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「どう?着れたー?」
間延びしたイケメンの声が廊下から響いてくる。着替える間、席を外してくれたのだ。めっちゃ紳士。
「はい。丁度いい感じです」
「それは良かった…ちょっと胸はキツそうだね」
確かに胸周りは締め付けられるような感じがあった。だが我慢できないほどではない。
「これぐらい平気ですよ」
そう伝えると、イケメンは苦笑いを浮かべた。意味わからん。
イケメンがくれた服は、紫色のアラビアンなものだった。ほら、ベリーダンスをする人が着るようなやつ。ダボッとしつつも、おへそがチラチラするセクシーな服。ブレザーなんかと比べものにならないぐらい涼しい点も二重丸だ。
「まぁ、でも、着れて良かったよ。じゃ、ご飯食べに行こうか」
はい、とイケメンに返事をしながら俺はブレザーを綺麗に畳んでいった。