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青森県産ニンニクの女

フラれて半年たった頃、

悪友のりょうすけに誘われた合コンで

知り合った娘をうまいぐあいに口説き

二人でホテルにいった時に

おこった事件もこれでやっと

つじつまが合う。


シャワーを浴びて出てきたAちゃんのバスタオル一枚姿を見たとき、

ラブホテルマジックにかかった。


ロンリーハートやさぐれMIX状態の

俺には、

普段の評価がDダッシュ程度の彼女が

Aマイナーに見えるという、

ラブホテルマジックにかかった。


ホテルに入る前までは、

「顔をみないようにしよう」

「パイパイには期待が出来そうだ」

「とにかく生裸」

などとAちゃんの不細工さを

どうにかカバーしようと必死だった。


特に顔の中心部に君臨する

まんまるな団子鼻、

縦に真っ二つに切った

青森県産ニンニクを見ると

起つものも起たないと断言していたほどだ。


がしかし、ここはラブホテル。

ラブホテルマジックは人の判断を

極限までに鈍らせる。


顔をみても顔の中心部には

いい具合にモヤがかかり、

水が滴る色気のあるうなじや

バスタオルからはみ出ている太ももが

俺の判断をもっともっと鈍らせる。


気がつけば俺はAちゃんを抱き寄せ、

疾風のごとき早技で上着とズボンを脱いで、Aちゃんの首筋にすいついていた。


が、首から胸へと移動させようと

したちょうどその時…

Aちゃんがわざとらしい喘ぎ声をとめた。


「ん?」と一度顔を離す。


「誰?」と怪訝な顔をするAちゃん。


「え?」と聞き返す。


「ゆうって誰?」

と小さな目をひん剥いて俺をにらむ。


「え…」


答えることは簡単だが、

俺は黙っていた。


そのうちに、チュウしたら

うやむやになるんじゃねーか

という考えがぼやっと浮かび、

実行に移す。


が、Aちゃんは手をエックスに

クロスさせて防御、

うやむや作戦は失敗し、

俺はクロスされた手越しに

Aちゃんの顔を見て、

団子鼻を直視。


本当に、起ってたものが萎えしぼむ。


「ってかさぁ、それって最近フラれた彼女の名前?」

とたわわな乳を布団で

押さえながら俺に咆える。


「あー…」

と少しニヤけて彼女を見る。


「最低。」

といい、布団を体に巻きつけながら

服を持ってバスルームへと向かうAちゃん。


俺はそれをニヤっとした

間抜けな顔で見ているしかなかった。


弁解したかったが、

Aちゃんの言っていることが

信じられなかった。


この俺があの興奮MAXのときに

まさかあのこの名前を口走るなんて…

信じられなかった。


もちろん、自分で言った覚えは

全くない。


これまであの娘とのエッチの時でさえ

そんなこと言った覚えは一度もない。


だとすればAちゃんの狂言だ。


俺との情事に違和感を覚え途中で怖気づいたに違いない。


そうだ、きっと。


だが、服を着替えて出てきた

Aちゃんの小さな目に涙がうっすらと

浮かんでいたのを俺は見逃さなかった。


うっすら涙にこの表情…。


ガーン。


俺は、合コンでひっかけた娘との

エッチのときにフラれた彼女の名前を

ささやいたようだ。


完全にイカレポンチだ。


完全にヤバイ、ヤバイ、ヤバすぎる。


これは、非常事態だと感じた俺は、

その後の半年間誰とも裸で交わることは

なかった。


そんなイカれたことをささやく

自分が怖かった。


自制心を無くしている状態になってるときにそんなことをささやいている

自分が本当にものすごく怖かった。


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