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続 女体化心霊少女と言霊少年

<笑平視点>


「きれいなお姉ちゃんだなあ」


「騙されるな。そいつは男だ」


「えっ!?こんなにかわいいのに」


僕の名前は、笑平。中学生だ。友達の落助にいじめられている。


「面白いことしろよ。そうだ!裸になって尻を突き上げろ!ギャハハ!」


こんなカッコ悪いこと親にも先生にも言えない。


ある日、見知らぬ男女が僕の前にやってきた。


心霊少女の霊子と言霊少年の魂太という2人組。なんでも、日々、悪霊と戦っているという。てか、言霊って何?心霊の下位互換じゃね?


「この学校から霊気がした。どうも、君の友達の落助って子が取り憑かれているらしい。詳しい話を聞かせて」


僕が、いじめの顛末を話すと少女は言う。


「関西人転校生の霊ね。話にオチを求めることがエスカレートしていじめに走るタイプの」


「それ、話聞くだけでも胃に穴が開くんだけど」


軽口を叩くふたりを落助のところに案内し、少女は除霊のポーズを取る。


「祓え給え 清め給え!」


落助の背後から霊が現れ、光り、そして、消えた。


次の日のこと。


「面白いことしろよ。一発ギャグ!」


そう言いながら、落助は蹴飛ばしてくる。


「いじめなくならないじゃないか!お姉ちゃんたちの嘘つき!」


☆ ☆ ☆


<霊子視点>


一方その頃、私たちはリビングでお茶をしていた。


「どう?いじめなくなると思う?」


「さあ、いじめの最初のきっかけの幽霊はとりあえず除霊したけど、それまでに固定化された人間関係がすぐ変わるというと⋯⋯あ、おばあちゃんまたテレビ見てる」


「ネットサブスクの時代なのに、お年寄りはテレビに馴染んできたから」


おばあちゃんは時代劇を見終え、言った。


「最近、テレビから、チャンバラ時代劇が減ったんだよねぇ。町娘がどんな悪代官にひどい目に遭わされてもスカッとするあの感じが懐かしい。最近は、ニュースが多いこと自体は悪くないんだけど、悪者をやっつけてスカっとするような作りばかりでねぇ。そういうのはフィクションに求めるものであって、現実の人間にバッサバッサやっていいもんかねぇ。そりゃ、悪い政治家が恥をかくのはスカッとするけどさ。それで、今より良い政治になるかというと⋯⋯」


「それだ」


何かを思いついた魂太に連れられ笑平たちの学校に向かった。


「君の人生、オチがなくてつまらないね」


「お、俺の人生が面白くないだって⋯⋯」


魂太の言葉に落助は、崩れ落ちた。予想外だった。そんなどうでもいい言葉で傷つくなんて⋯⋯。この子、僕にはとてもじゃないが予想がつかないことにこだわりをもっていたんだ。


「君は勘違いしている。人生は物語ではない。面白くなんてなくていい」


その言葉にいじめっこは静かに震え、そして、涙を流した。


笑平によると、その日以来いじめはなくなったという。


「人間関係に過緊張を強いられて生きてる人は開放感が欲しくなる。倒され役の人間を作ってやっつけられるのを見たくなる。やられ役を固定したくなる。でも、倒される人間がいる環境はますます過緊張になる。人生には本当の意味でのオチがない。スッキリする日なんて、いつまで待っても来ない。でも、愚かな人たちは、本当は存在もしないスッキリ体験を求める。偽りのひとときの解放を求めて、いじめはやめられない」


「それにしても。男の体にしろとは言ったけど、あんたの男だった頃の体にしろとは言ってない。あんたナルシストなの?」


「能力にも制限があるんだ。仕方ないだろ。女に戻そうか?」


「仕方ないなあ。元男子のあんたを女役に立てつつ、私は男役でいられるし、この関係性、宝塚や歌舞伎みたいで楽しんだよね」


「なんだよそれ。俺達の関係もオチある物語ってか」


「山なし落ちなし意味なしかな。ふふふ」


僕達の倒錯した関係は続く。

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