4
イケメンに連れられてきたそこは、爽やかな朝にも関わらず退廃的な空気がただよっていた。というか、何だかとても18禁のにおいがするんですけど。
「ビックリさせちゃったかな?ここ夜のおねーさんたちの街だからね。でも危ないことは無いから平気へいき」
ほらほら固まってないでこっちだよ、とイケメンは俺の腕を優しく掴んで促した。そうして連れてこられたのは、どこかの店の裏口だった。トントン、とイケメンがノックするとはぁーいという甲高い声に続いて、ドアが開いた。そこから現れたのは、俺が着ている服より格段に色っぽいものを着た小柄なお姉さんだった。
「あれぇ、ジーニーじゃないのぉ。ご無沙汰」
「おひさ。相変わらず可愛いーね」
そう思うなら今夜…なんていうアダルトな会話を交わす2人を見ながら俺は今さらながらイケメンの名前を知ったのだった。
しばらくやり取りを続けていたジーニーなるイケメンは今夜は無理だからまた今度ね、とお姉さんを宥めると一人の女性の名前を口にした。
「申し訳ないんだけど、ジヴァ呼んでくれない?」
「姐さん?ちょっと待ってね」
ジーニーの頼みをハートマークを飛ばしながら了承したお姉さんは、パタパタと足音を立てながら扉の奥へ消えていった。