オラ、ひとりだべ?
オラ、ひとりだべ?
ごめん。
東北弁、知らない。
タイトルだけ、それっぽくて、
ごめん。
東北弁といえば、ある歌を思い出す。
あの名曲『ボンボヤージュ』。
『ボンボヤージュ』といえば
美輪明宏さんのが有名で
それはそれは
感動するのだけれど、
私がかつて聴いた中では
松坂慶子さんの、
東北弁の老オカマの歌が
最高だったな。
それ以来、
東北弁が好きになるくらい。
『慶子ちゃん。
あたし、あんたといると、
ほんと、落ち着くんだわぁ。
だって、あたしたち、
オンナ同士だもんねぇ?
オンナ同士だもんねぇ?』
お国訛りの老オカマのセリフ。
『ボンボヤージュ』、
美輪明宏さんのは、
全編の9割以上がセリフで、
本当に一編の映画を観るような
ストーリーのある歌になっているが、
松坂慶子さんのも、
全編の8割はセリフで、
ある飲み屋のマスター(老オカマ)と
慶子ちゃんとの思い出を
ひとり語りで語る叙情詩。
まだ、若かりしころの
艶っぽかった松坂さんが、
泣きながら歌っていた、悲しい歌。
でも、
あんな悲しい歌を
好きってこんなところで
広言しちゃってる
あたしって、
あ、間違えた、
オラって、
オラって、
こんせかいに、ひとりなんだ。
ろ?
オラ、ひとり、だべ?