来世の肉体は先着順です
「あなたたちは死にました」
神様は言った。僕と神様と3人がその場に居た。
僕、交通事故のとき同じ車に乗っていた親友、あとは知らない2人。
全員男のようだ。神様は言った。
「次の肉体を選ばせてやろう」
プロジェクターに3軒の家が映し出された。
「4人がここに住んでいる。全員30歳だ。独身男、独身女、妊活中新婚夫婦。この4人は本人たちの希望で異世界に転生することになった。代わりに、本来、死ぬ予定だったお前さんたちの魂を宿らせてやろう。誰にするかね」
なんという究極の選択。俺は本当は親友のことが好きで恋愛してみたかった。もしかしたら、この機会に⋯⋯。い、いや、そんなこと白状するのは恥ずかしすぎる。変態じゃないか。
「俺、独身女がいいな。女子トイレも更衣室も入り放題じゃん。女なんてイージーでしょ。独身だったら男と恋愛しなくていいし」と、軽薄ですけべそうな男がそう言う。
神様は「いいだろう。先着順だからこの肉体はお前さんのものだ」
と、言うとその男の姿は溶けるようになくなった。
それに続くように別の男が
「お、俺も気楽にシングルライフ過ごしたい。40歳でFireしてゴルフ三昧するんだ」
と、言ってその男も姿を消した。
親友は「夫婦の体しか残ってないのかよ。まあ、普通に考えて男でしょ」
と、言うと溶けていなくなった。
の、残されたのって親友の奥さんだけじゃないか。
女になって親友に尽くすの悪くないかも、でも、そんな願望を口にするのは恥ずかしいかも。
「余った、妻の体をお前にさずけよう」
眼の前が暗くなった。そして、目を覚ますと、見知らぬ男の笑顔が。
「まさか。お前が俺の妻になるなんてな。性格は俺の理想の異性に近い。お前が女の体を得てくれてラッキーだよ」
お姫様抱っこでベッドに運ばれる。ぼ、僕、これからどうなるの?




