第十五話「さぁ!トリックを考えようかッ!!」
『トリック』
人によったらここが一番悩む人が多いかもな。
まあ、実際かなり難しい。
何が難しいって、知識がないとそもそも"トリックが思いつかない"んだ。
物事において、無から何かを始めるよりも、初めからできてるものを真似した方がスムーズに出来るだろ?
それと同じだ。
殺人トリックなんて、やらなきゃ思いつかないんだからな。
普通は、その為にやるヤツなんていないだろ?
だから分からない。
そこで、先人達の知恵を借りようって話!
すでにある、何通りものトリックの手法を調べること。
まあ、簡単に例を出すなら……
ダイイングメッセージを残す
凶器消失
犯人しか知り得ない情報に気づく
アリバイ崩し
死体移動
密室トリック
とかだな。よく耳にしたことがあったり、どこかで見たような犯行トリックだ。
難易度によって異なるが……結局、物語と合わせるならどれも考えなきゃいけないし、難しい。
さらに、これ以外にも要素がある。
『心理的な要素』のトリックなら、ある人物への思い込みや、ある物事への錯覚といった「心理」の裏を読んで作るトリックだ。
思い込み、人間ならやりがちだよな。
オレだって思い込みをすることは人生の中で多々あった。
次に、『物理トリック』
コイツは、物体の特性や機械を使用したトリックのことだ。
まあ、氷が狂気で溶けたから無くなったとかな。
凶器消失と合わせることだって出来る。
そして、『アリバイトリック』
これは、犯行時刻を偽装するトリックだ。
知り合いに真実を告げたり、告げなかったりしながら、協力させたり。
行きつけの店によって、その人に自分がその時間にいた事を証明させるってやつだな。
犯行時刻の誤魔化しは、ドライアイスや氷などを使って、体温を下げることで腐敗の時間を遅らせる事で、犯行時刻の日付をずらすとかだな。
その逆もあるのかは知らんが、まあ、ありそうな気もするな。
腐敗を進ませるとかか?
まあ、その辺は調べてみないとだな。
そして、その間に自分はアリバイを作る。って訳だ。
続いて、『一人二役トリック』
こいつは、犯人が存在しない人物を演じることで、容疑を自分からそらそうってトリックだな。
架空の人物を作って成りすましたり、嘘の証言を言ったりとかだ。
ただし、その架空の人物の格好で、実際に人の目につかないと意味がない。
他の人も証言する事で、信憑性があるからな。
次は、『顔のない死体トリック』
まあ、ありがちだな。
死体の顔を潰して別の人物と入れ替えるトリックだ。
ホームレスとかがよく使われるよな。
お金を家族に払うから。借金を返すから。とかの理由で、身代わりに死んでくれ。ってお願いするやり方な。
最後に、『叙述トリック』
これは、少し特殊で……犯人が行うわけではない。
作者によって行われる操作だ。
意図的な言い落しで、文章の解釈を誤らせることだな。
まあ、分かりやすいのは……。
作中において、名前や性別を意図的に隠す。
犯人視点での話を作り、序盤から中盤までは探偵が間違った推理をしていく。とかだな。
作者によって、間違った犯人を本物の犯人と勘違いさせるやり方だ。
と、まあ、こんな感じでまだまだ何通りものトリックが存在する。
そこに、それぞれのキャラの背景や、本筋の物語を入れていくってなると、相当大変なことがわかる。
だが、それだけに分かった時の満足度は高い!!
ソレがやめられなくて、ミステリ作家をやる作家もいるくらいだしな。
編集者や読者にいっぱい食わした時ほど、してやったぜ。って気持ちはミステリでしか味わえないだろう。
伏線とはまた違った快感だろうな。はっは。
さて、作品の『第一話』は……『作品の顔』となる。
だからこそ、飛び切りの展開を用意して、読者を惹きつけなきゃいけない。
それによって、続きを読むかどうかの判断をされてしまうからな。
"第一話が最も重要"だ。
かと言って、いきなり読者の混乱を招く訳にもいかない。
だから、叙述トリックは無しだ。
中でも分かりやすく、そうか!となりやすいのは……やはり、"凶器消失"とかだろうな。
密室トリックが思い浮かぶだろうが、それは読者の半分も理解はしてない。
ネタバラシで「へぇ〜、そうだったのか〜」となるだけで、過程を理解していないヤツらが多すぎる。
だから、万人受けするように見せて、理解しないと面白さが伝わりにくい。
対して、凶器消失は分かりやすい。
ネタバラシで、「だから、凶器がなかったのね!」となると、納得しやすくないか?
そこを利用する。
読者は理解しやすく、納得出来れば良いんだ。
難解な伏線を入れたところで、"見返してまで"は考えようとしない。
何故なら、読者は常に最新が気になっているからな。
過去の話はまた一気に読み返す時に読むだけだ。
例えば……漫画とかなら、過去の伏線になる場面を再び描く事で、そのことを思い出してもらおうとするだろ?
それで、その時の話とコマを見返すんだ。
でも、小説だと、それはやりにくい。
そもそも、見返すまでどこのページで、何話にあったかなんて覚えてないからな。
だから、なるべく一話目はシンプルで良い。
トリックのシンプルさを他で補えばいんだよ!
キャラの魅力や話の構成だ!
そうやって、読者の興味をそそる事が出来れば、自ずとファンは付いてくる。
その後はもう好きな事をやりゃいい!
だって、ファンになれば関係なく話を読んでくれるからな!
自分のやりたい難しいトリックでもいいし、キャラに焦点を当てた内容があったっていいだろう。
・・・・・・・・・・
その世界に没入させた時点でオマエの勝ちだッ!!
さぁ!トリックを考えようかッ!!




