第二十五話「お決まりと狙い撃ち」
本屋に立ち寄ったオレは、一冊の本を手に取るも、あらすじを読んで棚に置いた。
「まあ、タイトルは唆られたが……あらすじが普通だったな。」
これならある程度の物語が想像ができる。
もっと謎めいたものをオレにくれよ。
続きが気になるような、考え、悩み、紐解き終わった後の余韻を楽しむような。
読むペースを早めてくれるような作品をッ!!
「にしても、本の数って多いなぁ……」
「作家志望と比例すれば、これでも少ないくらいなんだろうけど。」
好きなジャンルは結構ある。
てか、むしろ嫌いなジャンルとかあるのか?
あ──……まあ、読もうする気がなかなか起きないジャンルも、ない事はないが……
だからといって、嫌いなジャンルな訳ではないしな。
漫画とかだったら、やっぱファンタジーだよな。
王道なら王道なほどいい。
面白いからな。
恋愛も嫌いじゃない。
でも、どっちかと言うと、アニメで見てみたい派だ。
声優の演技や、細かな仕草が分かりやすいだろ?
それによって、リアリティさが増すんだ。
だからより仮想恋愛しているような体験ができる。
ファンタジーは、漫画でもアクションシーンが迫力あるし、動きのコマが想像しやすいからな。
アニメになれば、それはそれで躍動感が増して、より素晴らしくなる。
あとはなんだ?ホラーとか、ミステリーか?
ん──……けど、ミステリーは正直、小説やドラマが良いし。ホラーなら映画一択だな。
これも個人によっては、媒体で違ってくるからなぁ〜。
それでいうと、小説なら逆に純文学とかはアリだ。
伝えたい事を"文章に乗せて"書けるからな。
表現次第で、『感情』や『背景』を読み取る事ができるのが魅力的だ。
特に、"空間の静けさ"を感じる時は感動する。
心が揺さぶられるんだよな〜。
また、その個人の"読解力"にもよるが……"想像の自由"もあるしな!
例えば、AとBの人物が同じ本を読んで、同じ文章の表現について──
全く同じ事を感じて話すこともあれば
全く異なる事を感じて話すことだってある。
似たような感想だってそうだ。
要は『感受性』や『知識』、物をどれだけ知ってるかの違いかもな。
あとは、『経験』も関係してそうだ。
『波長』が合えば、自ずと両者の考えてることが似たようなものになるのも、人の良さだ。
伝えなくても分かる。
その関係性が一番理想的だ。
まあ、そこに至るまでの『信頼』と『信用』が関係地に比例していくがな。
ほんと難しいよ。
人の気持ちを理解するのは。
─────────────
「そう考えると……」
季節もののテーマはどんなのが良いかなぁ。
今は春だし、もう四月の後半だ。
今から公募を目指すなら………
夏まではあと半月もねぇのか。
なら、春は間に合わんな。
短いスパンで考えたところで良い作品にはならん。
設定を練る時間は作りたい。
となると、夏に向けての公募を目標として、ターゲットを絞り込むか。
夏……夏といえばなんだ。
海。花火大会。夏祭り。ひまわり。スイカ。かき氷。夏休み。そうめん。風鈴。蚊取り線香。お化け。
とかか……一般的にはこの辺りが浮かぶだろうな。
あ、あと雨とかもあるか。
梅雨時だしな。
そして、大体お決まりなのは、『組み合わせ』だよな。
公募の『テーマ』だ。
そう────、『ジャンル』×『テーマ』を組み合わせてくる事が多い。
だから、普通は発表されてから書き出すのが良いんだが……まだ日数はある。
先行してある程度ジャンルとテーマを絞っておけば、あとはそれを含むものを選考すれば良い。
分かりにくかったか?
つまり、まずは『ジャンル』だな。
大体、ネットでの公募で書籍化させたいジャンルは決まってる。
ほとんどが、『恋愛』か『ファンタジー』だ。
だが、近年では『ホラー』や『ミステリー』なども、受賞されやすくなっている。
まあ、人気作が出て、注目を浴びたからだな。
読者もそれを求めてる割合が増えてきたんだろう。
ありきたりな王道ジャンルから、さらに金を搾り取ろうと他のジャンルを攻め、読者の路線を増やす。
まあ、作家のひよっこからしても、公募のルールとしては優しくなってありがたいしな。
Win-Winの関係ってわけだ。
だからこそ、『指定』された公募は"渋い"。
が、"逆にチャンス"でもある。
渋い理由としては───
期間内に一から執筆しなければならない事。
その"テーマに沿った内容しか書けない"から、自由度が低くなりやすい。
つまり、書いていて"筆がのらない作品"になってしまう可能性が高いんだ。
書いてて楽しくないと、そもそも書きたいと思えなくなるし。
アイデアが浮かばなくなる。
逆にチャンスがある理由としては───
純粋に"応募される作品の数が減る"から、"選ばれる確率が上がりやすい"ってこと。
他より、オリジナリティのある独自性を持った、キャラも物語も面白い作品を出せば、より選考される確率が高くなるわけだ。
だから、今回は───あえて狙い撃ちの方向性でいく。
あくまでも、"ジャンルは安定させる"が……
テーマは『予測』と『自由度』、そして、『書きたいもの』で選考する!!
まあ、ジャンルは『恋愛』が無難だろうな。
『夏』と『冬』のイベントといえば、相場は決まってる。
夏といえば、学生のオアシスとも呼べる───"夏休み"!!
そして、冬は"クリスマス"だッ!!
この二大イベントにおいて、『恋愛』のテーマが利用されない訳ないんだよッ!
だから、無難に『恋愛』は募集される。
まあ、こんなのは考えたら誰でも分かる。
今までがそうだったし、これからもそうだろう。
カッコつけて宣言したが、そりゃそうだろ。
の一言で済まされるだろうな〜ははっ。
ただ、ここからが真髄だ。
テーマだよ。テーマ!
まあ、"テーマも簡単"だが……『メイン』はもっと先にある。




