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女体化心霊少女と男体化言霊男子4 コミュ力社会

「あの霊媒師、女の子に見えるけど男なんだってさ」


「それは、どうでもいいけど、除霊は無理だよ。なにせ、霊の場所がわからないんだから」


「あとついでに、言霊少年っていうのも来てるんだってさ」


「それ、役に立たない人をバーター売りしてるだけでしょ?あっ。校門だ。言葉遣い気をつけないと」


学生が僕たちを噂する。


僕達は私立高校に除霊の依頼を受けにやってきた。


自殺した生徒の霊を鎮めたいが、居場所が特定できず、学校全体がカビやすくなっていた。


建物の資産価値は落ちてるのに、帳簿上は何も変わらないからとかで、現場の用務員さんは危機感持つ一方、なかなか学校側の協力は得にくい。


「あの子はCクラスだったから⋯⋯」


亡くなった生徒について、ある生徒は言った 私立あるあるだ。


学力で人間を格付けするのは社会の暗部。だけど、コネや家柄で社会が回るよりかは、色んな人に登竜門があるということでやむなく学力の順位付けは残されてきた。それは、この学校だけが特別じゃない。世界のどこにでもある話だ。


と、思っていたら様子が変だ。


「おはようございます。今日はいい天気ですね」


「おはようございます。いいネクタイしてますね」


どの生徒も本題に入る前に、まるで営業マンみたいな会話の入り方をする。


ネクタイは褒めているようで嫌味にも見える。大人みたいな会話術。


「なんでそんな格式張った会話を?」


「この学校、コミュニケーション能力でクラス分けしているんだ。学内の至る所に設置されているスマートスピーカーで会話を要約したものを先生が採点、優秀な生徒は良い推薦を受けられる。だから、この学校には表面上はきれいな会話しか⋯⋯」


生徒は言い淀む。先生にヒアリングする。


「うちのシステムはどうでもいいからさっさと除霊を。まあ、リーダーシップ人材不足が産業界から教育界に要望として強まっててね。数字で説明できる子がほしいんだ。我々だって評価される側で苦しいんだ」


亡くなった生徒と仲の良かった子の家に向かう。引きこもってゲームばかりしているという。


「ゲーム楽しい?」


「楽しいわけじゃないけど、ボタン操作間違って穴に落ちたら、愉快な音楽が鳴ってステージの中間地点からやり直せる。敗因を楽しみながら学び成長できる。失敗してもチャレンジしたくなる。学校や社会はこうはいかないからね」


「友達の靖くんいつもどこにいたか知らない?」


「わかんないけど⋯⋯。でもあいつ、英単語暗記アプリ休み時間に熱中してた。あいつなりの現実逃避だったのかも」


私たちは再び学校に赴く。タブレットを調べたいと申し出たが、セキュリティを理由に許可されなかった。


Cクラスの生徒にお願いして、こっそり持ってきてもらうが、パスワードがわからない。


「タブレットに生きてた頃の言霊が残っている。パスワードはOtagaisama2103」


パスワード解除すると悪霊が。


「祓い給え!清め給え!」


除霊完了。


「パスワードお互い様だったのか。2103は?」


「ともだちという言葉を表すポケベル数字だって」


「友達関係はお互い様⋯⋯。彼、学校のシステムの被害者だね」


「会話はうまくやるためのテクニックや心構えはある。でも、会話に点数や答えはない。答えがあるゲームのような会話を求め始めると昔ながらのお互い様の気持ちが切り落とされそれは穴になり、穴の中に賢い人間が裏技を作り込むようになる。裏技はたいてい人を傷つけたり心を空っぽにする。思いやりを裏技が取って代わる。やがて、コミュニケーションはWikiをながめて裏技攻略するソシャゲのようになる」


「ところで、心の性別を測定できるAIアプリあるんだけど」


「もうこりごりだよ」


僕たちの冒険は続く。

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