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『保留』の道

 分かっていたはずなのに。


 転がる少女の死体。胴体と頭は首の皮一枚で繋がっている。血は撒き散らされている。見開かれた目は白く濁りながら虚空に向き、何かを掴もうとでもしているように両の手とも硬く握られている。ただの死後硬直だろうが。


 分かっていたはずなのに、どうして。


 さっきから、その少女の死体を前に、同じ言葉が頭をぐるぐると回っている。頭痛が酷い。少女の死体を見つけてからもう半日経っているようにも、まだ数十秒しか経っていないようにも感じる。時間の感覚がおかしい。


 分かっていたはずなのに。


 屋敷の外からは、あの混乱が始まった三日前の夜からずっと騒ぎが聞こえてくる。最初はそれに怯え、警戒していたものだが、今は、ただ、その外からの騒ぎがとても遠い。


 喉が渇く。

 ミサリナは、助けを求めるように視線を少女の死体から外し、執務室を彷徨わせる。今や荒れ果て、調度品が破壊し尽くされ書類の散らばる、そしてその中心に少女の死体が美術品のように置かれているその部屋。窓からの日の光に切り取られるように、埃が白く輝くその部屋の中に視線を彷徨わせる。だがすぐに、引力に負けるように、視線はすぐに少女の死体へと引き戻される。


 少女の手にはぐしゃぐしゃに握りつぶされた紙の資料がある。

 分かっていたはずなのに。

 逃げろ、と彼女には伝えた。しばらくの間、身を隠すための金も与えた。そして別れた。ミスはなかったはずだ。自分が一緒にいれば巻き込んでしまう。そう思ったから、ミサリナは別れた。

 危険だということは説明した。

 それなのに、どうして、ここに戻ったのか。

 握られた資料は、いつもなら金庫に厳重に保管してある、秘書だった彼女にすら見せずにミサリナだけが管理していたものだ。売買の詳細な記録。それを見れば、ミサリナの持つ販売網、人脈、資金源、その全てを辿ることができる。ミサリナにとって、命と同じくらい、いや命よりも大事な資料。


 彼女は自分に憧れていた。自分に、成り上がった大商人、ミサリナになりたがっていた。この混乱の中なら、金庫をこじあけて、中の資料を盗んでも自分の仕業だとはばれない。


 そう思って、ミサリナが逃げ出した後に、こっそりと戻ってそれをしたのだろうか。


「馬鹿」


 かすれた声で呟く。

 最初、ミサリナはそれが自分の声だとは気づかない。


「馬鹿よ、あなた」


 命よりも、立身出世や、儲け、名声を優先する。その挙句、命を落とす。

 愚か極まりない。

 だがその愚かさが、ミサリナ自身には痛いほど理解できる。


 ミサリナが彼女と同じ立場でも、間違いなくそうしただろう。

 現に今、全てを捨てて逃げ出そうとしたものの、やはり捨てきれなくなって、金や物や地位や名声が惜しくなって、舞い戻って来てしまっている。そして秘書だった少女の死体を前に、無防備に立ち尽くしてしまっているのだ。


 つまり、目の前に転がっているのは、ミサリナ自身の死体でもあった。

 いつしかミサリナは少女の死体の横に屈み、指でその瞼を下している。そして、死体の顔をほとんど無意識のうちに撫でる。撫で続ける。


 本能のように、命よりも上昇を優先してしまう。生命体としては間違ったもの。それが自分だと幼い頃に知っていた。だからミサリナは命を賭けたギャンブルを繰り返して、それに勝つたびに上の段階へと昇っていった。

 賭けたのは自分の命だけじゃあない。人の命もだ。間接的に、ではあるにせよ、自分が一体何人の人間を破滅させたのか、ミサリナにはよく分からない。

 それでも、止められない。いつの日か、こんな風に死ぬまで。

 死に顔を撫でている。

 類は友を呼ぶ。自分に憧れて、人の命よりも自分の命よりも上に行きたいと思う、自分そっくりな少女が近づいてきて、そして自分よりも先に死んだ。それだけのことだ。


「ねえ」


 顔を撫でながら、ミサリナは呟く。


「あたしもあなたもさ、生きている価値なんて、あると思う?」


 当然ながら、死体は答えない。


 ミサリナはやがて、その少女の死体の握りしめている紙の資料を、ゆっくりと指を一本一本外すようにしてその紙の資料を取り出す。


 もう、内容は脳髄に刻み込まれている。だから、ミサリナには必要ない。

 ただ、これが他人の手に渡るのだけは阻止しなければいけない。


 危険を承知で、ミサリナが自らの商館に戻ってきた理由はそれだ。

 全てを処分する。重要な書類だけではない。自分がいずれ、また商売の世界で成り上がる時に弱点になりかねない、全ての書類。全ての資料。簡単に持ち出せるような量ではない、それを処分するのだ。

 内容は、全部頭に入れてある。絶対に零さない。

 だから、燃やしてしまおう、全部。そうすれば、この騒動が終わって、自分が生き残っていて、また商売を始める時に、邪魔が入らずにそこからすぐに始められる。

 そんな風に思って、ここに戻ってきた。この件が終わった時に、自分が生き延びている可能性など皆無に等しいと、分かっていながら。

 ひょっとしたら、自分は死にたいのかもしれない。そんな風にも思う。


 火をつけるにしても、金庫の中に入っているものは、全部出さないと、燃え残るかもしれない。

 ふらふらとミサリナは立ち上がり、すぐ傍に金庫の置いてある自分の執務机に向かう。乱雑にものの散らばった執務机に片手をついて、少しふらつく体を安定させる。


「ふう」


 息を吸って、吐く。

 そして、金庫を見る。予想通り、金属製の金庫の扉は、こじ開けられている。余程執念深く、何かで攻撃したようで、金庫の扉は細かい傷七割と深く大きな傷三割の配分で無数の傷がついている。


 まだ、こじ開けられた金庫の中には束ねられた紙の資料、帳簿といったものが置かれている。どうやら秘書が持ち出そうとしたのは、そして失敗して死んでしまったのは、金庫の中の書類でも比較的新しいものだけらしい。

 その判断は正しい、とミサリナは思う。その書類を手にするために商館に戻るという前提の判断は間違っているのだけれど。


 これも確実に燃やさなければ。

 取り出そうと、身をかがめてミサリナは手を伸ばす。左手を伸ばす。





 左手を伸ばしたのは、単純に金庫がミサリナから見て左側にあったのと、直前まで執務室の上に右手をついていたからだ。

 ただ、それだけ。

 ともかく、ミサリナの心の動きは当然ながら他の人間に読めるものではない。そのタイミングで、こじ開けられた金庫の中身に手を伸ばそうとするとは、誰も思わないだろう。

 だから、そのタイミングで身をかがめ、更に左腕を前に差し出すとは予想できなかった。


 彼にも。





 金庫に並ぶようしておかれている、衣装棚。

中に入っていた衣服のうちいくつかは、部屋にばら撒けれ、更にそのうちのいくつかは破られ、切り刻まれていた。宝飾品がついていた服は、その部分だけが破り取られているものもあった。

 だが、衣装棚自体は、閉じていた。けれど、それにミサリナは何も思わなかった。

 部屋にあるのは死体だけで、何の気配も物音も部屋の中ではしていないから。

 何も、予想なんてしていなかった。


 だから、突如としてその衣装棚が開け放たれ、中から出てきた人影がナイフを叩き付けてくるとは、ミサリナは予想していなかった。

 一瞬のことで、かわしたり防いだりする余裕もない。

 おそらくはミサリナの首筋をめがけて切り上げるような軌道を描くはずだった、そのナイフがミサリナの左腕にあたって骨で止まったのは、ただの偶然だ。


 だが、ともかく、ミサリナは命を拾った。


「うっ」


 激痛、というよりも衝撃と熱を感じ、何が起こったのか理解する前に、ミサリナは目の前の人影を蹴りつけながら転がって距離をとる。

 ミサリナが転がるたびに、まき散らされた血が床を染めていく。


「なんだよお、全く、うまくいかないなあ」


 がりがりとナイフを持っていない方の手で頭をかいているのは、どこにでもいるような顔をした、これといって特徴のない男だ。服も、目立たないえんじ色のシャツと作業服のようなベージュのパンツだ。ただ、強いて特徴を言うなら、手足が妙に長い。


「誰?」


 流れ続ける血にも、痛みにも拘泥せず、妙に淡々とした顔でミサリナは尋ねる。


「ああ、俺かあ? 答えると思ってるのかあ?」


 笑いながら男はナイフを構え、じりじりとミサリナとの距離を詰める。


「まあ、いいや。フライだ。一応、今回の『作戦』の立案者だなあ。お前の処分をどうしようか、迷ってたんだあ」


「あたしを?」


「ああ」


 わずかずつ、男の足は距離を詰めていく。


「他の連中は、例えばジャックとかはなあ、全部捨てて逃げ出したとしても、部下とか町の奴らを殺すって話になったら、出てきそうだろお。けど、お前は商売人だからなあ、そうやって逃げ出されたら、出てこなきゃ町の罪のない奴らを殺しまくるって言っても、出てきそうにないなあ、と思ってよお」


「当たってる」


 自嘲に顔を歪めて、ミサリナは呟く。


「だから、どうしようかなあと思って。今回の作戦で殺してやろうと思ってきたら、案外潔く全部捨てて逃げ出してるみたいだからさあ、結構途方に暮れててなあ。けど、お前は欲深い商人だ。ひょっとして戻ってくるんじゃあないかと思って張ってたら、どんぴしゃ。人を調査して分析して罠にはめる。こんなことをずうっと仕事でやってきてるだけあって、やるじゃあないか俺、ってな具合にあそこの暗くて狭い衣装棚の中で自画自賛してたのにさあ。まったく、詰めでこうなるかあ。ま、これから殺しちゃえば大差ないけどさあ」


 喋りながら、フライはあと一歩でナイフがミサリナに届く距離にまで迫っている。

 その事実にミサリナは驚愕する。

 間延びした口調での会話。これもおそらく、目の前のフライという男のテクニックなのだ。そうやって引き延ばした会話をしつつ、こちらの意識の隙を縫うようにして、距離を詰めている。

 痛みと出血で少しぼんやりとする頭を必死に動かし、ミサリナはそう分析する。

 どうする。逃げる。駄目だ。逃げきれない。出血しているし、そもそも背中を向けた瞬間に終わりだ。跳びかかる。殺される。相手の一撃を躱して、カウンターで反撃。できるのか、そんなことが。あのナイフの一撃の鋭さからして、相手はそれなりのプロだ。


 つまり、詰みだ。

 冷静な脳髄が、そんな結論を出してくれる。


 おそらくは目の前の男も、詰みだと結論付けている。

 あと一歩で届く間合いを、更に縮めようと体重を前にかけた、瞬間。


「修羅場だね」


 互いの存在に集中していた、ミサリナとフライの二人とも、その突然の声に不意を突かれ、反射的にその声の方を向く。


 部屋の出入り口、人影が二人分。


 赤いローブ、のぞくのは褐色の肌と鋭い目。

 レッドソフィーの聖女、スカイ。


 そしてスカイの陰に隠れるようにして、黒いスラックスと白いシャツの男。黒髪と黒い瞳。まさか。

 目を疑い、そしてミサリナは眩暈を感じる。それが、出血のためなのかその男を見たためなのか判断できない。

 やつれて、全身に縫ったような傷がある。片足を少し引きずっているし、左手の開き方もどこか不自然だ。

 だが、面影がある。はっきりと、分かる。


「マサヨシ」


 名を呟いている。

 噂を聞いていて、しかし心のどこかでは生き延びているとは信じ切れていなかった、その男の名を。





 マサヨシ。

 そのミサリナの呟きに、思わず今度はそちらを向きそうになる自分の顔を、フライは意思の力で必死に止める。

 あれが、『ペテン師』だと? まさか。死んだはずだ。フリンジワークもそう言っていた。だというのに、馬鹿な。偽物? いや、このミサリナの反応は。直感的に分かる。本当だ。これは、本当にあの『ペテン師』なのだ。


「ほら、言ったでしょ、意外とこういうところに戻ってくるんだって、ミサリナは。欲深いからさ」


「そうね。けど、出会えて一安心という状況ではない」


「まあね」


 フライなどいないかのように、マサヨシは傍らのスカイと会話してから、


「さあて」


 片足を引きずりながら一歩、踏み出してくる。


 隣の聖女、標的の一人であるスカイもまた、それに合わせるようにして一歩前に出る。


 フライは瞬時に判断する。

 マサヨシはうまく体が動かないようだ。スカイは特に問題はないようだが、それでも訓練を受けた戦士というわけではない。ミサリナも同じく戦士ではないし、更に左手に深手を負い、出血も酷い。

 充分、皆殺しにできる。皆殺しにしてから、実は生きていたマサヨシを殺したとフリンジワークに報告すればいい。

 そうだ。それでいい。そうして、フリンジワークの計画は問題なく進む。そうやって、あの男の進む道の果てを見てみるんだ。

 躊躇は一瞬で、フライはすぐにナイフを構え直し、襲い掛かろうとしたところで。


「そっち」


 その間を外すようにして、マサヨシはのんびりとした声を出す。


「ほら、そっちに、窓がある。ちょっと小さいけどさ」


 そして、左手でぎこちなく指さす形を作って、フライの横に向ける。

 確かに、そちらに窓があるのは知っている。だがそれがどうしたというのか。そちらを向くような隙を見せることはない。


「小さいけど、あんたなら一瞬でその窓を潜って、逃げ出せるんじゃない?」


 言いながら、マサヨシは腰の剣を抜く。

 斜め前のスカイも、ナイフを構える。

 馬鹿馬鹿しい。鼻で笑いたい衝動をフライはこらえる。


「三対一だしさ、どう?」


「俺は追い詰められてなていないさあ。何を言ってんのかなあ? 一瞬で、全員殺せるさあ」


 思わず言ってしまってから、フライは悔やむ。

 しまった。相手は『ペテン師』。会話をするべきではなかった。

 だが、そう後悔した時には。


「そうかな」


 マサヨシの沼のような眼に、フライは飲み込まれるような気分になっている。彼の声から意識を外せない。


「確かに実力的には三人合わせてもあんたには及ばないけどさ、ほら、見て分かるでしょ、全員、命を捨ててるんだよ」


 その言葉に、はっとする。

 それは、はったりではない。フライには分かる。

 ミサリナも、スカイも、むしろ命を捨てたいのかと思わせるような気配を漂わせている。ミサリナもスカイも、似た目をしている。相打ちを望んでいるような狂犬の目。


 そして、マサヨシ。その男の目に渦巻いているものが何か、フライには判断できない。

 死にたいのか、そうではないのか。まるで命という存在そのものを冒涜しているような底なし沼。


「相打ち覚悟の三人とやって、本当に勝てるかな?」


 勝てるのか?

 フライの頭に疑念が差し込まれる。

 まずい。よせ。何も考えるな。奴の術に嵌るな。

 何も考えず、襲い掛かればいい。


「例えばさあ」


 だが襲おうというフライの考えは、驚愕にかき消される。

 一瞬の、勝てるかどうかという疑念が挟まった、あの瞬間。その瞬間に、いつの間にか、マサヨシはスカイよりも一歩前に出ている。距離を詰めてきている。

 まるで、自分がいつも標的にやっているかのようなことを、やり返されている。


「俺達三人とやりあって、で、ミサリナとスカイは殺せたけど、俺は殺せずに、あんたがやられちゃったとしたらさ、それでいいわけ?」


 心を閉じようとするが、勝手にマサヨシの言葉はシミュレーションとなってフライの脳髄に忍び込み、上映される。その光景がまざまざと映し出される。


「そうなると、俺が生きてて、しかもトリョラに戻ってきていることが、フリンジワークに知らされないままになるじゃんか。ここはさ、万が一を警戒して逃げ延びて、フリンジワークに報告するべきじゃない? 『ペテン師』が生きていますってさ。その方が、計画のためだよ」


 止めようと思っても、止まらない。

 強制的にフライの脳髄はマサヨシが生き延びたまま自分が死ぬ可能性と、その場合のフリンジワークの計画へのデメリットを、そして、ここから逃げ出して報告を完了した場合の計画へのデメリットを、それぞれ計算し、比較してしまう。


「う」


 そして、そのうめき声は、フライのものだ。


 どうしようもないその計算に脳と意識が使われてしまった隙に、既に。


「はは」


 マサヨシはもう一歩、大きく前に出ている。あと一歩で、フライの殺せる範囲に入る。剣は構えていない。ぶらりと、右手に持って自然にぶら下げている。

 そして笑っている。口を三日月のようにして笑っている。なのに目は笑っていない。渦巻いている沼のような目が、フライを飲み込もうとしている。


 どうする。殺すか。逃げるか。どうすればいい。どうすれば。待て、殺そうとした時に、奴が何かを仕込んでいるということはないのか。相手は『ペテン師』だ。

 計算が頭から氾濫しそうだ。フライはほとんど、混乱しつつある。

 馬鹿な。圧倒的に有利なのはこちらだ。


「はははは」


 笑いながら、呆気なく、マサヨシはもう一歩、無防備に、大きく踏み出してくる。互いに殺せる間合いに入る。笑っている。目は沼のようで。


 そして、フライは自分の全身に鳥肌が立っていることに気づく。寒気。

 混乱というレベルではない。自分は、恐怖している。目の前の存在に。

 怖い。恐ろしい。理解できない。測れない。まるで、まるでフリンジワークのように。


 無言でフライはナイフを投擲する。


 大きくバランスを崩しながら、マサヨシはそれを避ける。


 その隙に、フライは背を向けて、窓に向けて走る。小さ目の窓を、全身を蠢動させるようにして一瞬で潜り抜ける。

 駄目だ、立ち止まるな。逃げ出した振りをして隙を突こうなどとは思うな。

 今は、逃げるんだ。全力で。あの男と関わるな。

 フライの脳では警鐘が鳴り響いている。

 そのまま、後ろを振り向かず逃げ続ける。

 何も先に、フリンジワークに報告しなければ。





 交渉術の基本だ。

 プレッシャーをかけられたり、リスクを強調されたりすると、ほとんどの人間は一番安易な道を選ぶ。


 『一時保留』だ。


「殺しそこねたね、俺達を。後悔しなきゃいいけど」


 窓の外、凄まじい勢いで小さくなっていくフライの背中を眺めて、マサヨシは呟く、

 前の世界と、まるで変わらない。

 人を『一時保留』に誘導するのは、驚くほど簡単だ。



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