、尚の事俺の興味を惹く。
白玉さんの話や、岸達の報告を聞く限り、爺がこの世界にいた可能性は高い。
なら、本当に爺がこの世界に来ていたとして、爺は前の世界に戻ろうとするだろうか……いや、しないだろうな。
俺達とは違って爺は元の世界で死んでいる。どういう経緯でこの世界の居たのかは知らないが、笑顔で逝った爺が元の世界に戻ろうとは考えないだろう。
何せカッコつけだ。実は生きてました―!が、爺の好むカッコイイだとは思えん。
しかしだ。爺は俺に向けて言葉を残していた。加えて、帰還方法の模索までしていた。
ただ予想してか?
不確定すぎる。
ならどうしてだ?
爺は不確定要素を楽しみはするが、起こりうる不確定要素を不確定のまま放置しない。間違いなく爺は俺より頭は回る。
俺が来る可能性を爺は知っていた?だから帰還方法の模索をしたのか?それとも、模索しようと思った理由が別にある。
だったら爺はどこまで見通していた?
俺がこっちへ来る事は確実だろう。じゃなければ俺への言葉は残さない。しかし、時期が分からなかったから白玉さんの先祖に頼んでいた。
そして俺が来た場合は、帰還方法を探す事と、どうにかして白玉さんへたどり着くであろう事までは見通していた。
クラスメイトの事は?
これだ。爺はこれを予想できていたのだろうか。
何故俺が来るだろうと予想できたのかが分からない。考えられる可能性としては、ログストア国が使っている異界者の召喚魔法について、何かしらの解析が済んでいる場合。
もしくは、それ自体が爺の用意したモノだった場合。
最悪だな。後者だった場合、巻き込んでしまった形になる……が、爺が用意したって可能性は低い。
エリヴィラ、チェスター、袋津の三人が召喚された後に爺は出てきた様な事を岸は言っていた。つまり、その前に聖女と初代は確実に召喚されている。
……。ダメだな。情報がなさ過ぎる。
どれに関しても足りていない。それに、爺の事に考えが引っ張られそうになっているな。
岸かセバリアスが戻り次第、岸達が集めた情報に目を通せば少しはまとまるだろう。
かもしれないに囚われすぎて、目的を見失うわけにはいかん。
「大丈夫だ。足りていないが、全く無いわけじゃない。焦ってもしゃーない」
どうしても逸ってしまう気持ちを言い聞かせる様に呟き、深めの呼吸をしていると、念話が繋がれた。
《常峰君、今大丈夫ですか?》
《なんか久しぶりですね東郷先生。大丈夫ですよ、どうかしましたか?》
リュシオン国の定期報告は基本的に東郷先生以外の誰かだから、その声に懐かしみを感じていた俺は、次の東郷先生の言葉でそんな気持ちが消え去った。
《常峰君に相談したい事があるんです。なので、一週間後ぐらいにコニュアちゃんと一緒にそっちに戻ろうと思うんです》
……ん?誰と一緒に?
コニュアちゃん?リュシオン国のコニュアちゃんって、コニュア皇女の事しか思い浮かばないんだけど……。
《すみません東郷先生、確認なんですが……誰と一緒にですか?》
《コニュアちゃんです》
《皇女の?》
《はい。皇女のコニュアちゃんです》
《そうですか。皇女のコニュアちゃんですか》
無理でしょ。
大丈夫か大丈夫じゃないかって、俺側の問題なの?リュシオン国側はOKサインだしたの?皇女が他国へ意味も無く行くことに。
いや、待て。もしかしたら何か理由があるのかもしれない。相談とか言ってたじゃないか。
《相談なら念話でも大丈夫ですよ? それとも、こっちに来なきゃいけない用事があるんですか?》
《多分見てもらった方が分かりやすいと思います》
《それほどの事ですか。まぁ、俺の方は別に構わないんですが、リュシオン国の方々が良く許しましたね》
ハハハ。と笑いながら告げた言葉に返ってきたのは、俺が考えないように浮かんだ瞬間ぶん投げた言葉だった。
《いえ、誰にも知らせずにこっそり行きます》
ダメです。
重役も重役が、内々でも無くこっそりはダメです。それがバレた時にどういう意味になるか、分からない東郷先生でもないはずなのに……。
何を相談する気だ。念話じゃ言いたくない様な雰囲気を出しているし……。鴻ノ森達が懸念していた雰囲気はコレだろうなぁ。
うわぁ、マジでどうしよう。
《どうしても内緒で来ないと行けないですか?》
《上手い言い訳が見つからないんです。だから、強硬手段を取ろうと思って……》
強硬手段ねぇ……東郷先生がそれだけ無理をしようと思った理由は気になるな。
《コニュア皇女がこちらへ来る理由を作れば、普通に来れますか?》
《理由があるんですか?》
ありません。ありませんが、作る事はできる。
俺は少し頭を回転させて、コニュア皇女が来れそうな口実を探していく。それっぽい理由で、それらしい事で。
《ちなみに、コニュア皇女が来るには、誰の許可がいりますか?》
《おそらくポルセレルさんが大丈夫だと言えば、大丈夫だと思います》
ポルセレル?あぁ、リュシオンの皇帝か。安賀多が嫌ってるイメージぐらいしか分からんが、皇帝からさえ許可が出れば来れると。
最後にコニュア皇女がリュシオン国から出たのは、俺達のお披露目の時。それもかなりの護衛付き。コニュア皇女だけだと許可は出ないだろう。
まぁ、それぐらいなら適当に理由付けはできるか。
《わかりました。こっちへ来る時に護衛がどれだけ居てもコニュア皇女と東郷先生、俺の三人だけで話す場は作るので、ポルセレル皇帝に東郷先生からお伝え下さい――》
即興で考えた理由を東郷先生に告げ、東郷先生からお礼を言われ念話切った。同時に、大きなため息が漏れる。
「ふぅーーーー」
落ち着く暇は、もう少し無さそうだな。
少し遅いですが、次から新しい章にしようかな?と思っています。
章題とか、変わらずあまり意味のないモノになるかも知れません。
誤字脱字報告助かります。
未だ多々あるようで、申し訳ありません。
ブクマ・評価ありがとうございます!
少しでもお楽しみ頂けるようがんばります!!