一話 「平和な日常の終わり」
唐突に思いついた話を書いてみました。
作者の初めての作品ですので誤字や脱字などはご了承ください。
文を作るのが下手なので、文が変かもしれませんがそれでも良いという方は暇つぶし程度にどうぞ!
俺の名前は 一之瀬 匠。日本の首都に妹と二人暮らしの高校生三年生。昨日もアニメを遅くまで見ていたので絶賛睡眠中だ。
「お兄ちゃん!早く起きて!学校に遅刻しちゃうよ!!」
目覚ましが鳴っても起きてこない俺を心配して起こしてくれているのは俺の妹の 一之瀬 響 今年で中学一年生になる妹
「うーん……もうちょっと……」
寝ぼけた声で呟きながら俺はもう一度寝る体勢に入った。
「早く起きてよ〜。今日は一緒に学校に行ってくれるって約束だったじゃん……」
この言葉を聞いて俺はすぐさま起きようと思った。なぜかって? 段々と妹が泣きそうになってるんだから。
「わかったわかった。今すぐ起きるから」
と言いながらも眠気には勝てない。目を閉じたらすぐにでも寝てしまいそうだった。
「もうお兄ちゃんなんて知らないからね!!」
そろそろやばいな。これは今起きなきゃ不機嫌になるパターンだ。
「ふぁ〜。もう朝なのか。全然寝た気がしないな。とりあえず着替えるから響は下で待っててくれ」
さすがに妹の前では着替えられない。例え兄妹でも恥ずかしいもんは恥ずかしいからな。
「じゃあ早く着替えて朝ごはん食べちゃってね。私リビングで待ってるから」
「はいよー。すぐ行くわ」
匠は大きな欠伸をした後に、ようやく学校の支度を始めたのだった。
「遅いよ!!!! 授業始まるまで後十分ないよ!? 朝ごはんはいいから行くよ!!!!」
「えっ!? 俺朝ごはん食べないで行くの!? マジかよ……」
朝ごはんを食べないで学校に行くと決まって昼前にお腹が空くから嫌だったのだ。
「もう!お兄ちゃんが起きるの遅いのが悪いんでしょ!諦めなさい」
俺は自業自得だと思いながら響と走って学校に向かった。
「ふぅ……間に合った」
俺は時計を見ながらそう呟いた。
「おーす。今日も遅刻ギリギリだな」
今話しかけてきたのは俺の友達の 欄城 梨花。こいつもアニメが好きで良く一緒にアニメを観たりする仲。ちなみに喋り方は男みたいだが一応女だ。
「うるせー。今日も妹を学校に送ってきたんだよ」
まぁ実はめっちゃ寝坊したけど、これは黙っておこう。
「おー。そうだったのか。てっきり寝坊かと思ってたよ。毎日妹を送るなんて健気だねぇ」
うわ。こいつ絶対俺が寝坊だと気付いてるな。
「なんだよそれ。そうだよ。お前の言う通り寝坊だよ、文句あるのか?」
若干見透かされた感があった俺は少し怒り気味に言った。
「やっぱり寝坊だったか。初めからそう言えば良いのに、バカだなお前は」
少し呆れながらも梨花は俺に言ってきた。
キーンコーンカーンコーン…
「やべ、もう授業始まるのか、席につかなきゃ」
授業が始まるチャイムを聞いた俺はすぐさま自分の席に座った。
すぐに授業が始まり、ほとんど寝ていたのは言うまでもない。
「よし!これで今日の授業は終わりっと。響を迎えに行くか!」
「ん? 今日も迎えに行くのか?」
「まぁ迎えに行かないと響が怒るからなぁ。」
梨花の言葉に対して俺は溜め息混じりに返した。
「ふーん。ま、ちゃんと兄妹仲良くな」
こいつは響とすごく仲良いくせに、さも他人事のように言ってきた。
「お前に言われなくてもちゃんと仲良いっつーの」
少し怒りながら言ったあと、俺は走って響を中学校まで迎えに行った。走りながら梨花と電話でアニメの話をしたのは内緒だ。
「あ、お兄ちゃん!!迎えに来てくれたの!? ありがと!!」
響はあまりにも嬉しくて俺に抱きついてきたのだ。
「お、おいやめろよ、皆が見てるだろ!」
響に抱きつかれて若干照れながらも俺は驚いてしまい、声をあげてしまった。
「えへへ…だって嬉しくて」
(全くそんな顔で言われたらこっちまで嬉しなっちゃうじゃないか)
「ま、まぁあんまり外で抱きつかないよにな」
内心めっちゃにやにやしながらも俺はとりあえず言っておいた。
「はーーーい」
これは絶対聞いてないな。そう思いながら響と手を繋ぎながら俺は帰路についた。
「お兄ちゃん〜何観てるの〜? 」
「なんか新作のアニメがあったから観ているんだよ」
俺はヘッドホンをしながら響に返事をした。
「ふーん。 あ、このキャラ可愛いね!」
響は音を立てないようにお兄ちゃんの近くに行き、勝手にアニメを見始めたのだ。
「あ、バカ! 勝手に観るなよ」
俺はちょっと怒りながらも、諦めて一緒に見始めた。
「このキャラなんて名前なの?」
このキャラというのも金髪で綺麗な瞳の少女である。
「このキャラはな、リンシアって言って俺の好きなキャラなんだよ。 ……ってもうこんな時間じゃないか。響、お前はもう寝なさい」
アニメに夢中で気が付かなかったが、もう二十二時だったのだ。
「えーー! もう寝るのーーーーーー!?」
「お前はまだ子供だからな。諦めろ」
「はーい……じゃあ私は寝るね!お兄ちゃんも早く寝ないと明日も朝ごはん抜きだからね」
朝ごはん抜きはデカイな。俺は明日の朝ごはんのことをつい考えてしまった。
「ぐぅぅ……お腹空いたな」
朝ごはんのことを考えていたらついついお腹が鳴ってしまった。とりあえず響が寝たらコンビニに行くか。
「おう。俺も朝ごはんは食べたいし早く寝るわ。それじゃあ響おやすみ」
「うん! お兄ちゃんおやすみ!!」
「さてと、響も寝たしなんか買いに行くか」
俺はアニメに夢中になりすぎて、夜ご飯を食べるのを忘れたのだ。
「はぁ……寒いなぁ……」
真冬の夜、よく通うコンビニへ向かっていた匠は空を見上げながらそう呟いた。
「とりあえずご飯だけ買って帰ろっと……」
そう言って歩きだした途端、突然道路に突っ込んできたトラックの真っ白な光が俺の眼前を包み込んだのだ。
「はっ……! ここはどこだ!?」
俺の周りに見えるのは真っ黒の空間と一人の小女だけだった。
もう一つの作品も書く予定なので、更新が不定期だと思います。ご了承下さい。出来るだけ、頑張って更新するのでよろしくお願いします!