第二十八話「+」
家に帰るまでに、"テーマの真髄"を語ろうと思う。
まあ、理解している人からすれば、なんて事ないモノだが。
『メインテーマ』
『テーマ』
『真髄』
この三つで話していこうか。
まあ、『メインテーマ』と『テーマ』はすでに話したからな。
ここでは、例文として使わせてもらう。
まず、『メインテーマ』を『夏休み』としよう。
続いて『テーマ』だ。
テーマは『失恋』だ。
ここまで聞けば、"夏休みに失恋が起こった"。
と、いうことまでは分かるよな。
ここからが『真髄』だ。
カッコよく言ってるが、まあ、"テーマを+する"だけだな。
一つのテーマの中に複数のテーマを入れればいい。
つまり、『複数のテーマ』こそ真髄なんだ。
この場合、夏休みは期間が長い事がわってるだろ?
一ヶ月もあるんだ。
なら、その間に起こる出来事はいくつある?
リアルでも、家にこもってない限りはそれなりに起きるハズだ。
そう、本筋のテーマは『失恋』だが、そこに他のテーマを組み合わせてやればいい。
それによって物語を、ハッピーエンドかバッドエンドにするかも決めやすくなる。
どういう事かって?
失恋と聞けば、ほとんどの人がバッドエンドを想像するだろう。
でも、例えばそれが、主人公の人生にとっては結果的に別れて良かった。となるような選択肢を作ってやればいいんだ。
なぁに、簡単だ。
元カノの性格が最悪だった。
元カノは浮気していた。
主人公が元カノの為に別れた。
とかの理由をつけてやれば、失恋してもそれはプラスに捉えれるだろ?
そして、ここから、『真髄となるテーマ』を追加すればいい。
この時にどう追加したら良いのか分からなくなるヤツがいる。
安心しろ。ちゃんと教えてやる。それは──
──主人公を"どう動かしたいか"を考えろ。
今、この主人公は失恋しているんだ。
何も知らない周りから見れば、バッドエンドの真っ只中だな。
でも、本人はそうじゃない。
むしろ良かったところだ。
そして、ここから"ハッピーエンドにするなら"、夏休みの間に『出会い』を追加しろ。
その後に、『発展』を描き、『アクシデント』を描け。
そこを『解決』させ、『新たな恋』へと発展させる物語を完成させるんだ。
さらに付け加えるなら、その『出会い』にも別のテーマを挟めばいい。
『共通の行きつけカフェ』なり、『図書館の本に挟まれたメモ』とかでもいい。
『アクシデント』なら、『川に溺れたネコを助けた』とか、『いじめっ子を助けた』とか色々ある。
そして、最後はその真のヒロインと結ばれてハッピーエンドってなるわけだ。
テーマは無限大だ。
付け加えたいテーマを入れる事で、話の内容が自然と増していくんだからな。
それに、ワンパターン化も防げる。
逆に"バッドエンドにしたい"なら、『夏休み』の最後に『失恋』を持ってくるんだ。
始まりはすでに付き合ってることになっている。
そして、途中のエピソードを挟み……
"中盤から崩壊させる"のか
"最後にどん底に落とす"のかを考えろ。
その途中の『話の濃さ』によって、"絶望の感じ方は異なる"。
だんだん壊れていく方なら、主人公の『心の変化』の"描写を書く回数が増える"。
これによって、普通一回で終わる可能性がある悲しい場面も、何度も比喩表現を使い表現可能だ。
少しずつ、心の変化を"読者に刻み"、感情を揺さぶるんだ。
そして、その先は教えない。
バッドエンドなら、その結末を読者の想像に任せればいい。
まあ、書いても問題はないがな。
逆に一気にどん底に落とす方なら、『驚くような展開』が必要だ。
終始、読者に、"上手くいき過ぎていた"ということを与えて心を満たさせ満足させる。
だが、実は"ラストに衝撃の真実が"ってパターンだ。
実は恋人が殺人者だった。とか
そもそも、恋人は全て主人公の作り出した妄想だった。とかでもいい。
作中の途中に、『伏線となる出来事』や『違和感』を与えておくのが、後に繋がる「あっ」と驚かせることが出来る要素になる。
だから、難しさは増すが
その辺は『プロット』をしっかり練っておけば簡単だ。
ラストが決まってるなら、その『ヒント』をエピソードやテーマの中に、小出しに書けばいいだけだからな。
書いた後にやり直しも効くなら、やり直せばいいし。
とまあ、こんな感じだ。
一番大事なのは、主人公を"どうしたいのか"。
"どう動かしたいか"だ。
これさえ意識すれば、物語は書ける。




