0
「本気か?本気であの子にこの任務をかせる気か?」
「ええ。あなた、心配しないで。あの子は私たちの子よ。それに、それに星があの子に行けと言っているのよ」
「しかし・・・・」
「大丈夫よ。大丈夫。あの子ならきっと・・・。雛華なら・・・」
緑王国。自然豊かで資源豊富。神の声を大切にし、星からの導きの声を聞ける巫女の話に従い繁栄を続けている大国。現国王、李翔鷹統治の下、更なる繁栄と平和の為巫女や騎士が力を合わせ国民の為に力を捧げている。
国王が住まう玉緑宮の奥の奥の離宮。緑王国の為だけに力を捧げる巫女の一族が住まう屋敷がある。近くには、この国最高峰の神殿があり、現最高位蒼月千華が毎日祈りと導きの声をきく役割をになっている。
千華には次期最高位候補となる3人の娘がいる。長女の七華。知の巫女と呼ばれ、学問に精通しており、その知識の多さは国のトップと言われる学者の舌をうならせるほどと言われている。
次女の皆華。先読みの巫女と言われており、占いや予知などに力を発揮し、神の力を使って行う先読みの儀式では99%の確率で当てることができると言われている。
そして蒼月家にいる7人の子供の中の一番下の位置にいる末っ子、三女の雛華。甘ったれで臆病で、目立つ姉や兄の後ろのいつも隠れている落ちこぼれの娘。母の千華いわく、歴代の中で随一の力を持ち、主に癒しの力に精通しているというが、まだその兆しはなく、本人の性格と甘やかしの多い兄たちのおかげで未だに国の為に能力を発揮できてないという状態だ。
巫女達は神にもっとも近いし存在として位置づけられており、王同様国民にとって敬うべき対象なのだ。