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「ユウ…ユウ…起きろ…」
「…ん…」
異世界でも二度寝の気持ち良さは変わらなかった。もう少しだけ、そんな考えで頭がいっぱい。誰かが俺を起こそうと呼び掛けているが、俺の意識は夢の世界へと引き寄せられていく。
「ユウ、お・き・な・さ・い!!!!!」
この頬をひっぱる感触は…
「…ジヴァふゃん、おひるからやめてくだひゃい…」
この人、思いっきりやるから地味に痛いんだよな。なんて思いながらゆっくり目をあけると見目麗しいジヴァさんとシャーさんが俺の顔を覗きこんでいた。
「…!?」
思いがけない人物が目に入り、俺はバネ人形のように飛び起きた。状況が理解できない。
「ここ…俺の…部屋…」
「あぁ、そうだな。おはようユウ」
朝の陽ざしのなかで微笑むシャーさんはいつにも増して輝いていた。(当社比)