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化粧っ気のない顔で森の奥の川に足をいれ涼んでる少女が1人。華奢な体、平均より幾分低い身長、他者を寄せ付けない森で凛と座っているその姿はとても優雅で、とても神聖な生物のように見える。
実際は少し違う。そこにすわっている少女はこの国の巫女の末子、蒼月雛華だ。
巫女としての業務をいつも通りさぼり、誰にも見つからない秘密の隠れ場所でのんびりとボーっとしているだけだ。特に何かを考えているわけでもなく、ただ時が過ぎるのを待つだけという感じだ。
彼女が巫女の仕事をサボっているのは、一応の訳がある。
元来、真面目な性格の彼女はきちんと仕事に取り組んでいた。しかし、才能がないのか占いや予知、果ては民に送る祝福の儀の時でさえ失敗してしまうという典型的な落ちこぼれだった。それに周りにいるのは、優秀で美しく、才能溢れる姉達。否が応でも比べられ、どんどん卑屈になっていき、だんだんと神殿に顔を出すのが億劫になってしまったのだ。そのことを、彼女の兄達は、攻めることなく、末っ子という立場から甘やかされ、今のサボりという状況につながっているのだ。




