一方その頃:常峰の知らない事情
ギナビア国中央都市ギナビア城 個室。
応接や密談の際にも使われる部屋に、市羽とレゴリアが向かい合う様に座り視線を交わしていた。
「そろそろ呼び出された理由を聞いてもいいかしら」
人払いを済ませる前に用意された紅茶に口をつけながら、市羽は予想できている言葉を吐かせる為に会話を始めるよう催促する。
「先程、ペニュサとヒューシから報告が来た。お前の予想ではどうなったと思う」
「どうもこうもないわ。話の擦り合わせをして、ひとまずの提携は結べた……それ以外の結果があるのかしら?」
会話の切り出しとして投げかけられた問いに、飄々とした笑みで答える市羽。そんな態度の市羽を見てレゴリアは口を開く。
「お前が俺に言ったように、大地の爪痕からダンジョンの改善案がかなり出たらしい。二日後に大地の爪痕の連中がもう一度ダンジョンを視察に行くそうだ」
「そうでしょうね。眠王はダンジョンマスターであっても、冒険者ではないわ。経験や知識に関しては、現場の者が一番良く知っているもの」
「あぁ、お前の言った通り熟練者に視察を依頼して正解だったようだ」
「随分と私の提案である事を強調するわね。何がいいたいのかしら」
探られている事も、何をレゴリアが知りたいかも既に答えを見つけている市羽は、何時も通りの態度を崩さずレゴリアを見る。
対するレゴリアも市羽を観察し、自分の行動に意味が無い事を理解して大きなため息の後に言葉を続けた。
「探り合いすら成立させる気はねぇか……。なら単刀直入に聞くが、わざわざギルドを通させた理由はなんだ。お前等の目的は」
話の流れでも分かる通り、大地の爪痕へレゴリアが視察の依頼をした理由は市羽にある。
ギナビア城への出入りが多く、最近では訓練兵達と模擬戦をする事もある市羽は、兵士達の噂から空軍が中立国へ行く事を聞いた。
それを知った日に常峰に確認を取った市羽はレゴリアに謁見を取り付け、ダンジョンの視察はギルドを通したほうが良いと案を出したのだ。
そうする事の理由を並べ、同席していたルコやカジェラなどの陸軍隊長を納得させ、最終的にはレゴリアも納得させた。
だが、レゴリアは市羽に別の思惑があることに気づいていた。しかしそれが何かは分からないまま日は進み、本日市羽を呼び出すまでに至る。
「そうね……目的は無いわ。でもそうね、眠王の為になると思って私が動いたのは確かよ」
「眠王の為だと?」
「不思議な問いね。私は中立国の人間で、眠王から遣わされた全権大使よ? 国を思い、彼の為を思って何かおかしい事があるかしら」
「はぁ……眠王め、随分と厄介な狂犬を飼ってるもんだ。それで、お前が眠王の為を思った行動の目的はなんだ。焦らさねぇで教えろ」
少し乱暴に紅茶を一気に飲み干したレゴリアは、前かがみになっていた姿勢から背もたれに寄りかかり、諦めた様な視線を市羽にぶつける。
市羽は市羽で、人に教えてもらう態度かしら?と笑みで嫌味を付け加えながら口を開く。
「ふふっ、ギルドよ」
「ギルドとのパイプか」
「いいえ。このタイミングなら、大地の爪痕という私からのプレゼントを眠王はきっと逃さないわ。中立国にギルドを建てようとするはずよ」
「残念ながらそいつあぁ無理だな。あそこには魔族が多すぎる」
「それは冒険者ギルドの話でしょう? 色々と問題があったとは言え、ギナビア国は中立国に何かしらの価値を見出したから眠王の提案を飲んだのではなくて?
空軍の将軍まで送り、更には訓練兵を後日送る予定まで立てて」
「知っていたのか」
「知っているも何も、中立国への遠征予定がある。と訓練兵達の間では話題よ。
教官の方に頼まれて模擬戦をした時なんて、私は勇者で中立国の人間だから、どういう所か聞かれたりもするの。
そもそも中立国は魔族の国ではないわ。私達の国よ。加えて、そこまで中立国に信頼を寄せている大国があるのに、ギルドは魔族云々で否定をするのかしら?できるのかしら?……それとも、魔族の話をギナビア国が前に出して、今回の話を白紙にでもする?
そういう事なら、私は眠王にどうするか相談しないといけないわね」
何か返す言葉があるのならどうぞ。と言わんばかりに言葉をピタリと止め、残っていた紅茶で喉を潤す市羽。
その様子を一瞥したレゴリアは、天井を見上げて目頭を押さえる。
今の言葉でレゴリアは察していた。
どういう経緯であれ、空軍の者達もギルドの者が今回の件に協力してくれた事を当然知っている。それは、ギルド側がギナビア国の意向を否定はしていない結果となってしまっている。
その協力者は、冒険者ギルド……ひいては、ギルド組合連合としても評価されている大地の爪痕のマスターだ。
仮にギルド建設を否定するのであれば、ギルド側が拒否をすればいい。すればいいのだが、ギナビア国が中立国という存在を容認して、その価値を見出し、財政にも関わる会談を行ってしまっている。
魔族の多い国ではあるが、魔族の国ではない事をギナビア国が証明している。
このタイミングでなければギナビア国は干渉をせずに、ギルドに丸投げする手順も踏めただろうが……ギナビア国の会談にギルドを関わらせてしまったのが仇となった。
もしギルド建設をギナビア国が否定すれば、何故?と疑問を持たれ、ログストア国やリュシオン国にも話が行くだろう。その時、ニ大国が建設に賛同しようものならギナビア国はダンジョン提携を結んでしまっている以上、資源独占の意思があったと敵視される。
沈黙で通しても同じこと。あの国は中立国で、三大国が認め与えた国なのだ。
だからと言ってダンジョン提携を白紙にすると言うのはできない。既に中立国への遠征の話は広まっているし、常峰が提案していた事はギナビア国にとってもプラスである事には違いないのだ。
それに、どうせログストア国は眠王に協力する事になるだろう。と考え、ギルドの建設もダンジョンの存在を公にするのも、ギナビア国でなければいけない理由はない事をレゴリアは重々承知していた。
つまりギルド建設の話が出た場合、ギナビア国は協力しなければ損になる。
「だが冒険者ギルドは首を縦に振りづらい……となれば商業ギルド。中立国の価値はギナビア国のお墨付き。
はん! ハメやがったか」
「さぁ? それをするのは私じゃないわ。私が手を貸さなくても、どこかで彼は私達に頼んで似たような状況にしたでしょうね。
それに私達には私達の目的が存在しているのは知っているでしょう? ギルド建設に関してタイミングが良くても、別の方に掛かりっきりになってしまっているなら、今回は流すはずよ」
「どうだかな。ギナビア国を利用できる絶好の機会をヤツが見逃すとは思えねぇ。お前だって、そう考えたから動いたんだろ」
「……。どうかしらね。話は終わり? なら、私は私でしたい事があるのだけれど」
空になったティーカップをそっと置いた市羽は、レゴリアの返答を聞く前に扉の方へと歩き始めた。それをレゴリアは止めようとしない。
すると、扉を開けかけた市羽が手を止めて振り返り、振り返った市羽を不思議そうに見ていたレゴリアに告げた。
「私、あまり'お前'って言われるのは好きじゃないの。特に私を理解できない人に言われるのは」
その言葉を聞いて一瞬だけキョトンとした顔を見せたレゴリアは、大きな笑い声を上げて市羽に言う。
「ハッハッハッハッ!!貴様にも、そういう感性があったか!」
「そうね。そっちの方が、まだ他人行儀で好ましいわ」
何時も通り。変わらぬ笑みで言い切る市羽にレゴリアは、ぬかせ。と心の中で呟きながら手で払う様にして出ていく様に見せつけ、市羽もそれ以上は何も言うこと無く部屋を出ていった。
レゴリアとの密会の後、日頃は訓練兵の宿舎や軍の駐屯所に寝泊まりをしている市羽はスラム街へと足を進めていた。
目的地である漆の屋敷までは少し時間があり、その間に常峰に念話を繋ぐことに。
《んぁぃ》
《眠そうね。邪魔しちゃったかしら?》
《現にさっきまで寝落ちしてて、ちょいボーッとしてる。会議してた場所で寝てたはずなのに、何故か寝室にいるんだよなぁ。
まぁ、今から風呂だから大丈夫だ。なんかあったか?》
《大した用じゃないわ。たまには漆さん達の屋敷に戻ろうと思って、移動中の暇つぶしよ》
《そうか。そういや、市羽は滅多に屋敷に帰らないんだっけか》
《ギナビア城付近で点々としてるわね。セジュさんの宿にもお世話になったりするわ》
屋敷に着くまでの時間、他愛ない世間話をしていると、常峰が何か思い出したようにあっと声を漏らした。
《どうしたの?》
《もしかしたらギルドを国内に建てるかもしれんのだが、その時にレゴリア王の協力を煽れる様にしとかねぇとなぁって思ってな》
《あぁ、その事なら大丈夫よ。多分そうなるでしょうと思って、少しレゴリア王には話を通しておいたわ》
《まじか。優秀すぎるってか、助かるんだが……もしかしてクランマスターってギルドの重役を引っ張り出してくれたの市羽か?》
《お節介過ぎたかしら》
《いやいや、ギルドの件はログストアのハルベリア王に頼もうと思ってたからな。過程をすっ飛ばせて助かった。
このタイミングなら、レゴリア王も断るに断りづらかろう》
常峰の言葉を聞いて、市羽はふふっと柔らかい笑みを浮かべて足を進めていく。
その姿はすれ違う人の視線を時折奪うほどに、完成されている。だが、他人の視線なんて市羽にとってはどうでもいい。
気づいていても気にする事はなく、そのまま常峰と念話を続ける。
《そういえば、市羽はペニュサ将軍を知ってるか?》
《何度か話した事はあるけれど……どうかしたの?》
《んぁー、ちょっと今後交渉する際に情報があった方が良いかもと思ってな。外見予想だが、かなり若いのに将軍って地位にも就いてるし、手札は多い方が何かと安心するんだ》
悩んだような声で伝えてくる常峰に合わせて、市羽もペニュサ将軍について少しだけ考えてみるが、それほど詳しい事は知らない。
確かに常峰の言う通りペニュサ将軍は若いというのも分かる。
しかし、空軍の訓練を一度だけ参加した事のある市羽は、ペニュサ将軍の実力をある程度知っているからこそ、総合的に考えてその地位がおかしいとは思わない。
《将軍の地位に就いているのに、何か裏があると考えているのかしら》
《んにゃ、ギナビアの国柄やレゴリア王の性格からして、実力が無い奴に将軍の地位までは与えないだろう。
俺も少し話したし、それなりに頭もキレる人だとは思う》
《王様が何を知ったかは知らないけれど、少し調べてみましょうか? その口ぶりからして、調べている事は知られない方が良いのかしら?》
《できるか?》
《期待してくれるなら応えるわ》
《頼もしい限りだ》
そんな会話をしていると、レゴリア王へ感じていた苛立ちも何処かへ消えている事に気付く。そしてふと思った。
《ねぇ、常峰君》
《ん?》
《'お前'って私を呼んでみてくれないかしら》
《は?あー……お前は、いきなり何を言ってんだ?》
《ふふっ。いいえ、ちょっとした興味本位よ。そう言われるのも悪い気はしないわね》
市羽も今のやり取りの意味は特に分かってない。ただ、何となくそう思っただけなのだ。
もう屋敷は見え、数分もしない内に辿り着くだろう。
そろそろ、念話を終えようと市羽が伝えると、常峰の風呂に行くと念話を切ろうとした。
《あ、市羽、彩の事ちょっと頼むわ》
意味深な言葉を残して。
「ごめんなさい王様。そっちの期待には応えられるか分からないわ」
一抹の不安を抱え、誰にも届く事のない呟きをこぼして市羽は屋敷の敷居をまたいだ。
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場所は代わりログストア国。ログストア城 異界の者達用に用意された客室の一室で、安藤が恋仲となったモクナと共に食事をしていた。
「駆さん、今夜の食事はどうでしょう……?」
「バランスもいいし、かなり美味い」
「駆さんは料理をしたりは」
「ササミを茹でたりぐらいはできるけど、モクナみたいにはできないな」
「良かったら、いつか……一緒に料理をしませんか?」
「教えてくれるか?」
「もちろんです」
「ふっ。それは、楽しみだ」
はたから見れば、ほわほわ~っとした空間が出来上がっている。だが、安藤の心は少し寂しいモノで埋められていた。
それが何かなのかは、安藤にも分かっていない。それでもモクナが頻繁に口にする'いつか'という言葉が、嬉しいはずの提案が寂しい言葉に感じてしまう。
「駆さん」
「どうした?」
食器の音で消えそうなほどの小さな声が、安藤にはしっかりと聞こえた。
「……無理をしていませんか? 助けてと縋った身で言うのもおかしい話しですが、私の為に駆さんまで無理をする必要は無いんですよ」
「していないって言えば嘘になる。俺は頭もそんなに良くないし、気も利くほうじゃない。いつもは常峰に相談できたから、ここまで自分が不安を覚えるとは思わなかった」
「でしたら――」
少し大きな声を発したモクナが言葉を続けられない様に安藤は言葉を被せて続ける。
「それでも悪い気はしない。俺は常峰とモクナには嘘を付きたくはない。無理をするなら、モクナの為に無理をしたい」
「ッ……魅了の影響が、きっとまだ残っているようですね」
安藤の言葉に涙を浮かべ、頬を少しだけ紅く染めるモクナが冗談混じりに告げると、自分の言った言葉を思い返した安藤も無性に恥ずかしくなり顔を俯かせた。
数秒の沈黙が、頬を染める二人を包む。
そして先にモクナが、止まっていた安藤の手にそっと自分の手を被せて決心した様に伝える。
「常峰様にはお伝えしましょう。これ以上、駆さんに辛い思いはしてほしくありません」
対する安藤は重ねられた手を引いて、ぎこちない動作で今度は安藤がモクナの手に被せて包み込み答えた。
「それはモクナの望みじゃない。それと、なんつーか、俺の望みでもない……。モクナの事は、俺がしてやりたいんだ。
常峰に話せば、きっと打開策なのか解決策なのかを考えてはくれるだろうけど、それじゃ意味がない。アイツが提示する最善策が、俺にとって、モクナにとっての最良の過程と結果にはならない。
俺がモクナを手伝ってやりたいんだ。それが、常峰の迷惑になっても」
「でも、常峰様に嘘は付きたくないのではありませんか?」
「嘘はつかない。だが本当の事も言わない。それでもアイツは察するだろうし、俺もそう信じている。だから大丈夫だ」
真剣な目で見つけてくる安藤に、モクナは優しい笑みを返しながら重ねられていた手に指を絡め、ほんの少しだけ力を入れる。
「常峰様と駆さんの仲が少しだけ羨ましい」
「これからそうなればいい。アイツが羨む様な関係に」
安藤もしっかりと離れない様に力を入れて絡まるモクナの指を繋ぎ止める。
そうして、今度は当人達もそう感じるほどにほわほわ~とした空間が出来がり、ゆっくりと時間が流れていく。
……のだが、それをタタタッ!と軽い足音と、その音を追いかける声が割り込んできた。
見つめ合っていた安藤とモクナは、その音にハッとして気恥ずかしさを覚えながらも何事かと思っていると、軽い足音は安藤の部屋の前で止まり、次の瞬間には勢いよく扉が開かれた。
「あんどー!」
「ち、チーア様、流石に今夜はもう遅いのでおやすみに、はぁ、はぁ」
元気に現れた小さな乱入者と、息を切らしている乱入者の専属メイドの姿に、安藤とモクナは慌てて手を離し、何事もなかったかのようにチーアとウィニを部屋に迎え入れる。
「ウィニ?」
何事もなかったかのように……とは言ったものの、モクナがウィニを呼ぶ声は少し低くなっている。その声とほわほわ~空間の名残で色々と察したウィニは、息を整え、冷や汗を感じながら深々と頭を下げた。
「申し訳ございません。チーア様が、どうしても安藤様にご用事があるとの事で……その、止めはしたのですが……」
「俺に?一体、どうした」
ウィニの謝罪を聞いていた安藤は、目の前で腰に手を置いてえっへんポーズのチーアの前にしゃがみ、視線を合わせた。
ログストア城に泊まる様になってから、色々と使用人の手伝いをしたりもする安藤は、当然チーアに見つかり、こうしてたまに相手をする事もあってからか、対応に少しだけ慣れを見せ始めている。
「やつぐと、おはなしをさせなさい!おじょーさまのごめいれいです!」
大体予想はできていた言葉だったが、いつもの様な頼み方じゃないチーアの態度に安藤は目を丸くする。
日頃は、適当に理由を付けて断っているのだが、今日のチーアは一味違った。
「おじょーさまのめいれいは、ぜったいなのですよ!!」
と、何故か自信満々。
流石にチーアの態度の違いをモクナも不思議に思い、視線をウィニへと向けると、ウィニは苦笑いを浮かべながら一冊の本を二人に見せる。
安藤はその本が何かなのか分からなかったが、モクナはその本の内容を知っていた。
高飛車なお嬢様が恋をするお話。
始めはその性格のまま、意中の相手に迫るのだが、自由気ままな相手は気にも止めずに世界を点々とする。
帰ってきては、箱入り娘のお嬢様に世界の話しをして、またフラッと居なくなってを繰り返すのだが……ある日、お嬢様は意中の相手に何時ものように言うのだ。
私に外の世界を見せなさい。これは私の命令ですよ。
そしたら何時もはヘラヘラとして躱す相手が、初めてお嬢様の手を取って外の世界へと連れ出していく。
そんなお話。
きっと寝る前の読み聞かせにでもウィニがその本を選び、うとうととしながら聞いていたチーアは、その部分だけをハッキリと聞いて感化されてしまったのだろう。とモクナは察した。
「あんどー、やつぐとおはなし……」
えっへんと胸を張っていたチーアは、いつまでも安藤が反応しない事に落ち込み始め、どんどん声は小さくなり始める。
そうなれば、このタイミングで断っていいものかと安藤はまた悩む。
その様子を見ていたモクナは、ふふっとアワアワしている安藤に笑みを浮かべながらチーアを抱き上げた。
「常峰様も今はお休みになられています。チーア様も、もうお休みの時間です」
「でも、おじょーさまだもん……」
「お嬢様は、おやすみの時はしっかりとおやすみになられるのですよ?」
「そーなの?」
モクナの言葉を聞いたチーアは、モクナの腕からウィニの腕に抱き直されながら聞く。
「そうですよ。なので、今はしっかりとおやすみしましょう」
「はぃ……でも、やつぐ……」
「あーっと、明日常峰に時間は作るように言うから、チーアちゃんは今は寝ていいぞ」
「ほんと!!」
「あぁ」
目をキラキラ輝かせるチーアに、無責任な提案しちまったなぁ…と心の中で呟きながら安藤は頷き返した。
すると、チーアは満足したようにウィニに早く部屋に戻る様にと急かして部屋を出ていく。急かされながらもウィニは軽く礼をしてから部屋を出ていき、途端に部屋は静かになった。
「大丈夫なのですか?あんな約束をしてしまって」
「まぁ、常峰には何か言われっかもなぁ」
苦笑いの安藤にクスクスと笑うモクナ。そんなモクナに、安藤も釣られて笑いながら、二人は食事を再開した。
遅くなりすみません。
ちょっと、不注意でアレルギーの物を食べてしまい体調を崩しました。
ぶくま、ありがとうございます。
今後もよろしくおねがいします!