第十六話「柔軟な発想」
さぁ!トリックを考えようかッ!!
主要トリックは凶器消失だ。
まあ、シンプルで良いなら、氷が凶器で溶けて無くなったが無難か。
それもいいが……調べると他にも出てきた。
だが、どうせなら少しだけオリジナルで考えたいな。
「凶器は……"無くなっても違和感がない"物。」
そう、そこが肝だ。
元々はそこにあって、無くなったことに違和感が無ければソレで良い。
鈍器で頭を殴って殺す。
死因はこれだ。
氷のブロックで殴るか?
いや、それだと舞台を水場にしなきゃいけない。
部屋の中で死体のそばに水があれば、すぐにバレるからな。
そんなの探偵じゃなくても気付くな。
鈍器で殴ることで、血が付く………。
───まてよ。
「そうか」
血が付いて"いなければ"良いんだ!!
あとは………舞台だな。
・
あっ、凶器も犯人が持ってなきゃダメか。
「難しい。」
アイデアは良い線いってるんだけどな。
凶器を先に考えた方が楽そうだ。
犯行に使われた凶器……身近な物で、硬さがある物。
───『スマホ』か。
そう。場面問わず、今や誰もが持ち歩く物だ。
なら、後は場所だな。
どこかの宿泊施設なら、凶器となる物が少ないか?
部屋の中がなるべくシンプルな方が良い。
あ、でもソレだとダメだ。
被害者の自宅じゃないとダメだ……。
じゃなきゃトリックが成立しない。
なら、"自宅にある物"を凶器にしなきゃダメか?
いや……別に"使われてなくても"良いのか。
やっぱりスマホに……いや。被害者の自宅に行くのであれば、犯人候補は三人くらいだ。
そして、容疑者候補がいない時に事件が起き、警察に通報。
ただ、そのままその場で、証拠が見つかんなきゃダメだ。
「あぁぁっ!! でも、そうするとどうやって事件現場に探偵を呼ぶんだ?」
「クソッ!! 難しすぎんな!」
一個解決すれば、いくつも次々に問題が出てくる。
それら全ての矛盾を無くさなければならないのか。
ハハッ……。上等だッ!やってやらぁ!
とりあえずだ。
・・
オレが思い描くあるモノを消失トリックとして使うための条件がいくつか必要だ。
①殺害現場は被害者の自宅じゃないとダメなこと
②凶器は犯人が持っていなければならない
③犯人は必然的に知り合いになるな
④容疑者候補のアリバイも必要だ
⑤警察が来るのはいい、だが探偵をどうやって来させる?
⑥当日に解決しなければならない
これが今クリアしなければならない現状の条件だ。
なかなか課題があるな。
まあ、一番ネックなのは、どうやって探偵を殺害現場に来させるか。
と、いうことと、犯人の犯行タイミングだ。
アリバイを作るにも、容疑者三人の内、一人だけいなければソイツが犯人だからな。
「いや、固定概念に囚われちゃダメだな。」
そもそも、容疑者は"その場に集まって居なければ"、この問題は解決しないか?




