次から次へと
また遅れてしまい、すみません。
なんとも言えない浮遊感に一瞬だけ身を任せると、次の瞬間には潮風の匂いと音が聞こえ、視界には一面の海が広がっていた。
「だっしゃおらぁ……」
「おつかれぃ永禮」
「妃沙もお疲れ様」
橋倉の転移魔法で戻ってきた俺にげんじぃが、慣れない転移魔法の使用で疲れた様子の橋倉に並木が労いの言葉を掛けてくる。
軽く周囲を見渡せば、げんじぃのすいみの尾からロープが伸びていて、先にはそこそこデカい船が繋がっている所を見ると……どうやら避難船と合流もできたみたいだな。
「とりあえず二人は回収できたけど、さっさと逃げねぇとヤベェぞアレ」
「何があったんだ?」
「チラッて見て、ヤベェって思ったから即逃げしたけど、魔王アーコミアが居た」
「マジか」
「大マジ」
連れてきてから一言も喋らない二人を横目に、俺はさっき見たものをげんじぃに伝えた。
ログストア国で一度だけしか見てないけど、瓜二つが居ない限りアーコミアに間違いないだろ。
なんか、明らかにヤベェ感じがしたし、魔族もかなり居た。
けど、おしいなぁ!知らねぇ魔物がめっちゃ居たから、二……いや三体ぐらいは触れて置きたかったぜ。
「そういや、こっちは魔物とか魔族とか来てねぇの?」
「並木が言うにはチラホラ魔物の姿は見えるんだが、どうやら島に直進してるっぽいわ。こっちは精々ごんぶとビームが飛んできたぐらいだわ」
「あぁ、アレな!俺等も真横飛んでったわ。ん?ってか飛んできたって、防いだのかあのビーム」
「俺とまこっちゃんの合わせ技でな!」
得意げなげんじぃの話を聞けば……なんでも、まこっちゃんのスキルで脆くしつつ、げんじぃの黄道十二宮の一体である蟹座の'コウセン'で防いだらしい。
スゲーじゃん!と思ってまこっちゃんの姿を探したが、何故か見当たんねぇ。
「まこっちゃんは?」
「絶賛筋肉痛の上にビームの衝撃くらってダウンしたから、すいみの中で休んでる。んで古河が介抱中」
あぁ、だから古河の姿も見えないのか。しかし古河とまこっちゃんって、そんな仲良かったか?
「爆風で筋肉痛に響くとかどんだけ…ってか、なんで古河が介抱してんの?」
「しゃーなかったとは言え、強化魔法オーバーフローさせたのは自分だからってさ。エリヴィラとやったとき、かなーり無理したっぽいぞ」
「すんげードヤ顔かまして話してたからなぁ「白玉様!!菊池!!」――うぉッ、ビビったぁ」
今頃、すいみの中で唸っているであろうまこっちゃんを想像していると、いきなり隣から大きな声がして驚き振り返った。
するとそこには、飛び込んできたであろう千影を優しく撫でる白玉の姿があり、菊池も菊池で困ったように頬をかいている。
「迷惑と心配をかけましたね千影」
「はい、はぃ…」
白玉の言葉に小さく震えた声で答える千影。
無口と言うか……ポーカーフェイスな印象を持っていたから、なんか驚きだ。見ちゃいかんものを見てる気分になる。
しかしまぁ、再会を邪魔する必要もないだろう。目的は達成したし、今はさっさとココから退散だな。
「げんじぃ、とりま最速で孤島から離れようぜ。時間稼ぎをしてくれるっつっても、いつまで持つかわかんねぇしな」
「それは構わねぇけどよ……アラクネはいいのか?まさか、時間稼ぎって」
「いや、アラクネじゃない。そこら辺の話も後でするわ」
「よく分かんねぇけど分かった! すいみ!全力で船を牽け!」
げんじぃの一言で身を揺らし、キュイッ!と声を上げたすいみはどんどん速度を上げていく。
時折ちょっと強い揺れが起こると、何やらまこっちゃんの唸り声が聞こえる様な気もすっけど……しゃーない。俺等は逃げねば。
「……はぁ」
すいみから避難船へと移り、村の人達からのお礼の言葉に返しつつ後方へと移動する。遠くに見えるのは、着々と小さくなっていく孤島。
その孤島を眺めながら、俺の頭の中には時間稼ぎをしてくれている二人の姿が浮かぶ。
"エリヴィラ・ザヴェリューハとチェスター・アルバーン"
過去の転移者であり、メニアルに助けることを止められた二人だ。
二人の姿を思いかべると、ついさっきあったメニアルとのやり取りも思い出す。
橋倉と森の中を移動していたら、いきなり俺達の目の前に現れたメニアルは言った。
囮は別の二人が担う。お主等は戦闘をせずに、狐共を回収したら即帰れ――と。
そして、俺の考えを見透かしたように追加で言われた……不用意に囮を助けようなどと考えるな。お主等が許可されたのは、狐共の回収だけだ。彼奴らは、一片の揺るぎ無く逝く事を望んでいる。
まるでエリヴィラとチェスターの事を知っているような口ぶりだった。その言葉を言うメニアルの目は、一切の問答を拒否して、俺等に有無を言わせようとはしていなかった。
「やべぇ、ネガティブになりそう」
ちょっと考えると、猛烈に襲ってくる無力感っつーか…あぁ、これ以上はマジで負の連鎖になりそうだわ。
「黄昏ておる所に悪いが、我は一足先に戻るぞ」
「メ、メニアル!?」
「我じゃが、どうした」
不意に聞こえた声の方へ振り返れば、デカい袋を担ぎ船の縁に腰掛けるメニアルの姿があった。
今の今まで考えていた本人が、不完全サンタスタイルでの登場人物に驚いている俺は、中々次の言葉が出てこない。
「あー、えーっと、なんでここに?」
自分でも分かる程に間抜けな声での問い。
「ふむ……我は我の用事を済ませたから戻る事を伝えておこうと思うてな。一番近場に居たのがお主だったというわけだ」
「アラクネは…」
「心配せずとも回収しておる。肩に乗せておる子蜘蛛にも伝えるには、お主が最寄りで楽できた」
「あーっと…」
なんか上手く言葉がまとまらずに、あー…えー…を繰り返していると、メニアルは酷くつまらなそうに俺を見て告げた。
「何を悩んでおるかは、まぁ大体予想できる。しかしじゃ、悩み悔いるのは程々にしておくとよい。思慮を有する不自由に身を置くお主では……いや、我がそこまで気を使う必要もないか。
ハッキリと言おう。弱者は次に活かす為に考えねばならん。夜継がお主等の行動を認めた上で、我が来た理由はお主等が弱者であるからだ。
夜継に甘えるのは勝手じゃが、その悩みで止まるのであれば対等では居られぬぞ。お主等は我が夜継から未だ得られぬモノを得ているというのに」
「何が言いたいか――」
「それはお主が考えよ。我の答えがお主の答えではない。お主がただの駒になりたいのであれば、早々に当人に言ってやると良い。夜継はそれも受け入れ、彼奴の為にもなるであろう」
俺の言葉を遮ったメニアルは、そのまま船の縁に立ち上がり上を見上げた。
「さて、我はそろそろ戻るとしよう。お主等のおもりは、老いぼれがするであろうからな」
一体誰の事を言っているのか分からずに問おうとする前に、メニアルはそのまま倒れ込む様に海へ落ちていく。
……落ちて!?
「メニアル!!」
「アラクネは連れて行くぞ。魔物を連れては、面倒事も起きよう」
さっきメニアルが立っていた場所まで駆け寄り覗き込むと、ぽっかり空いた穴にメニアルは落ちていき、その穴はピタリと閉じる。
中々の速度で移動をしているから、多分だけどアレは空間をどうにかしたんだろう。
瞬間――とんでもない光と爆音が耳に届いた。
「次から次へとなんだよコノヤロウ!!」
メニアルから言われた事を考える間も無く届いたソレに、悪態をつきながら顔を上げれば……。
「うっそだろ、おい」
孤島が消滅。更には、目に見える程の爆風と共に視界を埋めていく水の壁。
完全に処理落ちをした脳を置き去りに、波は高くなり、船ごと俺達を飲み込もうとしている。
「待て待て待て待て!ストップ!ドンストップ波ぃぃ!!」
え、どうする?召喚は意味ねぇ!俺の手持ちで波を押し返せねぇぞ!げ、げんじぃ!そうだ、げんじぃなら何とかなるか?
すんげー音してたし、気付いていないって事はないはずだ。
波から目を離したくない気持ちを抑えて振り返ると、あの凄まじい音で皆も高波の存在に気付いている。よく見れば、奥から走ってくるげんじぃと並木の姿もある。
「げんじぃ!何とかできるか!?」
「あー……急いで来たけど、ちょーっと準備無しじゃ厳しい…かなぁ」
「その準備は」
「道具っつーかアイテム足りなくて無理」
終わった。これは、ここまできて終わりですわ。
すいみの速度よりも速い波から逃れるのは、まぁ無理だろう。白玉達も疲労しているし、全快なら何とかできたとしても今は無理だろう。
できるだけ被害を抑える方法も……浮かばねぇ。
「んー、なんとかなりそうだよ?」
まったくいい案が思い付かない中、上を見上げていた並木が言った。
そういえば、メニアルも上を見上げていたなぁ。とか思って俺も釣られて見上げると、爆風で押し広げられた雲の上、遙か上空で何か黄金に光っているのが見える。
そして、次の瞬間、横一線に疾走った閃光が波を蒸発させ、同時に海面が凍った。
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「ここにおったか。戻ったぞ」
「戻ったぞ。じゃないんだが」
魔族達が生活をしている地域の一角。基本的に家畜が放牧されている場所に連れてこられた俺は、怯える家畜達を他所にもさっとカサッと動く魔物を見ていた。
そこに俺の隣の空間から現れるメニアル。
「何やら不機嫌じゃな」
「そりゃあ、忙しい最中に蜘蛛が大量発生したとか聞いたら、嫌な顔の一つもするだろう」
俺の言葉を聞いてケラケラと笑うメニアルに、追加で文句を言うよりも溜め息が先に漏れた。
一応事情は把握している。というより、俺をココに連れてきたゴブリン君がめっちゃ頑張ってくれて一段落しできている。
ゴブリン君の説明の受けおりにはなるが、どうやらこの大量の蜘蛛の魔物はアラクネの子であり、メニアルにココに連れてこられたらしい。
まぁ、何が言いたいかというと……。
「せめて一言くれ。下手したら狩られてた可能性もあるぞ」
「そこは夜継を信頼してじゃ。まぁ、夜継は我を信頼してないようじゃがなぁ」
「嫌味のつもりか? セバリアスも俺も心配性なんだよ。んで、この蜘蛛はどうすりゃいいんだ?」
「それは私から話をしてもいいかしら?」
俺とメニアルの会話に割って入ってきたのは、これまたデカい蜘蛛……と言っていいのか、上半身はパッと見、セーターを着た女性で、下半身はデカい蜘蛛。下半身のサイズのせいで、見上げる形になってしまう。
これがアラクネか。実物初めて見た。
「はじめまして、アラクネと呼ばれているわ」
「この国の代表をやらせてもらってます。常峰 夜継です」
「アナタの事は魔王メニアルと桜達から少しだけ聞いているわ。そこで、お願いがあるのだけどいいかしら?」
「聞くだけ聞きましょう」
並木達が何を言っているか気にはなるが、今はこの場を収拾させたい俺は、とりあえずアラクネさんの話を聞く事にした。
……なるほど。
アラクネさんは色々と言葉を選んで喋って願いを伝えてきたが、要は住まわせてくれって事みたいだな。
「住まわせる場所を提供する事には問題はありません。すぐにでも用意はできます。ですが、知っての通り現状は魔族が多く、これから人間や他の種族の滞在者が増える可能性があります。
そうした面を考えると、こういう言い方は癪に障るかもしれませんが、ただただ魔物が増えると言うのは些か問題があるんです」
「魔族が魔物を使役する事はおかしい事ではあるまい。人間ですら、荷運びに魔物を使ったりしておるだろう」
「魔族の国なら問題はないだろうな。だが、ここは魔族の国ではない。
人間でもスキルの関係上魔物を使役している者も居るだろうが、個人で国の許可を得ている場合が殆どだ。戦闘用であれば戦闘用、農業や運送に使うのであれば、相応の申請をした元で許可が出ている……らしい」
「つまり、相応の理由を寄越せと?」
「そうだ。野良の魔物が好き勝手にのさばる無法地帯にするわけにはいかない。増えれば狩って間引きをする。管理がしっかりとできている事を証明しなければ、今は信用問題に関わる。
はぁ……率直に言えば、問題を抱え込みたくはない。新しく国で魔物を飼うわけにはいかないし、かと言って好き勝手に野放しにもできない」
途中からクエスチョンマークが浮かび始めた表情のアラクネの代わりに、メニアルが質問をしてきて、それに答える形で俺は自分の意見を述べていく。
ちょっと言い方を考えれば良かったか?とも思うが、さっさと問題を解決したいから仕方なしだ。
「ふむ。ダンジョンの魔物としてはどうじゃ」
「それはそれで可能だが、下手にダンジョンとしての戦力は増やしたくはない。そうするとしても、表向きが必要だ」
実際、異界の者ってだけでも危険視されているだろう。加えて俺はダンジョンマスターで、近々あるギナビアの使者との会談で公になる手筈を踏む。
後々バレても攻略対象から外れる為なのに、今ダンジョンとしてアラクネを招くと……バレた時に変に警戒をされかねん。隠す時間も無い以上、相応の理由を用意できないのであれば断るつもりだ。
「細々と考えおる。ならば、どうであれば夜継はアラクネ共を認められると考える」
「国益になるなら理由はでっち上げられる。願望的であろうが、実践的であろうが、宣言的であろうが。不変的だろうが、可変的だろうが、俺が国益になると判断できればな」
「という事らしいが、どうするんじゃ?アラクネ」
俺の言葉を聞いていたアラクネさんは、んー。と考える素振りを見せながら問いかけてきた。
「ちょっと国益の意味がイマイチ分からないのだけど、私達に戦う事以外の利用価値があればいいって事かしら?」
「簡単に言えばそうなりますね」
「難しい事は分からないわ。アナタの言う通り私達は魔物で、白玉達が例外な対応をしてくれた事も一応理解はしているの。
だから、どういう事がアナタの言葉に当てはまるか考えても分からないけど、私は服が作りたいわ!」
「服…ですか」
「そうよ!桜達にも褒められたんだけど、これも私が作ったのよ!!」
ぐいっと顔を近づけてくるアラクネさんの気迫に、俺は思わず数歩後ずさりしてしまう。
元ジャージの民を舐めないで欲しい。俺にそんな服の事が分かるわけがない。
後ずさったにも関わらず、ずいずいっと距離を詰めてくるアラクネさんの言葉の節々に俺の知らん単語が並び始めていくのに比例して、アラクネさんの熱気も高まっていくのだけは良く分かる。
これはアレだ……止めないと話が長引くやつだ。
ほら、俺の頭が理解を拒否して睡魔を受け入れ始めてる。意識を飛ばす前に、なんとか止めないと……。
「熱意はわかりました。これでもかってぐらいに分かりました」
「じゃあ!」
「店を出すにしても、服だけだと難しいです。それに、作るとしても材料も必要でしょう。今後を想定して、金銭のやり取りや価値感覚も養ってもらわなければいけません。
色々と学ぶことも多く、それこそ魔物だからと批判がくる事もあるでしょうから――「店を出してもいいの!!」……え?」
「服以外も一応できるわ!最近は、帽子というのかしら?頭に被る布傘にも手を出し始めたのよ!敷物は前に少しだけ手を出したけど、私達だとあまり意味がなくてね……でも、また作っていいのなら作るわ!それに、それにね――」
やらかした。
言葉を間違えた。アラクネさんは店なんて言ってないのに、完全に店として考えてた俺のミスだ。どこかで受け入れる考えを用意してたのが仇になったな。
最悪の場合、国の領地から出た場所に居座るのなら問題の先送りとして提案する予定だったにも関わらず。
「材料も今の所は問題ないわよ?あるものを使っていいのなら、色も少しは用意できるでしょうし、私達の糸をまとめて編むから迷惑は掛けないと思うの!
ただ、着想が欲しいから意見は集めたいわね……だから最初の方は展示だけでもしたいのだけど、どうかしら!」
どうでしょうね。もう、次から次へと出てくる案とイメージはすごいと思いますよ。はい。
チラッとメニアルに視線を送れば、笑いを殺しながら肩を震わせている。
今の俺の状況を楽しんでやがる。
……はぁ、服ね。
俺とかダンジョン勢の服はシーキーが用意してくれている物だが、魔族は持ってきた物か、一応作れる魔族が作っているみたいだが、圧倒的に供給が足りていない。
今後、外部から招くとして、貴族が来る場合があるかもしれん。そういう層が興味を惹くマーケットは必須か。
この国には目玉と呼べるモノも少ないっちゃ少ないしな。衣食住の衣を埋められる人材は貴重ではあるな。
ある程度考えをまとめた俺は、未だ喋り続けているアラクネさんの前に手を翳してストップを掛ける。
「確かに衣類というのは、今のこの国には価値があります。それを用意してくれると言うのであれば、それなりの国益になるかもしれません」
「あら! という事は」
パーッと顔がさっきよりも明るくなるアラクネさんの言葉をもう一度止め、俺は続けて三本の指を立てて条件を並べた。
「その為に、一人こちらから管理人を用意します。管理人と言っても、相談役とでも思っていてください。
まず初めにアラクネさんにしてほしい事は、その者と相談をして制服を用意してください。それにも幾つか注文を付けますが、それは後で管理人に伝えておきます。
次に、生産工場という形で皆さんの居住区を用意するので、商品の素材を生産するに必要な環境を考えまとめておいてください。
最後に、月に用意できる商品の数の目安を提示してください。現状アラクネさん一人で店の切り盛りはやってもらうことになるので、その辺も考慮して」
「なんか、む、難しいのね」
「これでもかなり簡単にまとめています。ですが、初めは混乱すると思うので、管理人兼相談役を一人付けます。分からない事があれば、その者に相談してくれれば大丈夫です」
熱心な表情で頷くアラクネさんに、要望をまとめた紙を渡した俺は、ちょっと蜘蛛達と打ち解けて始めているゴブリン君に声を掛けた。
「ゴブ君!皆の数を数えて、後で俺に教えてくれ!」
俺の言葉に手を上げて応えるゴブリン君に手を振り返し、今後アラクネさんに必要な事をまとめていく。……と言っても、まずはさっき頼んだ事をしてもらわないと進まない。
とりあえず管理人としては、服にも詳しそうなシーキーが一番だろう。
「メニアル」
「なんじゃ?」
「魔族達へアラクネさんの説明は任せたぞ」
「我がするのか」
「当然だ」
面倒くさそうな顔をするメニアルを他所に、俺はアラクネさんに今後もよろしく。と握手を交わした後、自室へと戻った。
「はぁ、次から次へと……寝よ」
さっきまではラフィが居たのだが、少しリピアさんに呼ばれて部屋を出ていた。そのうち返ってくるだろうし……積もる書類の上に書き置きを一つ。
よし、戻ってきたら起こすように書いたし、シーキーへの頼み事も忘れないようにメモを置いて……俺の意識ばプツンと切れた。
本来であれば、十日に投稿する予定だったのですが……体調不良と諸事情が重なり、日替わりになってしまいました。
前回の今回で説得力に欠けますが、遅れないように頑張ります。
ブクマありがとうございます!
体調を崩しやすく、たまに更新が遅れてしまいますが、今後もお付き合いください。