パーティーですの
お茶会やパーティーの誘いが増えた。
エスコートは兄か父に頼むとして、どれに参加するかが悩みどころである。
攻略対象、攻略対象の婚約者関係は避けたい。巻き込まれたくない。
ただし王宮のパーティーは基本全員参加である。
無難そうなパーティーをいくつか選んで兄にお伺いを立ててみる。
「無難な物をかき集めて来たな」と兄が呆れながらも笑っていた。
参加したパーティーは無難なものと思ったら、意外と盛況だった。
「みんな考える事は同じらしいな」と同行した兄が言う。
壁の花になるつもりで言ったのに、次々とダンスに誘われた。
会話はステテコ…騎士や年齢層の高い人から、ステテコの感想を言われたり、
寒地作業の為に毛織物のステテコが欲しいと言われた。それってモモヒキ?
若年者なので早めに帰らせていただく。家に帰ってお風呂に入り、早々に休む。
夢の中で、フルートの音色が聞こえた気がした。
王宮のパーティー、これには参加しないわけにはいかない。
婚約者の居ないデビュッタントには次々とダンスの誘いが舞い込んだ。
踊るのは疲れるけど楽しい。踊っていると、後ろで誰かが倒れた。
振り返るとピンク色の令嬢が「ジョアンナ様が私の足を引っかけた」と叫んでいた。
私のパートナーの男性が一瞬あきれ顔をした後に、踊りを続けた。
音楽もすぐに再開する。令嬢を明らかに避ける形で、ダンスは続けられた。
次のパートナーに変わろうとした所で、割り込んできた男性がいた。
金髪にトビ色の鋭い目、元婚約者様だ。
「割り込みはやめてください」
「良いから黙ってろ」
ふりほどこうとしたけど、彼は手を放してくれなかった。
強引に踊り続ける、2曲目に入った所で兄が止めようと走ってくるのが見えた。
兄に止められて、ようやく踊りを止める事ができた。
「何をしたいのか判りませんが、相手を間違えているのでは」
と兄が言うと、彼は悔しそうな顔をした。
疲れたのでその日は、切り上げてさっさと帰った。