表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あらびあんないと!?  作者: つかさ
褐色の王子様?
23/28

10

 「ユウ?」


 その声に振り替えるとシャーさんが部屋から顔を覗かせていた。


 「すみません、お待たせして…」


 「ユウ、何があった。顔色が悪いぞ」


 何でもありません、と何とか笑みを浮かべながら俺は部屋へと足を進めた。そんな俺をシャーさんは無言で迎えいれてくれる。部屋へ入り酒を置き、席につく。同じように腰をおろしたシャーさんが心配そうに俺を見ていた。その視線に俺は苦笑し、観念してワケを話すことにした。


 「今、そこでお客さんに道をきかれて。それに俺ビビっちゃって」


 誤魔化すように笑ってみたけれど、シャーさんの表情は変わらなかった。


 「思い出すのか?」


 主語はなかったけれど何のことか明らかなので、そのまま話を進める。


 「そのうち慣れますよ。最初よりだいぶ良くなってきたし」


 「荒療治だな」


 「良薬は口に苦し、ってね」


 ようやく心配顔をといて苦笑いするシャーさん。今度は呆れているかな。でも自分でもどうしようもないのだ。催眠術でもかけれもらえば解決するのだろうか。この世界に催眠術があればの話だけれども。


 「あぁ、でもね」


 「ん?」


 口を閉じたままシャーさんが返事をする。この一見素っ気ない返事を俺は気に入っていた。


 「こんなに平気になったのはシャーさんのおかげだよ。俺が嫌がらない範囲で優しく接してくれたから、大丈夫だって思えるようになってきたんだ。良薬だったけれど苦くなかったし。むしろ甘すぎ?本当、感謝してる。ありがとう」


 「ユウ…」


 ちょっと茶化しながら感謝を伝えてみた。結構、恥ずかしいな。ちらりとシャーさんを見るとイケメン面がだらしなく緩んでいた。背後に花が見えるのは気のせいだよな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ