私、年頃の娘ですわ
王宮の舞踏会の翌日、騎士を引き連れた王子が家にやって来てわめきたてた。
「リリアンヌをどこにやった!」
「知りませんな。そのような名前の者はうちにはおりませんが」
「知らぬとは言わせん。貴様の娘がリリアンヌにワインをかけたり、ダンス中に足を引っかける嫌がらせをしていたんだぞ」
「王子がこういってるんだが、ジョアンナ、何か知っているか?」
「知りません。と言うよりそれ誰ですか。私は人にワインをかけたり、ダンス中に足をかける真似はしません」
「リリアンヌがされたと言ってるんだ」
「人違いですね。知りません」
「下着を売ってる下品な娘の言う事なんか信じられるか」
「下着?下品?何を言ってるんですか。ステテコは涼しい・蒸れない・ズボンの下に履いても気持ちいいのよ。着用した事も無いくせに何を言ってるの」
王子に同行していた騎士達が呆気にとられ、眼を輝かせた。
「あなたがあのステテコを?ステテコは私も愛用しております」
「ステテコのおかげで今年の夏は快適に過ごせております」
「ステテコは、神です!」
「年頃の娘の前でステテコステテコ…言わないで下さいよ」
思わず赤くなる私を見て、騎士達が和んだ。
兄が、後ろであきれ顔をしていた。
父がやってきて、全く心当たりがないと説明して帰っていただいた。
誘拐騒ぎは、良く分からないけど次の日には解決したらしい。
攻略対象の婚約者がならず者を雇ったに違いない!
とリリアンヌさん?が言ってたらしいけど、
良家のお嬢様とならず者って接点あるの?