足掛かり
海軍各艦艇が上陸支援をしようとしたが先行した航空隊などの情報で敵の沿岸防衛勢力は対していないことが分かっていたので展開する敵軍を航空隊に攻撃する程度の支援のみ行われた。この辺りは、支援勢力を支持する人が多い地域なので、特に民間人への被害を避けるように指示がだされた。現地の民主同盟会兵士と王国の偽装兵が合流をして、国王救出作戦開始の地である解放同盟本部のカルス城へと移動した。この地点が主力軍上陸地であり作戦全体の軍勢の30%である3万人が上陸をした。また多数の兵器も安全地帯であるこの地から上陸した。この三個師団に混ざり国王も上陸した。陸軍最高司令官との話し合いで今作戦の最高指揮権は、国王に移譲された。
上陸軍が司令部に到着すると、国王救出任務を終えた民兵部隊が帰還しているところだった。上陸時に持ち込んだ機材などのを設置し、指揮が可能な状態にすると、作戦会議を始めた。
現在、収容所方面の戦線は、上陸した王国軍2万人が支えている状況だ。まずは、全軍の指揮が可能なように、各旅団に通信中隊を編成した。民兵部隊と正規軍でそれぞれ指揮系統を整えた混成旅団が編成された。
軍の準備を完了すると、重要役職の人たちが仮設会議室に各民兵のトップと、各師団長そして、先に上陸していたポールたちと合流した国王で作戦会議が開かれた。現在の軍の配備状況は、収容所戦線に2万人、ここ作戦本部に3万人を配備しており、補給が安定し次第本部に2万人、収容所に3万人規模の追加派兵を行うことが決まっている。また、本土から戦闘機200機、攻撃機100機と重爆撃機50機が航空支援として参加することになっている。
メンバーがそろうと、ポールが現在わかっている情報を報告した。
敵軍20万人のうち、国民評議会との戦線に80%を回しており、15%を首都の防衛にあて、5%に当たる1万人がこちら側の防衛に当たっている。しかし、王国戦線側には、航空兵力や機甲部隊は配備されていない様子であり、こちら側にその点では有利であったが合わせて5万人にもなる兵力をどう対処するかが問題だった。この5万人というのも正規兵だけを考えたもので、臨時政府側についた4つの貴族家にそれぞれ5,000人の私兵部隊がおり、合わせて2万人にもなる兵力が発見できておらずそれの対処も含めると、わが軍は、7万人もの兵力を最大で相手しなければならないのだ。
国王は、「陽動作戦を使い敵軍をここに集め籠城戦をする。その間に、王国主力軍が首都へ攻勢をかければよい」という作戦を立てた。しかし、それに対してポールは、「砦目前の街へ敵軍を誘引する。街にわが軍の伏兵を潜ませる。敵軍が敗走した時に備え町前方の森林つまりは、敵の退路にも伏兵を置き挟み撃ちにする。」という作戦を立てた。この作戦について国王は、一つの問題点に気付いた。「この作戦の最重要な条件である森林への伏兵をどうやって移動させるつもりだ。」この話し合いの最中、臨時政府内にいる密偵から伝書鳩が飛んできたと総本部から連絡があった。その内容によると、4大貴族家のうちの1貴族家ダンルスト家は、国王側につくタイミングを見計らっているというのだ。もし内通できれば貴族軍がこちらに攻めてくる時に後ろから奇襲できる。そこでさっそく裏切りのための作戦を伝えてもらうため裏切りの合図と退路を塞ぐという作戦内容を書いた暗号文書を反抗勢力の拠点やネットワークを利用し、ダンルスト家の居城ダンルスト城へ届けた。
ダンルスト家の当主からは、「了解した。」とだけ伝えてきた。
早速わが軍は、第一師団所属の第一、第二工兵大隊が先行して、この砦フォルスト城の城下の街へ進軍した。城下町フォルスト今回戦場になるのは、この中心部のはずだ。この街は、住民が全員一致で解放同盟の支配下になり、協力することを決めている。まず、この街に住む市民からの了解を得て、2,000人の工兵二大隊が防衛陣地の構築に取り掛かった。市民たちは、建造物の破壊にも許可が下りたので、街の前方側の建物に爆薬を仕掛け、町の中の防衛軍本部に、起爆装置を置いた。防衛軍本部は、街のやや後方にある二階建てのアパートに設置された。ここに、通信中隊を派遣し、通信手段も整えた。そして、爆破区画より後方には、鉄条網や土嚢、チェコのハリネズミなどを設置し道路を封鎖するとその後方に、1戦車小隊を進軍させ、その戦車を土嚢で守り、簡易要塞を各通りに造った。街中の本部近くの1施設に、簡易野戦病院を設置し、1衛生小隊を派遣した。司令部のある砦でも残存部隊が防衛陣地と後方支援設備を準備し、城下町の医師とも協力して、より高度な対処のできる医療設備を用意した。
前線都市の防御には、1歩兵中隊300人を派遣し、それを1分隊10人の30歩兵分隊に分け、都市の爆破区域より後方のあらゆる建物の中に忍ばせた。そして、都市の後方、砦と街の間にある森林の中に、5歩兵大隊を派遣し、それ以外の軍は、砦及び、その外周に配備された。




