ちょっと強引な理由
げんじぃ命名魚座の'すいみ'に揺られ揺られてはや十分。
俺達は、とりあえず孤島への船が出ている小国ピエルコを目指して移動中。その間、偽装ダンジョンで回収した資料とかに目を通して時間を潰したりしているのだが……。
「ぁ…ぁの、永禮君…お茶を……」
「お、おう…」
資料から目を離さずに、橋倉から受け取った茶で喉を潤す。わざと視界の端に入る様なポジに移動して、にやにやしてるげんじぃとまこっちゃんも無視だ無視。
「へー、擬似的に再現できても、空間魔法は魔導帝でもパクれないのか……」
しまった。苦し紛れで出た言葉が、更に俺を苦しめそう。
ちょっとだけ資料から視線を上げると、俺の言葉が聞こえた橋倉がモジモジと指を絡めながら俺を見ている。
見られています俺。でも、あえて気付かないフリをして、そっと視線を資料に戻して……頭をフル回転だ。
魔導帝の単語を出したら、そりゃ橋倉が反応するって。バカジャネーノ俺。馬鹿だわ俺。
今朝はバタバタとしていて何とか気を反らせたが、少し落ち着ける時間がくりゃ変に意識してしまう。つか、意識しすぎて橋倉の顔がまともに見れねぇ。
あっ、頭の回転止まった。駄目だこりゃ。
こういう時は……
《応答ネガウ》
逃げよ。
《ん?岸か。ちょっと忙しいから手短に頼む》
念話とはなんと楽か。いちいち口に出さなくて済む。密談ツールとして有能過ぎて、俺も欲しいぜ。
《わりぃ、大した用事とかじゃねーんだけどな。今帰路についたって報告だ。
ってか、忙しいってなんかあったのか?俺等にも早く戻れみたいな事を言ったんだろ?》
《いや?そんな事を言った覚えはないぞ》
《え?》
《正直、すぐすぐに帰って来られてもギナビアからの使者が来るから二、三日はバタついてる。それに、どんだけ急いでも岸達の移動ペースなら、そっからだと一週間ぐらい掛かるだろ?
急ぎならセバリアスか誰かを迎えに寄越すけど……それとも橋倉が転移魔法を使うのか?》
んー…?スリーピングキングの反応、おかしくね?
白玉はスリーピングキングが早く戻れって言ってたらしいが、そのスリーピングキングはこの反応。言われてみれば、確かにあの執事を迎えに寄越してくれたほうが早い。
苦し紛れで連絡してみたが、これは何かありそうなスメルが漂ってきやがったな。
《スリーピングキング、俺達さ、白玉に若干追い出される様な感じで見送られたんだわ。その時に、白玉からスリーピングキングが早く戻るようにって伝えてくれって聞いたんだ》
《別に俺は白玉さんにそんな事は言っていないが……白玉さんになんかしたのか?》
《いや、何もしてねぇーよ!?心当たりが無いから困ってるんだって!》
《それは不思議だな。俺が話した感じでは、意味もなく険悪な感じにしそうなタイプではないと思ったんだが。
そうだな……とりあえず、ダンジョン出た辺りからどんな事があったか教えてくれよ。もしかしたら、気付かなかっただけかもしれないし、話せば気付くかもしれない》
そう言われた俺は、偽装ダンジョンを出た辺りからの事を思い返していく。つっても、本当に何もない。
普通に晩飯食って、風呂入って、団子が甘くて、朝になって……朝飯食ったら、白玉からスリーピングキングへ渡して欲しいって長方形の箱と封筒を千影伝いで受け取って、なんかサヨナラムードに流されるがまま見送られた。
アラクネに送られたのはいいけどさ、上陸した場所と違うもんで、少し遠回りになってしまってる。と小さな愚痴は浮かぶ。
一通りスリーピングキングに伝えながら俺も考えてみるけど、やっぱ気分を害する様な事をした記憶はねぇな。
《団子が甘かったってどういう事だ?》
《あー……いや、それは俺の事で白玉は関係ねぇ。おそらく、絶対》
《自信があるのか無いのか分からんが、そうか……》
一箇所だけ濁した報告にスリーピングキングが反応を見せるが、俺は更に濁す。そこを突っ込まれても、後言える事とすれば
《自信はないッス》
《そ、そうか》
自信があれば、こんな悩み方はしねぇ!とスリーピングキングに言ってもしゃーない事ぐらいは分かっている。
だから、それ以上この話題を引っ張らない様に沈黙していると、打って変わって真剣なスリーピングキングの声が聞こえてきた。
《アラクネさんだっけ?》
《あぁ。名前の通り、下半身蜘蛛で上半身女の魔物だ》
《そこまで意思疎通ができるのでも魔物扱いか。相変わらず線引が何処にあるか分からんな。……まぁ、それはいい。
そのアラクネに送られた場所ってのは、上陸した場所とそんなに違うのか?俺は地図と磁石がない状態なら、知らん土地の森の中で目印無しに移動しながら方角とかサッパリなんだが》
そういやよく並木は分かったな。どうやったのか聞いてみるか。
「並木」
「んー?」
「アラクネで移動してる時、なんで移動先が違うって分かったんだ?」
「突然だね。…あー」
さっきまでの俺と同じ様に、偽装ダンジョンから持ち帰った資料を読んでいた並木に念話用のイヤリングを小突きながら聞くと、誰からの質問か察した並木は収納巻物から一枚の紙を引きずり出して広げて見せてきた。
「美味しかったから帰りに幾つか拝借しようと思ってたんだけどね。私達が通ってきたルートって、レパパの群生地だったみたいなの。
だけど、今日通ったルートにレパパの木は無かった。私の眼で確認してるし、間違いはないと思う。それで、出た所は同じだけどレパパの群生地を通らないってなれば、ルートが違うってなるじゃん?」
「なるほど」
並木は取り出した孤島の地図上を、俺達が通ったであろうルートに合わせて指でなぞり説明をした。俺も納得をしつつ、そのままスリーピングキングに説明していくと、数秒の沈黙の後に追加の質問が飛んでくる。
《咎の村から海までの最短ルートは、岸達が上陸時に通ったルートになるのか?》
《あー……どうだろうな。地図見る限りじゃ、咎の村自体が島の中央にあるっぽいから、来た時の場所も今日送られた場所も距離的にはあんま変わんねーかな》
《なら小国ピエルコへの最短ルートは》
「げんじぃ、孤島ってピエルコからは真っ直ぐ北上した形になるのか?」
「海上ルートの話しか?人目に付かねぇ所から海に出たけど、まぁ真っ直ぐだな。ピエルコで聞いた話しだと、普通は安全第一でちょい遠回りするっぽいわ」
地図を見れば、確かに船着き場っぽい場所は別の場所にある。今日、俺等が海に出た場所の丁度反対側だな。
《潮の流れとかガン無視していいなら、直線ルートの俺達が通った道だとは思うわ》
《そうか……岸、白玉さんから俺宛への手紙を読み上げてくれ。今すぐに》
《いいのか?》
《構わない》
俺が読むってことは、げんじぃやまこっちゃん達にも見られる可能性があるが、どうやらスリーピングキングはそれでも良いらしい。
そういう事なら。と俺は、収納巻物から預かっていた封筒を取り出して封を開けていく。
当然そんな事をすれば、スリーピングキングを念話をしている事を察している皆の注目も集めるわけで……全員が手紙を覗き込む様に見る。
―皆の事、よろしくおねがいします―
そう中央に一文だけ。それ以外には何もなく真っ白だ。
「おい、これって」「ヤベぇんじゃねぇの?」「そう言えば、チェスターさんにも早く帰るようにとか手紙貰ってたよね?」「急かされてた理由は、そういう事かなぁ?」「た、多分……」
その一文を見た瞬間、スッと体温が下がったような感じがした。俺だけじゃなく、全員が薄々察し始めて、俺と同じ考えが過っている様だ。
もしかして白玉は、俺達を追い出したかったんじゃなくて、逃したかったのでは?
何かからは分からねぇけど、何かしらの危険から。
《スリーピングキング》
《分かってる。ちょっと待ってくれ》
見た時にスリーピングキングには伝えている。反応を聞く限り、きっとスリーピングキングも俺等と同じ答えに行き着いているはずだ。
聡いスリーピングキングなら絶対にそれだけで終わらさない。
《岸達に頼みがある》
《聞こうじゃないの》
そら来た。
何をどう頼む?スリーピングキング。白玉の救出か、逃した理由の詮索か。どうであれ、戦闘と孤島に戻る準備はしねーとな!
完全にやる気になってきた俺の思考は、戦闘方面へとシフトしていく。げんじぃやまこっちゃんも、俺の様子を伺いながらヤル気の顔だ。
《船の進路を少し変え、最短ルート上に移動してくれ》
《その後は》
《待機だ。咎の村から逃げてきた者達が居れば、ピエルコまで護衛してくれ》
「《ふざけんな!》」
「「永禮!?」」「な、永禮君…!?」
やべっ、思わず声が出ちまった。
いきなり声を荒げちまったもんだから、皆ビックリした顔をして俺を見ている。自分でも感情がブレブレなのは分かってる。だけど、そういう事だよな?
《声を荒げてどうした》
《どうしたもこうしたもねぇ。つまりなにか?白玉達を見捨てるってのか?》
《……結果的にそうなるな。それでどうして岸が声を荒げる》
気に食わねぇ。なんでこんなに俺がイラッとしてるのかも分からねぇけど、スリーピングキングが即決した事も気に食わねぇ。
《俺達が助けに行く選択はねぇの?》
《無い》
即答だった。それに対して、また声が出そうになるのを抑える為に深呼吸をする。
ふと視線を上げると、すっげー不安そうな顔をした橋倉があった。
あぁ、なるほど。なんか気持ちが落ち着かねぇ理由はコレか。さっき手紙を見た時、橋倉は寂しそうな顔をしていた。
自分に向けられた好意を初めて認識したから、自分がどうだとかあんま分からんけど……向けてくれている相手がそういう顔をするのは嫌なのか、俺。
《俺等は白玉に一宿一飯の恩義がある》
《俺も白玉さんには恩がある。だから、その白玉さんの頼みを無下にはしない》
《だったら尚更助けてやるべきだろ!》
《白玉さんはそれを望んではいない。自分を犠牲にしてでも村人達の安全を考えて、その後の事を俺に頼んだんだ。
俺が応えてやるならば、村人を危険に晒してまで白玉さんを助けるのではなく、村人達の安全を確保する方だ。囚われず、白玉さんが考えた無碍な方法を尊重してやりたい。
それに、せっかく白玉さんが逃してくれたのに、岸達を危険の飛び込ませる様な事はしたくない》
チッ……スリーピングキングの言いたい事は分かるが、納得できねぇ。
しかも、結局俺達の事を考えてくれた結論で、スリーピングキングの真意じゃねぇし、俺の望みでもねぇじゃんかよ。
《俺は白玉とアラクネを助けたい。このままだと、きっとスリーピングキングからの命令を無視してでも助けに行く》
そうだ。あの様子だとアラクネも知っていたはずだ。だからミストスパイダーを俺に託した。
コイツの親を見捨てるのは……ちげぇよな。
俺の肩口を陣取り、静かに話しを聞いているミストスパイダーにも視線をやると、何処か元気が無い。
きっと、アラクネの覚悟を知っていてミストスパイダーは俺に付いてきている。そんな気がする。
《それは困った。俺は白玉の意向を無視したくないんだが……岸達の気持ちを切り捨てるのも、ちと違う。
そういえば岸、お前達が最初にしようとしていたダークサイド主人公は、こういう場合に人助けをするのか? 大して仲良くもないヤツや、一宿一飯の恩義で自分の危険性を高めてまで人命救助に勤しむのか?》
突然のスリーピングキングの質問に、俺は少し言葉を詰まらせる。
んなもん、主人公によりけりだ。手を貸すだけもいれば無干渉も居るだろうし、自分に害の無い者なら助ける事だってあるだろう。
だが、俺の好きな物語は助ける。小さな恩を最大の形で返して魅せる。俺が主人公をするのなら、そういう物語でありたい。だから少しだけ嘘をはこう。
《助ける。恩を仇で返す様な事はしない》
《そうか……ダークサイド主人公も大変だな》
なんでこんな事を聞いたのか分からんけど、スリーピングキングの口調はどこか優しげだ。
《あぁ、そういや孤島には珍しい果実があるんだっけか》
《レパパの事か?まぁ、アラクネが言うには孤島でしか取れない咎の村の名産品とは聞いたが……今はそんな話をしてる場合じゃねぇだろ》
関係のない話しをしようとしてくるスリーピングキングに、俺は少しだけイラつきと言うより呆れが湧いてきた。
もうさっき宣言をしたからな。何を言っても俺が助けに行こうとする事を、スリーピングキングも分かっているだろうよ。
手遅れにはなりたくねぇ。これ以上無駄話をするより、さっさと準備をしたい俺は、スリーピングキングに念話を切る事を伝えようとした。だが、それに被せる様にスリーピングキングが言葉を発した。
《産地が孤島だけって事は、それなりに珍しい果物だろうな。あぁ、そういえば、畑とリピアさんがギナビアの使者に出す食後のデザートを悩んでいたっけか……。
どうだろうか岸、レパパはギナビアの使者に受けが良さそうか?俺は口にしてないから分からないんだ》
白々しい。あまりにも白々しい口調のスリーピングキングに、俺の呆れも怒りもどっかへ飛んでいってしまい、口元が緩む。
《あぁ。レパパの味に畑やリピアさんが手を加えるなら、きっと最高に美味いデザートができるぜ》
《そうかそうか。今後の事も考えて、ギナビアとの友好は深めておきたいからな。レパパを少し回収しておこう。
ただ、岸達の帰りを待つのだと遅いから、こっちから人を送るかな。一時間か二時間か……流石にすぐには向かえない。それに群生地も分からない。
そこでだ。護衛も頼んでいて大変だろうが、道案内が欲しいから少し待っていてくれないか?
最初に言ったように護衛を怠らないのならば、待ち時間は'好きにしてくれて構わない'からさ》
《問題が起きるかもしんねぇぞ?》
《降りかかる火の粉は払えばいい。まぁ、勝手にレパパを持ち出しても問題があるかも知れないからな、ハルベリア王には俺から話を通しておこう。
この頼み事、聞いてくれるか?》
《当然!喜んで!》
《そりゃ良かった。んじゃ、俺は早速ハルベリア王に連絡を取るとするよ》
そう言って、スリーピングキングとの念話は切れた。
難儀性格してやがる。ったく、ツンデレかよコノヤロウ。
「ニヤついてどうした?」
おっと、どうやら表情にも出てしまっていたらしいな。ちょっと引き気味なまこっちゃんが聞いてくる程度には、危ない表情をしていたようだ。
しっかしスリーピングキングには迷惑をかけてんな。せっかく無理やり理由を作ってくれたんだ……ちゃっかり応えてやらねぇと!
「スリーピングキングからのご命令だ!
進路変更後に待機!避難してきた村人の護衛!そして、レパパの回収だ!」
「なるほど、そうきたか」「うっし!すいみ!進路変更だ!」
「へぇ…王様がよく許したね」「大分無理やりっぽいけどねぇ~」
並木と古河が何か言っているがスルーだ。それより、俺も色々と準備をしねぇとな。
準備をしようとした時、俺の服が小さく引っ張られた。そっちの方を見ると、橋倉が立っている。そして小さな声で呟いた。
「ぁ…ぁりがとう……永禮君」
別に橋倉の為じゃない。そうじゃないが、まぁ、その、橋倉の表情がきっかけなのも確かなのかもしれない。
だから、こういう時にどう答えればいいか……わっかんねぇお。
「ま、まぁ…俺の為だけど、なんだ、納得できないなら団子の礼だとでも思っててくれ」
「っ!…ぅ、ぅん…そう、する…ね」
しまった。橋倉は、俺が気付いてるの知らねぇんだった……やっちまった。
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《急ですみません。噂を耳にしたもので、少し興味が出てしまって》
《構わないが、本当にこちらから送らなくていいのかね?王都内の料理店からならば、常峰君の門を使っても来れるだろう》
《うちの料理人は鮮度に拘るみたいでして、早急に良い鮮度のモノを手に入れたいんです。誰かに提供する前に味見もしたいとの事もあって、もう取りに行ってしまった方が早いなと》
《ふむ。料理人の拘りか……時たま城の料理人も口にしているよ》
《料理をしない人間にとっては無縁ですね》
《まったくだ。だが、拘りを味わえる身というのは、幸せ者であるだろう。
要件は分かった。取りすぎない様にしてくれれば、レパパを持ち帰ってくれては構わないが、咎の村は少々特殊でな。周囲の魔物と協定を結んでいる為、回収の際は咎の村を通した方が良いだろう。
もめそうであれば、私の名を出してくれて構わない》
《感謝します》
《なに、常峰君には隷解符の件でも世話になっている。今後も関係を築くのであれば、これぐらいは安いものだ》
《ハハハ、そういえば少し隷解符を作ったので、後日お渡しに伺います》
《おぉ!それは嬉しいものだ!では、その日を楽しみにしておこう》
《伺う際は、またご連絡をします。でわ》
「ふぅ…」
念話を切ると同時に思わず大きな溜め息が漏れた。
これで孤島に俺の使いが居ても問題はない。周囲の魔物と咎の村に関してさえ守れば、危機回避に対応した所で、それほど大きな問題にはならない……と思う。
岸があんなに突っかかって来たのには驚いたが、俺も別に助けたくないわけではない。ただ、最も白玉さんの意思を尊重した場合は、助けるべきではない。と考えてしまった。
それに、白玉さんは全てを理解した上でこの道を選んだ。俺と念話で話している時にも頼めたはずの事をだ。
きっと白玉さんは、自らの死も望んでいる。
俺はそう考えてしまった。
もし、岸が助ける事を選ばなければ……と、考えた所で仕方ないな。それを選んだのは岸達でもあり、俺でもある。それは変わらない。
「我が王よ、よろしかったのですか?」
「何がだ?」
「私が向かわなくて」
ギナビアの使者との話し合いで使う資料作成を手伝ってくれているセバリアスは、空になった俺のティーカップに紅茶を注ぎながら聞いてくる。
「優先順位は伝えたし、手を抜いて失敗なんて事はしないだろう。立場が悪くなる事ぐらい分かっているはずだ」
「もしもの場合もございますが」
「それを言われちまうとな。あんまり心配性を煽らんでくれ……と言っても、最悪の場合は視野に入れるべきか。
手が空きそうな者は居るか?頼むにしても、これを俺一人で処理は間に合わない」
俺の問いにセバリアスは数秒悩む素振りを見せ、元々シワ一つない服装をビシッと整えなす。
「ラフィがもう少しで手が空くので、こちらを手伝わせましょう。最悪を考慮するのであれば、ラフィ一人では荷が思いでしょうから」
「セバリアスが行ってくれるのなら本当に安心だ。忙しくて悪いが、頼めるか?」
「お任せください。我が王のご友人の安全は、我が身に変えてもお守りいたします」
「俺にとってはセバリアスも大事な者だ。必ず戻ってこい」
「必ずや」
フッと微笑んだセバリアスは、音も立てずに消えていく。
頼りがいがあるというか、ダンディ過ぎるわ。……さて、俺は俺で資料作成を進めなきゃな。
またギリギリになってしまいすみません。
次は戦闘が入る予定ですが……遅れないように頑張ります。
ブクマや評価、お読みいただきありがとうございます。
今後もお付き合いいただけるように頑張ります!