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ムレスズメ  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
売れない作家のリトライ
30/38

第二十九話「立波 相哉──④」



 長い夢を見ているようだ。


 いつからだろう。

 ボクが小説家を目指し始めたのは。


─────────────[過去]


 ボクが雛子(ヒナコ)と同棲し始めたのは、付き合ってから……いや、あの時はカウントに入れれないよな。


 雛子と付き合いだしたのは、二十六歳の時だった。

 偶然にも、あるカフェで出会ったんだ。


 二人掛けの席があるテーブルに座り、ブラックコーヒーを飲んでいると、奥の席に見覚えのある女性が座った。


 すぐに分かった。

 それが、木陰(こかげ)雛子(ひなこ)だって。


 たまたま、偶然を装い……いや。本当に偶然だったね。

 ボクは席を立ち、勇気を出して雛子に話しかけた。

 すぐに思い出してくれたみたいで、そのまま同じ席で話した。


 その時、持っていた一話分の原稿用紙を、彼女に見せたんだ。


 彼女は面白そうに読んでくれた。

 その笑顔に、もう一度救われた。


 だから、よりやる気が出た。


 それから、再び連絡を交わし始め、二十六歳の時に正式にお付き合いを始めた。


 ボクは夢を捨てきれず、執筆活動をしながらバイトをして、少しでも生活費の足しにした。

 その間も雛子は、学校の教師として勤務を続けていた。


 その頃には、悩みもないみたいで、仕事が楽しくて仕方がないって喜んでいた。


 だから、後はオレが……。



 もっと、頑張らなきゃいけなかったんだ。



 あの日、自分のことを(つづ)ろうと書き始めたあの日から。


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